ロクマルでいこう、60でGo!

" AS SLOW AS POSSIBLE AND AS FIRST AS NECESSARY "

地方とメイドインアメリカ

2019年11月28日 | OVERLAND VEHICLE

 この10年におけるアメリカでのオーバーランディングの開花をビジネスの見地から述べてみると、大きな流れが2つ見える。まずは広大な自然に恵まれているこの大陸にアフリカやオーストラリアで養われてきた乗り物を活用した冒険的移動旅行が、オーバーランドという新しい名称を持って入ってきた。主にオーストラリアや南アフリカにおけるオフロードアウトフィッターのメーカーとそれに付属するアウトドア系メーカーの商機拡大である。当時のアメリカにはオーバーランドという言葉さえ普遍ではなかった。オフロードビークルの主流と言えばクローラーかバハの砂漠を滑走するピックアップであった。今日、オーバーランドという名称の定着と共にその商機拡大は成功し、アメリカというマーケットを傘下に収めたのである。

 

 それと平行してアメリカ国内でも変化が起こった。それまでコツコツと四駆のパーツを製作していた主に地方の中小工場がそれまでの技術を応用し試行錯誤しながらもこの流れに乗り衰勢を取り戻した。この流れは四駆パーツの小企業に限らず、アウトドアやキャンピング用品もこの流れに加わっている。彼らは昔から一つの確信を信奉している。それは Made in USA という誇りと自信である。それは地方経済の栄養となりトランプ大統領が謳う America Strong Again! の方向性に沿う流れを形で成している。

 この様に今日アメリカにおけるオーバーランディングビジネスは2本の草鞋を履いて歩き出し、オーバーランド文化のDNAの2本の基軸を形成するに至っている。このDNAが形を整えつつある故に最近は自動車メーカもこの流れに乗っている。その一つの例が Jeep Gladiator Overland の様に Overland という名前のグレード名での使用である。Sahara, Rubicon, Overland, の様にラングラーは四駆のトレンドをグレード名に取り入れるので有り難く分かり易いのである。

 

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Kei-Truck

2019年11月25日 | PICKUP TRUCKS & 4X4

 軽トラがアメリカの公道を走っている姿を一度も目にした事はないが、個人の敷地内に駐車されているのは見た事がある。大学のキャンパス内やアパートの敷地内で活躍している姿を見て、「おっ、軽トラ!」と叫んだ事もあり、その時は何故か日の丸が重なるのである。写真はアメリカ北東部のバーモント州のナンバープレートを付けたホンダの軽トラ。アメリカでは州によって交通事情の法律が異なるが、バーモント州では軽トラを登録出来る。つまり公道を走る事が出来る一つの州なのである。

 

 軽トラはまだ物珍しい存在であるが、アメリカの25年ルールによって今後も増える可能性がある。オーバーランドエクスポの敷地内でも軽トラは活躍していた。最初は珍しさ故に外観で関心を惹くが、会場を走るその姿を見ていると可愛いとか面白い、などという外見からくる先入観は吹き飛んでしまう。小回りが利き、ちょっとした丘ならばその軽さ故に易々と上り、きびきびと走る。オフロードビークルは軽い方が走破性が良いという事の実体車そのものである。近年はトラックも四駆も安全性が強く追及された事もあり大きく重くなってしまった。そういった中で軽トラが示すパフォーマンスは時代が忘れ去らせようとするベーシックへの憧憬を復活させる。日本では当たり前の様にそこら中に転がっている軽トラだがアメリカから見ると、こいつぁ凄いトラック!、なのである。

 

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Original Defender

2019年11月23日 | PICKUP TRUCKS & 4X4

 2020年型の新型ディフェンダーが発表されたが、ネット等の媒介で見る限り往来のディフェンダーファンからは歓迎されてはいない様子である。新型ディフェンダーはモノコックボディに独立懸架で、近年のレンジローバーやデスカバリーと同等の雰囲気を持っている。ディフェンダーがここまで変わったた事に対して、車(しゃ)ではなくて社に何か原因があるのではないかと思っている。ズバリ言うと、ランドロバー社は本当にモノコック電子制御のランドローバー車にディフェンダーの名前を付ける事を躊躇しなかったのだろうか?という疑いである。おそらく社内でも反対の意見があったのではないだろうか?英国の欧州連合離脱、タタ自動車の資本の意志等の遠因があるかも知れない。新型ディフェンダーの市場への投入は往来のディフェンダーの死で、新しいディフェンダーは古きを捨てて生まれ変わった新生ディフェンダーであると広告媒介は伝えてくるであろう。しかし、見方を変えると真逆であり、往来のディフェンダーとは全く異なる新型ディフェンダーの市場投入はディフェンダーの死というふうに捕らえる事も出来る。

 最近なぜかオリジナルディフェンダーやシリーズを毎月の様に目にするのはニューヨーク周辺でディフェンダーの数が増加している証拠なのかも知れない。

 

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エクスパートよりモディフィケーションに対するアドバイス

2019年11月20日 | OVERLAND VEHICLE

 このアメリカでは何かを始める時にまず外観から入って行く。アメリカの中学生や高校生が野球やバスケットボール、或いはサッカー等のクラブ活動に参加する意向を示すと、最初に Tryout と呼ばれるテストを受ける事になる。そのテストに望む時に野球なら野球の格好、サッカーならサッカー、バスケならバスケ、上から下までその格好で固めて臨んで評価を受ける事になる。それはこのスポーツ大国アメリカの一つの文化の形(暗黙のルール)である。もし、本人に自分がこのスポーツが本当に合うかどうか分からないので、タメシと割り切って、今手元にあるTシャツとジャージで臨むとすると、こいつはやる気が無い、とみなされ不利な評価となってしまう、或いはテストを受ける前から落される。ティーンエイジのスポーツにおいては、事を始める最初にその容姿によって本人と家族の覚悟を見せなければならない。そういう文化の中で育ったティーンエィジャー達が成長して社会に出て仕事を持ちオーバーランダーに憧れを持った時に、彼らはまず何を考えるであろうか? トラックを手に入れてモディフィケーションを施す事ではないだろうか。つまり、最初に考える事が外観である。まずはお金を掛けてモディフィケーション。そしてこの傾向はアメリカだけではなく世界を観ても同じ様な価値観が蔓延している様に感じている。

 以下のメッセージはオーバーランド エクスパート (OEX) のリーダーのアドバイスである。

 After you have driver skill, then you need to learn how to outfit a vehicle, navigate, use first aid, learn people skills situational awareness, major repair skills, and more.

Bruce Elfström/OEX Overland Exparts

  まず、ドライビングのスキルを学んでから、次にアウトフィットに手を付けよう。車に対するモディフィケーションを考慮する前に大切なのは運転技術の体得であり、その後に装備に着手する様にアドバイスを行っている。トラックにモディフィケーションを施してから運転技術を学ぶのという順番ではないという事を覚えておこう。実際にOEXが自前の練習用ビークルを揃えているのはこういったルールに基づいての体制である。

 

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Look West 西高東低

2019年11月17日 | ロクマル日記

 冬が突然やって来た。記録によると昨年の今日は大雪であった。この2週間、仕事で北はカナダと国境を接するオンタリオ湖のローチェスターの街から、南は常夏のマイアミまでアメリカの東側を南北に移動した。感じたのは温度差である。朝夕氷点下の北部と日中の最高気温が30度の南端での温度の違いは勿論だが、オーバーランダー達にとってアメリカの東海岸という地帯はコロラド以西の西の世界とは異なる空気が停滞している所に温度差を感じている。

 

 秋が終わって雪の到来を待つニューヨーク州の山々、長く厳しい冬が始る。この地方においては人も自然も冬を迎える覚悟が必要になる。 山々と四季に恵まれている東海岸に住むオーバーランダー達と話をすると、機会を持ってアリゾナやコロラドを走りたい、或いはアラスカに行きたいと言う。ニューヨークやフロリダから西に向かってウェストの玄関口であるロッキー山脈に辿り付くまで運転して3日間掛かる事から西部への車の旅は遠征(オーバーランド)である。東部で暮らす人々にとってオーバーランドに対する意欲は西に向かっている傾向がある様な気がしている。

 

 11月の初旬、日中の最高気温が30度を超すマイアミ、フロリダ。60年代にアメリカで流行ったCalifornia Dreamin' という歌は寒い日のニューヨークで作詩されたと聞く、寒い地方から暖かいカリフォルニアの地を羨む歌詞であるが、同時にベトナム戦争時代のアメリカの若者達が自由を追求し後のヒッピー文化を牽引した歌でもある。寒い季節に暖かいマイアミにやって来ると開放感を得、寒さから来る沈滞感や閉塞感から開放され自由な気分が高まるのは事実である。マイアミは緑の美しい良く整備された街で、美しい海岸に恵まれ一年を通じて温暖である。湿地帯はあるが山が無く何処を走っても平地が続く。焚き火をするにはちと暑すぎる。時々ハリケーンに襲われるが、食事も美味しく女性も美しい。でも、もしランドクルーザーを手に入れたら生活の足だけで満足が出来るであろうか?

 

  そうやって、何故西に惹かれるのであろうか?自分なりに考えていた期間であった。一つの見解はランドクルーザーという車はインフラの整った街中で乗る車ではない、もっと過酷な条件下で使用する事を望むDNAを元々持っている。その車体質故に豊かな自然とか荒野を好む、ランドクルーザーは常にそういった故郷に身(車体)を置く事を望む心を持った道具なのである。人間にとっては温暖な環境が居心地がいいのと同じで、ランドクルーザーにとっては美しく少し過酷な自然環境が居心地が良いのであろう。所有する愛車の意志によって東海岸のオーバーランダー達は西を目指す。とは言わないが、そういう感性が当てはまっている様に感じている。

 寒い日の夜中、過酷な厳しい冬がやって来たのでよろしくね!と、ボンネットに積もった枯葉を掃除しながら話かけるのであった。

 

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FJ Cruiser in New York

2019年11月14日 | FJ CRUISER

 アメリカにおいては2014年で新車の販売が終了した Toyota FJ Cruiser であるが、面白い事に中古車市場における FJ Cruiser はその価値を高く保ったままだ。製造されてから古いもので13年の歳月が過ぎ、走行マイルも20万マイル(32万キロ)を超えたものですら8千ドル~の値段が付いている。市場における値段は需要と供給によって成り立っているので、こういった現象は即ちFJ Cruiser の人気の高さを示しているのである。FJ Cruiser が米国にて販売が開始された2006年の米国のオフロード四駆界はロッククローラーの盛んな時期であり、その中心にあったラングラーJKに対抗するべき存在として登場した感があった。2008年にリーマンショックが起こりそれと平行しての原油高により人々は燃費の悪いSUVを避けるようになり業界全体が落ち込んだ。その後、シェールガスの増産により原油価格が安定するまでの間にSUVの再編がメーカーによって行われた。あるメーカーはラダーフレームを捨てた、トヨタは他のSUVを生かす為にFJクルーザーを外した、そんな気がする。そう思うとFJはとても気の毒な気がする。そうして現在 FJ Cruiser の値段が落ちないのはFJ Cruiser のリベンジなのかもしれない。ニューヨークではランドクルーザーを観る機会は少ないが、FJ Cruiserは街に出かければ必ず見かける。FJ、生命力強しです。

 

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時代は次なるステージへ オーバーランドイベントの拡大期

2019年11月11日 | OVERLANDERS

 オーバーランドエクスポウェストが開催されてから今年で10周年を迎えた。これから、この2019年から2020年のこの時がアメリカにおいてのオーバーランダーの拡大と定着期に入って行く、その現象が具体的に現れてきている。2009年に始まったオーバーランドエクスポにおける総合参加者は900人程度、2012年の時点では5000人を超えた所であった。そして、今年の10回目には22万人に膨れ上がったという事。ウェストだけをみても10年前から20倍以上に増えたという事実である。オーバーランダー指向者は増加をたどっている。

 今年のラスベガスSEMAにおいてオーバーランドジャーナルの編集長スコットブラディ氏による Expeditionportal での報告がオーバーランドというキーワードの定着とその需要を示している。

SEMA Overland Day 1、 SEMA Overland Day 2、

13 years ago, when Expedition Portal first displayed a vehicle at the SEMA show, there was only three purpose-built overland vehicles in attendance: The Turtle Expedition Ford, UJoint Offroad’s E350, and our 2004 Tacoma. Times have certainly changed and you cannot walk 10 feet without bumping into a roof tent or a snorkel. Even SEMA has fully embraced overland travel, working with the Overland Expo to create an entire “Overland Experience” area, complete with panel discussions and display vehicles.

 スコットブラディ氏の報告によると13年前(2006年)にエクスペデッションポータルの名でオーバーランドビークルを展示した時はその数僅か3台であった。しかし、今はOverland Experience という名称で2つの会場の敷地を占め規模は大幅に拡大し、その規模はクローラーや一般的な四駆と肩を並べるまでに至っている。

 これらの現象を虎視眈々と観てきたのが FOURWHEELERの媒介を傘下に持つ Moter Trend Group であった。そして彼らは新しい企画を立て行動に出てきた。それが来年2020年の3月にカリフォルニアで開催される ADVENTURE EXPO である。内容は四駆に焦点を絞ったものであるが OVERLAND EXPO の類似イベントと観ている。

Mark your calendar for March 7-8, 2020, because MotorTrend Group has announced the first-ever Four Wheeler Adventure Expo! It's going to happen in Costa Mesa, California, at the OC Fair & Event Center, and the exciting event will bring together outdoor lifestyle, off-road and adventure-travel enthusiasts, exhibitors, and experts.

The Four Wheeler Adventure Expo is Four Wheeler's new flagship event. This unique event caters to a wide range of adventure-travel enthusiasts who enjoy the backcountry. There's something for adventurers of all kinds, including off-roaders, hikers, mountain bikers, and rockclimbers. The Expo will host classes and seminars to prepare attendees for their next adventures with travel workshops hosted by the Four Wheeler team and top adventure experts. Fans will be inspired by films at the Travel Theater and by watching expedition driving experts as they host seminars to showcase the skills needed for extreme off-road driving conditions. Attendees can gear up with the latest camping and travel equipment, mountain bikes, and off-road vehicles in the exhibitor midway.

 

 更に来年2020年は Overland Expo も拡大する。今まではウェストとイーストであったが、来年の8月にコロラド州のロッキー山脈を舞台とした Overland Expo Mountain West が追加され、イベントは一年を通じて3箇所で開催される形となる。

 

 

 

 これらの現象を観て時代の変化、アメリカにおける四駆業界の内容の変化を知る事が出来る。内容は需要によって変わってゆく。今後、オーバーランドというキーワードは一時的なブームとしてピークを迎えるのか、或いは細く長く残って行くのだろうか?未来の事は分からない。僕はこういった節目の変動期においては捕らえ所のない未来を模索するのではなく、10という帰一数を持って原点に戻り、基本、基礎、を再確認する姿勢が大切であると感じている。

 

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BMW GS 1200

2019年11月09日 | OVERLAND EXPO EAST 2019

 カメラを構えていた我々の前を低速でスタンディングポジションのオートバイの列が間隔を開けて通り過ぎて行く。通り過ぎる時にライダー達は片手でポーズをむけたり、会釈をしたり。走り去るオートバイの流れを観ながら僕はある人の事を思い出していた。

 今から9年前に関西住在の知人が身体検査の結果大腸癌を宣告されたのであった。彼は会社の経営者で自身の癌を知って動揺した。限りある人生の時間の中で悔いを残したくないという衝動で、中型二輪の免許を大型に書き換え1200ccの新型バイクを購入した。そこから短中期連発のオートバイツーリングをランダムに始めたのであった。癌の治療と平行しながらであったので体力的にもハンディであったが結果的に北海道から九州まで日本の殆んどの地を巡った。そうして、そうこう(走行)している内に彼の癌は縮小しとうとう治ってしまったのである。オートバイに乗ってたら癌が治った、と彼自身は冗談半分に語る。

 目の前を走り抜けて行くBMW GS 1200、この迫力あるバイクを実際に長時間オフロードで駆るには、先天、後天的な体力が必要で精神的な強さも必要であると感じる。バイクによる旅はそのサイズに関わらずクルマと違って気温や気候にそのラィディングが左右される事を考えてみても、クルマ以上に冒険的な要素が強く求められる。バイクは乗る人を選ぶ。よって、そのバイクに乗る為には努力が必要で、その為の努力が人間を変えてゆくのかも知れない。バイクにまたがって快走感を感じて走る時間に比べて、体力向上期、準備や知識、冴えない天候下での走行等の時間の方が遥かに長い。知人の癌がバイクによって治ったのはたまたまなのかも知れない。しかし、バイクによる快走感を日本の美しい景色の中で得るために蓄積した生活の中にこそ治療の鍵がある様な気もする。彼は話し好きで旅先で出会う人々と気さくに話をした。旨い物を食べる事も重要課題であった様だ。

 

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エクスペデッション プロフェショナルズ

2019年11月05日 | OVERLAND EXPO EAST 2019

 現在のアメリカにおいて四駆自動車及びオートバイのエクスペデッショントレーニングを行う機関はエクスペデッションツアーの計画と執行及びトレーニング等、変動的ではあるが少なく見積もっても20以上の機関が存在する。その中でも四駆におけるエクスペデッションとトレーニングにおいてはコロラド州に基盤を置く7P International (7P Overland) そして コネチカット州に基盤を置く Overland Experts (OEX) の2つの機関が主軸であると観ている。実際に2012年に僕が講習を受けた時も彼らからなるチームであった、その時の一部の記録はおやじ達の運動会シリーズに残してあります。

 

 

 7P International を構成するスタッフにはキャメルトロフィーの経験者達が在籍している。彼等の活動がキャメルトロフィーの伝統を相続し伝達し、現在も四駆で難所を走破する為に実践されている。つまり、キャメルトロフィーのラリーは昔に終了した。しかし、そのノウハウと実践は息をしており、惜しみなく伝達され続けている。キャメルトロフィーのサインは過去のノスタルジックを使って雰囲気を醸し出しているのではなく。現在もそれが生きているという証なのである。

 

7P International によって開発された “リング” と呼ばれるプーリーの役割を持つリカバリーギア。 

 

OEX のトレーニング車、トヨタハイラックス。アメリカ市場にはハイラックスは存在しないので希少車。

 

 OEX のランクル100、実際に長時間時速120キロのフリーウェイを走破し、ロックを含まない一部未舗装地を走破するなば、こんな仕様のランドクルーザーが理にかなっている。

 

 彼らはトレーニングを提供するだけではなく実際に世界のリモートエリアにてエクスペデッショントラベリングを企画し実行している。つまり実践を通じて経験とノウハウを更に積み重ねている。基本、彼等のトレーニングはプライベートレッスンという形を取り料金的にも決して安いものではない。ところが、オーバーランドエクスポでは彼等の持つ金銭的な敷居を下げて高質なトレーニングを通常価格よりも安い値段で提供されるというメリットがある。アメリカにおける講習においては質問の時間が充分に取られるのも有り難い。

 

 オーバーランドエクスポは七夕の日の出会い織姫と彦星の様に、1年に2度(来年からは3度)プロフェショナルと庶民が出会う機会である。意識して理解して置くべき事は、街にはジープが溢れオーバーランドビークルの極相をしたSUV車両も増えつつある。その量に比べて実際のエクスペデッション プロフェッショナル達の数は一握りでしかないという事。

 

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Jeep Wrangler と Jeep Gladiator

2019年11月03日 | OVERLAND EXPO EAST 2019

 Wrangler (2420mm、ショートホィールベース、SWB)、Gladiator (3480mm、ロングホィールベース、LWB)ホィールベースの長さの比較である。そのホィールベースの長さの違いはおおよそ1メートルある。ちなみに Wrangler Limited 4DRは2950mmなので、その中間に位置する。この1メートルの違いは起伏の激しいモーグルやショートヒルでのクローリング走行では見ていて明らかに差が有る事が分かる。前輪と後輪の間にある障害物を越える為の許容角度(ランプ ブレィク アングル)がSWBであるラングラーが断然有利なのである。

 

 

 ラングラーのSWBのルビコングレード、足回りがよく伸び地面への食い付きも良くオフロードでの走破性のポテンシャルが高い事が分かる。このホィールベースの長さはランクル43に近い。 ラングラーはこの様な使用をしてこそ、その持っている可能性の価値が発揮出来る。

 

 グラディエィターは後ろのデパーチャーアングルもラングラーに比べると長い。走りを見ているとタイヤの空転が避けられなかったが、デフロックが効いており、走破性は悪くは無くオフでもよく走る。車体の底を殆んど擦らなかったのはおそらくドライバーの腕であろう、そもそも3メートル50センチのLWBのジープトラックにとっては小さな起伏は苦手な環境であるが、この様な走行環境も想定して設計されているのであろう。流石、ラダーフレームを持つJEEP ブランドである。

 

 こちらのラングラーは WILLIS 仕様、やはり走破性のポテンシャルは高い。それには重さも影響すると思う、ラングラー系のジープのルーフと後部のサイドは樹脂性である。ラングラーとグラディエィターの重量の違いはグレードにもよるがだいたい200kg位。

 

 

 起伏のあるモーグル等のオフロードでの走破性のポテンシャルはSWB車が有利であるが、人々はあえてLWBでも走ろうとする姿勢を持つ。自分が手にした車両で挑む、つまり配られたカードで勝負するみたいな所がある。長距離を走るオーバーランドビークルにとってはLWBの持つ直進安定性と人と荷物を積載するポテンシャルは重要になってくる。

 

 観ていて楽しいのは不利なロングホィールで難所を超えようとする行為である。自分のクルマで走って難所を超えるためのコツを理解する、それをテクニックを習得すると言うのであろう。ショートを選ぶもロングを選ぶもその人の目的と嗜好でありそれは構わない。オーバーランダーの基本として "自分のクルマを知る事” が大切な要素であるが、ドライビングテクニックを学ぶという事はつまり自分のクルマを知るという最初の基本を理解する事なのである。そういった意味で、あえてLWBでモーグルやショートヒルをためしに走ってみるという機会は大切な事なのではないかと感じた時間であった。

 

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Landcruiser FJ45VL

2019年11月01日 | OVERLAND EXPO EAST 2019

 せっかく一緒に写真に納まって下さったのにオーナーの名前を忘れてしまった。1967年(だったと思う)型のランドクルーザーFJ45VL、オリジナルペイントにオリジナルエンジンである。誰もが無関心で通り過ぎる事が出来ない程にその存在は際立っていた。本来のボディカラーは緑で下地の朱色がサフェースラストと混ざっているがそこを上手に磨いて独特の雰囲気をかもし出している。ボディに艶や光沢はないのであるがその存在は輝いている様に感じた。

 

 室内は白にペイントされシートにはカバーがかぶせられ詳細な部品それぞれがきちんと取り付けてあった。 綺麗にされた室内からは、使っています、という空気が感じられた。レストレーションというと外観は塗装を剥離して新車の様に再塗装するイメージが強いがこのスリーパー的なレストレーションのセンスには好感が持てる。当時の車体は鉄板も厚く丈夫である。現在のクルマはいくら古くなっても残念ながらこの味は出せない。

 

 兄弟の息子さんもFJ55で参加していました。ランクルを愛する姿勢と言うのは特に近い身内には感染しやすいのであろう。一度古いランクルに乗せてもらうと、その臭い、軋み音、エンジンの吹きあがり、風切り音、トラックライクな乗り心地、そして、楽しそうに気持ちを静めてクラッチやマニュアルシフトを操作する運転手の姿が心に残るのであろう。大人になって自分が乗るクルマを選択する機会がやってきた時に記憶の奥に仕舞われたランドクルーザーに乗った時の感覚が甦って来る。この思いに素直に従うと縁が生まれて古いランドクルーザーのオーナーになってランクルを楽しむ様になる、なんて事を妄想しました。

  

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