ロクマルでいこう、60でGo!

" AS SLOW AS POSSIBLE AND AS FIRST AS NECESSARY "

冬のトレィルバイク その2

2021年02月22日 | 日記

 ランドクルーザーを駆って自宅から北に40分程走った所に Tallman マウンテンというニューヨーク洲にある州立公園に向かった。乾燥した冬の空気は冷たくも澄み切っており、寒いのを承知で窓を開けて走ってみたが、寒さゆえに長くは持たなかった。ランクルの後部にはトレィルバイクが立った状態で乗っており、時々バックミラーで振動で微震するバイクを確認しながらステアリングを握る。Tallman マウンテンは名称こそマウンテンではあるが、山というよりも丘の様ななだらかな地形である。そこには決して長くはないが、自動車が立ち入る事が出来ない未舗装のグラベルロードが森の中を横切っている。天候の良い週末であった事もあり、公園内の駐車場は埋まっていた。

 

 二日前に増雪した親雪は既にハイカー達によって踏み固められており、その踏み固められたコースがバイクの進めるコースであった。この日の最高気温は氷点下であるので、漕げど踏めど寒さで汗が出ない。運動しに来たのであるが寒中訓練の有様である。タイヤのブロックが雪面に食いつく様に空気圧を下げたのは正解であった。多くのハイカーを追い越したりすれ違ったりしたが、中にはクロスカントリースキーに興じる人々もいた。人々は積雪のある季節の冬を楽しんでいる様子であった。これは山にスキー等に出かける冬雪好き人間が、冬の寒さを苦痛なく消化してしまう姿勢に冬を乗り切る秘訣がある事を示している。寒さの中で受ける眩しい日差しの中に春の気の粒子が混ざっているのを感じた。

 

 TLCA が発行する季刊誌である最新のTOYOTA TRAILS が届いた。表紙には雪道を走るブルーのランドクルーザー60。冬の寒さから逃げようとしないで、冬を楽しもうという姿勢が冬を乗り切る秘訣である。

 

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冬のトレィルバイク

2021年02月17日 | 日記

 4年前に友達から貰ったマウンテンバイクを改造して自称トレイルバイクを作った。今年のニューヨークの大雪の期間はこのトレイルバイクを活用している。森の中に出かけ雪と氷と格闘し恐怖を味わう。低ギアで上り坂に挑む、ダンシング(立ちこぎ)をすると後輪は空回りするので、後ろ乗りで体重を後輪に乗せて雪道に対するタイヤのグリップを得て上って行く、それでも時々後輪は空回りし押さえている前輪が横にスライドしバランスを失ってこける。何度転んだかは覚えていないが、地面に大きく叩き付けられたのは2回だった。路面の状況に合わせてサドルの高さを調整する。氷上ではサドルを低く下げて人が歩く様なスピードでバランスをとり、こけそうになったら足を使うのだが、それでもこける。下り坂のスピードは恐怖である。タイヤが食いつかなければコントロールが利かない。恐怖から肩に力が入ってしまい硬直になると制御不能状態となる。一方、タイヤが雪に接触する時の抵抗はかなりのもので、下り坂の途中でも自転車が止まってしまう事もあった。雪道での自転車による前進は難儀なものだ。

 

 それでも、慣れてくると雪をタイヤで踏む音に心地良さを感じる。鹿の家族が道の前方に立って興味深げに僕を眺めている。僕の前にも後ろにも人はいない。長い孤独な雪道を夢中になって前進する。途中ハイキングのカップルとすれ違う、前進するには歩いた方が効率がよい。急な登りの坂道では自転車を降りて押した。雪道での自転車走行は効率の悪いアクティビティなのだが、だからこそアドベンチャーサイクリングなのである。

 

 冬季の森の景色を心に仕舞った。今度は小型の携帯コンロとコーヒーを持参して寛ぎの時間をも楽しみたいと企んでいる。今週は体のあちらこちらが痛む。痛みにも苦痛な痛みと楽しい痛みがある。日常の普通の動作に痛みが伴う時に、生きている、という感覚が伴うのは有り難い事である。この痛みが消える頃には更なる次の痛みを求めたがる、まさに中毒者だ。

 

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真夜中のポルシェ911

2021年02月09日 | VINTAGE CARS

 

 ニューヨーク郊外の夜の寂しい道を一台の80年代の空冷ポルシェ911が流して行く。氷点下の冬の夜中の路面は凍て付いているが、解氷剤が厚く散布されており時々路肩の雪解け水に遭遇する。その上を911が走り抜けるとタイヤが蹴散らしたしぶきがランクルのフロントガラスを汚し曇らせる。時々街頭があり、その下を911が走り抜ける時にダークな色調のボディの光沢を確認できるが、残念ながらボディカラーの把握は出来ない。ランクルのスピードメーターは時速40マイルを示している。道路脇のスピード警告の表示が40マイルなので、警告を遵守しての走りである。安全な十分な車間距離を置いて追跡し、暫くの間ポルシェの走りを愉しんだ。

 冬季の湿った道は車を激しく汚す。車体は白と黒が混ざった灰色に染まる。ノスタルジックな車にとって冬季の走行は避けるべき期間、特に溶雪剤が撒かれた路上は避けるべきなのだと勝手に思ってしまう。ノスタルジックであってもランクルは汚れを全く気にしないが、磨かれたポルシェだと汚すのに勇気がいる事である。911のテールライトを見ながら、以前、北京ーパリをクラッシックカーで走破するラリーをユーチューブで見たのを思い出した。クラッシック、ノスタルジックカーの醍醐味というのはそれを十分に使い込む事にある。旧車を大切にすると言う事の一面は、時々愛情を持って思い切り汚し使い込む事が必要な維持の過程なのだと感じた時間であった。

 911はやがて右折し、道から外れて静かな闇に消えていったが、テールライトの明かりは凍った冬の道の闇と融合して記憶に焼き付いた。

 

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雪道運転における隠れたリスク

2021年02月05日 | ランクル ドライブ

 今週のニューヨークは2年ぶりの大雪です。二日連続で降り積もった雪は路肩に駐車したランクルを埋めてしまいました。マニュアルのギアを四駆のローに入れて車体を前後にゆすり自力での路肩からの脱出を試みましたが、今回の積雪の量に対してはランクルでさえ脱出不可でした。この現象から積雪は近年では多いのだと推測出来ます。仕事仲間3人に車輪前後の除雪を手伝ってもらい、最後にはランクルを後ろから押してもらい、やっとこさ路肩から脱出する事が出来ました。人力の有り難さを感じる機会であった。

 

 雪が無ければ30分程の自宅までの移動j時間であるが、その倍以上の時間を費やした。四駆の状態でギアは2速か3速、エンジンブレーキを酷使し続ける。車道からクルマが消えた。この深い雪の中を移動しているのは除雪車と四駆の機能を持ったピックアップトラックのみである。街の郊外ではあるが移動中は10台のクルマとすれ違ったかどうかの記憶である。

 

 路肩からの脱出は難儀であったが、路肩への駐車は一人で深い雪を掻いての作業なので更に難航した。通常は車での移動という行為は主体的な観点ではないのであるが、大雪になると、この移動という行為が主体的な生活のアクティビティとして浮上する。なぜならそこには、時間と労力がつぎ込まれるからである。人々はこの時間と労力を無駄と捕らえ、更に運転に対するリスクの回避に努める。雪道での運転とは単にドライビングテクニックの事だけではなくて、車両の雪落しとスコップによる除雪の労力、更に運転に対するリスクへの対峙と主管の総合的な要素が含まれてくる。この行為を、楽しい!と思う事が出来るならば、雪道は貴方の事を友達として捉えてくれる。ただし、この人間社会では変態(クレィジー)として捉えられるので、この要素は雪道運転における隠れたリスクとして理解しておきたい。

 

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