建築から自動車製造など広範囲に関わる塗料会社の駐在員の方とお話する機会があった。単刀直入に夏における自動車のボディーカラーと室内温度の関係についての意見を伺った。夏の日の晴れた条件の下で白い車と黒い車、やはり白い車の方が涼しいのでしょうか? この質問に対して。気持ちの上では白い方が涼しく感じるが、実際にはそれ程変わらないとおっしゃった。期待していた答えと異なっていたので、逆に驚いた。中近東などでは車体の色は白やベージュが好まれるが、それは心理的な要素の方が大きい、との事であった。夏の日の自動車の室内の温度を車のボディカラーから考慮する時に、車体の色が室内の温度に影響する要素だという概念は現在の車には当てはまらないらしい。
クーラーの使用を避ける砂漠地帯でのロングドライブなどではやはりボディカラーと窓の面積は影響するであろう。しかし、現在ではその様な状況を想定する人は殆んどいないのかも知れない。夏にクーラーを使用しないでいかに涼しく走るか、という知恵や考察は封印された課題なのであろう。我がロクマルはクーラーの使用を避けているのでこの課題に対峙せねばならない。車体の色は勿論、室内への空気の取り込みと流れ、シートの素材、ルーフの構造、昼間は運転しない、早朝移動などという行動計画等、考慮する課題は尽きない。それらを実践するしないは別として思考を巡らす事は悪くない。暑い、即クーラーでは思考が抹殺されてしまう。好いクルマとは思考が継続的に啓発される対象なのである。
先週、知人の黒い屋根の広い大型ダッジバンに搭乗した。クーラーは全開であったが暑さを感じたが、これは車体の色からくる気分の問題だったのであろうか。