ニューヨーク州のロングアイランドエクスプレスにて。イベントやショップではなくて普通の公道を走っている他人のFJ60に遭遇したのは何年ぶりであろうか?以前の記憶が見当たらない。それ程FJ60を公道で見掛ける機会は少なく、一年に一度目撃出来たらラッキーである。
最近ロクマルを運転する時、運転席の窓を全開にして窓の淵に肘を掛ける。このスタイルが自身の定番で、意識していなくてもそうなっている。時々腕を窓から出して手のひらを走行方向に向けてみたり水平にしてみたり、風を掴もうと試みたりして風と戯れる。窓から手を出して空気抵抗なるものを感じるのは、時速25マイル(40キロ)位からである。巡航スピードが時速60キロを超えてくると手ごたえを感じる。
自動車のボディにおいて燃費の向上や静けさから空気抵抗の少ない物がいい、とするエアロ正義論な価値観が定着し、エアロ度が評価の高低を定める一つの基準となっている傾向があるが、空気抵抗は悪ではない。適度な空気抵抗こそは気持ち良さの正体である。運転席の窓から伸ばした手に当たる空気の重さで時速(スピード)を量る感覚は、マニュアル運転の応用力である。夏が直ぐそこまでやって来ている。ロクマルに乗り込む時はいちいち全てのドアを開けて窓を手で開ける。そしてロクマルから降りる時にはいちいち全ての窓を手で回して閉める。一見不便に見えるこの作業こそが愉しいのである。
久し振りに見掛けたブラウンのFJ60の走りは嬉しかった。運転手の髪の毛が風で柔らかくなびいていたのが印象的であった。