ロクマルでいこう、60でGo!

" AS SLOW AS POSSIBLE AND AS FIRST AS NECESSARY "

ナインティセブニィ

2023年05月23日 | VINTAGE CARS

 

 振り返ること半世紀、1970年代は自動車にとっていい時代、正確に言えば自動車が一番輝いていた時代だったのではなかと思う。しかし当時、人々はそんな風には思う事はなかった。僕が小学校の時代にニッサンフェアレディZ(ゼット)を見かける度に胸が騒いだのを覚えている。同級生の友達と「俺が大人になったら絶対にゼット買うぞ!」そんな夢のある話をよくしていたのを覚えている。しかし、水を差すように「俺達が大人になった頃にはゼットよりも、もっとかっこええ車が出てくるぞ!」という更に夢のある期待の会話も重ねていた。あれから半世紀の時間が過ぎた今、あくまでも個人の見解に過ぎないが自分なりの結論が出た。結論を言おう、「ゼットはS30、240Zが一番かっこいい!」である。

 フォードマスタングマッハ1は60年代から70年代前半の初代後期型である。マッハ1は時代により搭載するエンジンに違いはあるがNASCARを念頭においた強力なエンジンを搭載していた。このマスタングの後を追いかけながら、上記の幼い頃の会話を思い出した。

 マッハ1は交差点を右にハンドルを切った。その時一瞬、長いボンネットとクーペのデッキを見せたかと思うと、勢いよく加速して緑の茂る郊外の住宅街に消えていった。そこに残ったのは響いた空気と良きナインティセブニィの面影であった。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ナインティシックスティ

2023年05月22日 | VINTAGE CARS

 

 休日の五月晴れの昼下がり、マンハッタンの横道にEタイプジャガーを見つけた。直ぐ横に小奇麗なオープンエアのレストランが賑わいを見せていた。レストランの外の路上の席でおしゃべりをしながらワインを傾けている人々にとって、今日のランチは舌の食感と嗅覚を楽しむだけではなく、目の前に停まっている赤いビンテージスポーツカーにより視覚まで嬉しくしてくれる。そんなオブジェとなっている。ニューヨークのレンガ造りの小ビルディングは既に100年以上の歴史がある。思うに、このジャガーEタイプが世に出た1960年代のある晴れた五月のマンハッタンの街角は、今日と同じ光景が展開していたのではないだろうか?そう思うと、まさにこの1台のEタイプはレーシングカーの血筋を背負ったスポーツカーだけではなく、タイムマシーンなのである。Eタイプの停まっている半径30メートルは、当時と同じ1960年代のある五月晴れの昼下がりであった。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1954 Jaguar XK120

2023年04月12日 | VINTAGE CARS

 近代の世界の列強国、国が栄えたその時代には現在に名を残す名車が誕生している。ハコスカが誕生した当時の日本は成長時代の新興の幕開けの空気があった。ハコスカのドアを開けて乗り込むと当時の空気がそこにある、そういった他には無い感覚こそが旧車の持つ魅力の一つではないだろうか。そう思うと一台の自動車には時代と地域の空気が濃縮されている。それが故にクルマを観る事は愉しい。

 トラックの上に積まれているのは1954年のJaguar XK120である。どうして年代まで分るのか?というと信号で止まって写真を撮っていた我々の横で SUV を運転していたおっさんが嬉しそうに説明してくれたからである。このジャガーのオーナーでトラックの後にぴったりとくっ付いて愛車を鑑賞しながら走っていたようである。信号が青に変わって詳細を聞く事は不可であったが、荷台に積まれて輝いている一台のジャガーを観て1950年代のブリティシュの背景を感じた一時であった。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

911 Porsche

2022年12月18日 | VINTAGE CARS

 スティーブマックイーンが映画ル.マンの初頭で駆っていたようなポルシェ911に遭遇した、ナローと呼ばれる911である。丁度この日の午後にニューヨーク近代美術館 MoMA に足を運び芸術品鑑賞を行った事で、芸術アートとは何?という課題に直面したこともあり、その思考の真ん中に911が君臨した。芸術品とは自分の心が感銘を受ける対象物だと僕は思う。また、作者と鑑賞者は立ち位置が異なり、作者は自分の中に存在する形の無い思念を形や色で実体として表現するのに対して、鑑賞者はその作品の存在から共感によって感銘を受ける。その対象作品は見る人によって皆異なるのである。 

 街の郊外でみかける911は生きたアートと言っても過言ではない。美しいハドソン川のほとりに冬の澄み切った空気と明るい太陽の光と空は申し訳の無い演出となっている。ランドクルーザーで自然の中をドライブしたり、森の中でコーヒーを入れて休憩を楽しんだりする事を芸術鑑賞と呼ぶ事に対して違和感は無い。むしろそう呼ばない事に違和感があるのだ。僕は自転車を降りて縁石に腰掛け暫くこの光景を楽しんだ。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ランドローバーに割り込まれる

2022年12月06日 | VINTAGE CARS

 今朝は嬉しい事に、フリーウェイのファーストレーンを飛ばして仕事先へと向かう自分の車の前にクラッシックレンジローバーが割り込んで来た。釣竿に獲物が掛かった様な感触である。車体は綺麗でしっかりと整備されているように見えた、良いコンディションでなければフリーウェイのファーストレーンを走ろうとは思わないであろう。

 ニューヨーク郊外のハドソン河に沿った静かな昔ながらのある集落(ビレッジ)がある。その辺りは自然に恵まれ坂道も多い。住宅は古くアメリカの家にしては小さい。ヨットハーバーが隣接しカヤックが盛んである。ファーストフード等はないが、おしゃれなお店やカフェが点在している。そこには狭い道がビレッジを繋いでいる。その道を走ってみると、驚く事にランドローバーが敷地内のドライブウェイに駐車されているのをあちこちに見かける。近年の快適なレンジローバーではなくて、右ハンドルのシリーズであったりディフェンダー、或いはクラッシックレンジである。多くは屋外駐車で実用で使用されている。点在するランドローバーのせいで豊かな雰囲気を感じる地域である。

 おそらくこのレンジローバーはその地域からフリーウェイに流れ込んだに違いない、そう思った。なぜならば、その地域に隣接する場所であったからだ。僕は一度目にしたオールド四駆は記憶の片隅に必ず残す。そして再びそれを目にした時に記憶を掘り出して検証する、これ楽しみの極み。古い四駆を観るとワクワクする、これはもうどうしようもない性なのである。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

P O R S C H E 928

2022年10月18日 | VINTAGE CARS

 時刻は夕方の7時。目の前を走るポルシェ928を追う、1978年に世に出た名車である。こういった小知識が自然に出てくるのは、少年時代にスーパーカーブームの洗礼を受けたおかげである。当時のスーパーカーブームを経験した同世代の日本人が持っているクルマに対する知覚は財産であると感じている。目の前を走っているFRポルシェをみて、このモデルは928か924、944かはすぐにわかるところ。またナローRRポルシェを指差して、こいつは911か912か、また年式まで想定する領域はマニアックな世界である。こういった少し古いクルマに対する知は他国の多くの人々は持ち得ていない。知らない=関心が薄い、知っている=関心が湧く。関心が湧くというのは愛心でもある。その基礎を今日まで引きずっているが故に、当時から今日までの世に出た車に対する比較脳が出来てしまっているのかも知れない。

 928が世に出た時、車体のバランスに魅力を感じていた。特に後廻りは独特で、あのリアバンパーは、鉄で出来ているのか?アルミで出来ているのか?に疑問を抱いていた事を覚えている。今日、多くの車のバンパーは樹脂で形造られて、それが一般化されてる。928の後姿を追いながら、このセクシーな後姿こそが今日の樹脂バンパーの元祖じゃねえ?という問い、そしてその問いを打ち消すように、元祖樹脂バンパーと呼ぼう!とする結論が頭の中を占領したのであった。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

久々のクラッシックカーショー

2022年09月23日 | VINTAGE CARS

 地元で開催された旧車集会へ行って来ました。イベントが楽しく感じたのは過去2年間に渡るコロナ過から暗いトンネルを抜け出した様な感覚があったからである。アメリカの旧車集会はマッスルカーが主体であるのは致し方ないが、日本車も健闘している。その中でも右ハンドルのシ-マとか軽トラの存在が、アメリカ人のクルマ愛好家達における変化の兆しであると感じた機会であった。

 

 映画BULLITT の中でスティーブマックイーンが駆っていたダークグリーンのフォードマスタングのレプリカ。会場で最もケータイをを向けられていた存在であった。

 

 美しくレストレーションされた車両が多い中オリジナルペイントを死守しているシェビーインパラワゴン、サーフボートを積む仕様である。ヤレや劣化がヒストリーを刻んでいるこういったスリーパーに魅力を感じる。

 

 今年でちょうど50年を迎えた1972年のFJ40。この車両とは今まで2回程街ですれ違った記憶がある。今回はオーナーと知り合いになり、色々と情報を交換出来た事が最大の恩恵であった。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サバイバル現行車

2022年05月01日 | VINTAGE CARS

 仕事で訪れたニューヨーク郊外の町にある半地下の駐車場に駐車されていた一台のビンテージカー。これはスゴイと思った。タイヤの空気はしっかりと充填されナンバープレートが付いている。フロントウィンドーには定期的なオイルチェンジのステーカーが貼ってある。ナンバープレートは年に限定的な走行距離を規制されるクラッシックカーナンバープレートではなくて、一般的なものであった。写真を見ると分るが右ハンドルである。フロントの先端に栓抜きの様なロゴがあるが何処のメーカーが何時作ったのかはさっぱり分らない。1930年代?かとは思った。車体の塗装はレストレーションが施されている光沢で埃の積もり具合から一月程動かされていない?様子。当時のセダンは観音開きであった。後部座席はタイヤの真上に在する。フロントボンネットの中にインライン(直列)エンジンがあるのであろう。前後の車輪の中に見えるドラムブレーキ、垂直なAピラーとフロントウィンドゥ、前輪のアプローチアングル等を見るとランクル40を連想させらる。戦前のニューヨークの街にはこういった車が沢山走っていたのであろう。こういったクルマを観る事が出来たのは仕事プラスアルファであった。これからは暖かい季節。街や郊外でこういったビンテージカーを見かける機会が増えるのを楽しみにしている。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

BMW 2002

2021年12月25日 | VINTAGE CARS

 2021年の冬至前の冷え切った朝。ニューヨークのマンハッタン島につながるジョージワシントンブリッジ。F-150の大型ピックアップが牽引するトレーラーの上には何処かの納屋から引っ張り出してきた様な白い BMW2002 が縛り付けられていた。久し振りに観る丸目と豚鼻に何かホッとする様な居心地好さを感じる。2002の車体を見るとボンネットにはサフェースラストこそ浮いてはいるが全体に深いサビが無い事から何処か遠くの地、西海岸や中西部から引っ張ってきたのではないかと思われた。半世紀前の旧車と呼ばれるBMW2002がいったいどんなオーナーの所に箱ばれていくのかは興味のあるところだ。なぜならば、このBMW2002のオーナーは、それ面白いか?これ楽しいか?というような個人の持つ情緒が主流となってこの車両を入手しこの車と暮らすであろうからだと妄想するからだ。そして、再生された2002と何時か公道で出会うかも知れない。

 僕はランクル60を活用している。それは心がある方向性を指向しているからだ。アメリカの古典的な映画イージーラーダーの中でハーレーデビッソンに跨って長髪をなびかせて走る若者達が見せていたもの、象徴していたものが自由というテーマであった。自由という世界に近づかせてくれる対象の実体が僕にとっては錆びたランドクルーザーFJ60である。そんな感性でこの2002を観ると共感する世界があるのを感じた。BMW2002をトーイングしたF-150は右のレインに入りマンハッタンの街中へ消えていった。僕にとってのいい車っていうのは自由を感じさせてくれる車だってことを再確認した朝であった。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

TRUE ORIGINAL

2021年10月04日 | VINTAGE CARS

 ENGAGE 誌のIssue Twoの表紙に暫く見入った。タイヤが’外されフロントウィンドウが倒された状態で木箱に納められたジープの姿を見て、これが本来のジープの機能であった事を再確認した。1941年に誕生した ジープWILLYS MB と FORD GP は60馬力の四人乗りで、全長132インチ、重量2400ポンド(約1100kg)と小型であった。当時の設計思考は戦地であるヨーロッパやアジアに木箱に詰め込んで発送する事を考慮されて設計されていたのである。僕にとってこの誌の表紙は、有ったけど気がつかなかった、或いは忘れてしまっていた、ジープが本来持っていた機能というものを認識出来た一枚の写真であった。テクノロジーとは新しい技術の事であると未来ばかりを見つめている様であるが、初代のジープには機能美的なテクノロジーが隠されている。当時のこのジープを人々はTRUE ORIGINAL と呼ぶ。この意味はやはり深いのである。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クルマに対する2つの美

2021年09月05日 | VINTAGE CARS

 ニューヨークの近代美術館の中庭に置かれている美を象徴する2台の車、シトロエンDSとジープ。ジープはラングラーという名称が付けられる以前のモデルである。ジープは機能美を表現しシトロエンは形状の美を表現している。共に今から60-70年昔の車であるが、現在の車のデザインの元(オリジナル的)の様な存在に感じる。シトロエンDSは当時未来を先取りした車と呼ばれていた、今日振り返るとグリルレススタイルのフロント等は半世紀先を見据えていたのではないかと思う程である。この2台を選んで美術館の中心に置いていると言う事は、美術館の主宰者達の中に分っている人がいるという印象を受けた。

 

 とは言え、クルマに関心の薄い人には全く内心に引っかからない観点であろう。ただ単に旧車が展示してあるという認識で終わってしまう。

 クルマに対する時代的な視点は確実に変化し続けている。今の時代は比較対象である横的展開(各メーカー)と縦的展開(過去のモデルの数々)の幅も深さも大きい。当時はその比較範囲が現在と比べると狭く余裕もあまり無かった。オリジナル色があるのはそういった時代背景の中で製造された事が要因となっているのであろう。この2台を記憶の隅に置く事によって、クルマに対する美術感が刺激されるのではないかと思っている。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DATSUN 510

2021年08月06日 | VINTAGE CARS

 メカニックを訪れれるとそこには幻の名車 DATSUN 510 が整備の為に入庫していた。しばらくメカニックと雑談を交わし目の前の510を眺めながら嘗て北米日産の社長を務めていた故Mr.K片山豊氏の事を思い出す。

 510 っていうのはいいクルマだったね。これが日本からの輸送船に乗ってサンペトロの港に入ってきた時は、本当に嬉しかったんだよ。510 は思い出がたくさんあるよ。これに乗ってカリフォルニア中行くところ道がないぐらい走りまわったんだ。Mr.K

 510が北米で走りだしてから半世紀を迎えようとしている。今の時代はいい時代だと思う。なぜならこうやって半世紀を迎える実動車を観る事が出来る、そこには面白さが存在している。その面白さとは車の固体だけの事ではなく、現在という時代の中で旧車を前に当時の情勢について、ああだこうだと語れる話題性である。

 片山氏の功績とは何か?それは日本車をアメリカに売り込む事に貢献した実績である。氏は1958年に豪州ラリーでダットサンがクラス優勝した時にフォルクスワーゲンのサポートチームが他のチームに勝って交換パーツの補給力とサービスに力を入れていた事を学び、当時の北米日産においてはパーツの供給とそれに伴うサービスを迅速に行う体勢を強く指示していた事はあまり知られていない。日本車が世界に広まったのは車の性能や燃費、或いはオイルショックの時代的背景だけではなくて、実はこのサービス面での功績も大きいのである。

 当時サンペトロの港に入港した DATSUN510 が今もこうやってニューヨークの郊外で走っている事にただただ喜びを感じるのである。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

真夜中のポルシェ911

2021年02月09日 | VINTAGE CARS

 

 ニューヨーク郊外の夜の寂しい道を一台の80年代の空冷ポルシェ911が流して行く。氷点下の冬の夜中の路面は凍て付いているが、解氷剤が厚く散布されており時々路肩の雪解け水に遭遇する。その上を911が走り抜けるとタイヤが蹴散らしたしぶきがランクルのフロントガラスを汚し曇らせる。時々街頭があり、その下を911が走り抜ける時にダークな色調のボディの光沢を確認できるが、残念ながらボディカラーの把握は出来ない。ランクルのスピードメーターは時速40マイルを示している。道路脇のスピード警告の表示が40マイルなので、警告を遵守しての走りである。安全な十分な車間距離を置いて追跡し、暫くの間ポルシェの走りを愉しんだ。

 冬季の湿った道は車を激しく汚す。車体は白と黒が混ざった灰色に染まる。ノスタルジックな車にとって冬季の走行は避けるべき期間、特に溶雪剤が撒かれた路上は避けるべきなのだと勝手に思ってしまう。ノスタルジックであってもランクルは汚れを全く気にしないが、磨かれたポルシェだと汚すのに勇気がいる事である。911のテールライトを見ながら、以前、北京ーパリをクラッシックカーで走破するラリーをユーチューブで見たのを思い出した。クラッシック、ノスタルジックカーの醍醐味というのはそれを十分に使い込む事にある。旧車を大切にすると言う事の一面は、時々愛情を持って思い切り汚し使い込む事が必要な維持の過程なのだと感じた時間であった。

 911はやがて右折し、道から外れて静かな闇に消えていったが、テールライトの明かりは凍った冬の道の闇と融合して記憶に焼き付いた。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1968 Ford Bullitt Mustang

2020年01月14日 | VINTAGE CARS

 映画BullittSteve McQueen が駆った1968年型 Ford Mastang が 市場において$3.4Million (約3.7億円)で落札された。値段が最高値を記録した金額である事はもちろん驚きではあるが、それ以上に、アメリカンアイコンである Bullitt Mustang にスポットが当てられた事によってアメリカ中の車好きな連中の胸が騒いだ事が大きな現象である。多くの車雑誌が競う様にこのオリジナル Highland Green のマスタングを紹介している。現在、エレクトリカルな車で溢れる社会において半世紀前のこのマスタングは力強く硬派で男性的な存在である。あの当時から現在に至って、そして、未来においてもこの渋み、かっこよさを持ったマスタングは存在しない。多くの男達がかっこよく成りたい、生きたいと思う、それには抽象的な事ではなくて具体的なイメージが必要である。そのイメージを植えたのがスティーブマックィーンとブリッツマスタングであった。2020年の幕開けはネガティブなニュースで胸が騒いだが、このブリッツマスタングの存在でサンフランシスコでのカーチェイスの轟きを繰り返し観るに至り、眠っていた野生が目を覚まし、久し振りに胸が騒いだ。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

トライアンフ TR6

2019年10月10日 | VINTAGE CARS

  この夏が終わってから今日までの一月の間にニューヨークとボストン間を仕事で4往復した。ニューイングランド地方の東の端の動脈である5号線を使い、ニューヨーク、コネチカット、ロードアイランド、マサチューセッツの4つの州をまたがる。途中に幾つかの中規模な街を抜ける。東側に大西洋が広がり大小多くのヨットハーバーが点在する。片道250マイル、Exit の数177、渋滞もあり時間にして7時間程かかる。途中休憩所で20分程コーヒーとドーナッツの休憩を入れる。街と街の間には沢山の広葉樹の森林地帯が展開し、夏から今日まで少しずつ紅葉が展開する過程を愉しんだ。後数週間で秋の紅葉が深まり、ハロウィーンが終わりサンクスギビングの準備が始まると寒く長いニューイングランドの冬が始まる。

 

 途中、一台のブリティシュライトウェイト トライアンフTR6を追い抜いた。バハマイェローの美しくレストレーションされた個体で体格のいい大きな男が乗って一生懸命走っている感であった。自分が運転している最近のクルマはエンジンのレスポンスが軽く、つま先を軽くアクセルに触れるだけで容易に追いつき追い抜いてしまった。追い抜いてバックミラー越しに小さくなってゆくトライアンフを観ながら、なぜか、ごめんね!という気持ちを抱いた。場所から場所への快適な移動には新しい車が快適で便利だが、ドライブそのものを楽しむには40年以上前のトライアンフの方が快走感を感じるであろうと、トライアンフを運転している男の横画をチラッと観た時にそう感じた。追い越す時に、ごめんね!という声が聞こえたのは。実は、トライアンフを運転している男が自分を追い越してゆく車に対して発した声だったのである。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする