1936年に開通した Blue Ridge Parkway は全長469マイル(755キロ)の長さを誇り、バージニア州とノースカロライナ州をまたいでいる。このパークウェイの特徴は長い東アパラチア山脈の尾根を貫通している所にある。自分が確めた最高高度は3400フィート(1030メートル)であった。資料によると高度600から1200メートルの標高を縦走する道路である。今回はパークウェイの北部の一部(バージニア州)を南から北に向かって走った。当日はコロンバスディの休日で秋の晴天に恵まれた。交通量は決して多くはなかった。巡航スピードは60から70キロ位である。ハーレーダビットソンにまたがるライダー達が気持ちよさそうに風を切りすれ違って行く。途中、目先のコーナーを曲がってこちらに近付いて来た一台の車には目を疑った。それは老人が駆るフォードのT型モデルであった。遅いだけあってT型モデルの背後にはクルマが数珠繋ぎの状態であった。
自宅を出て北に向かうと直ぐに Fort Lee という小さな街がある。そこの短いメインストリートを抜けてマクドナルドの店を通り過ぎた所にあるのが Palisades Interstate Parkway というハイウェイの入り口である。Palisades Interstate 公園の中を南北に走るこのハイウェイは全長61.5キロの長さがある。トラックやバス、商用車は走行禁止であり、緩いワインデングと起伏が続くこの道は乗用車とオートバイにとっては最高のドライビングコースである。
圧雪の雪道をランドクルーザーで走る。雪が積もっているからといって四駆に入れている訳ではなく、FRで走り抜ける。スピードを落してステアリングを回し90度に交わる道に入って行く。ハンドルを切って曲がる途中に一瞬時間が止まり、二つの選択のオプションが提示される。このままゆっくりと確実に曲がってしまうか、或いは、アクセルを少し踏んであえて後輪を滑らし、ハンドルでカウンターを切ってドリフトして立て直して行くかである。道が狭かったり他車の存在がある時には迷わず冷静に滑らせないように曲がってゆく選択をする。全ては自己責任である。今朝は仕事先の駐車場に一番乗りで入った。誰もいない新雪の駐車場に入って少し強くアクセルを踏込みハンドブレーキを引きながらハンドルを切る、ハンドブレーキを戻してハンドルを切ったまま押さえ込み継続してアクセルを踏み込むと、ランドクルーザーは雪煙をたてながら後輪を滑らせ360度のドリフトを決める。駐車場に出来たドーナツ型の轍を観て快感な気分になる。雪道では滑らない様に走らせるテクニックと、滑らせて制御するテクニックがあるのであろう。滑らせないテクニックは意識され実践されているが滑らせるテクニックは野蛮な行為に見えるかもしれない。だが、滑らせるテクニックを時々意識しておく事は、いざ雪道で意図しない滑りに合った時に心臓の鼓動を乱さないでいられよう。雪道での Fun to drive を安全に制御出来る事がランドクルーザーに乗る者の使命なのである。