ロクマルでいこう、60でGo!

" AS SLOW AS POSSIBLE AND AS FIRST AS NECESSARY "

ピーター アーネット

2011年04月12日 | 日記

 2003年の春、ちょうど今頃だったであろうか、アメリカを主導とした連合軍がコンボイを形成して中東のイラクに国境を越えて先制攻撃を仕掛けた。大儀は大量破壊兵器の撲滅であった。当時、毎朝NBCニュースを見ていた。その中でアメリカ軍と一緒に前線に赴き状況を報道する名物記者ピーターアーネットが現場から生中継で毎朝状況を伝えてきていた。黒煙が上がり銃声が響く現場で状況を報道するのだった。ところが、ある日彼は現場での生中継の中で自分の本音を語ってしまったのだ。気骨のジヤーナリスト魂が真実を語れと、彼の背中を押したのだと思うが、彼は "この戦争は間違っている″ と、はっきり国民に問いかけたのだった。僕は彼のメッセージに震えて手にしていたコーヒーを落としそうになった。そして、その次の日から彼はスクリーンから消えたのだった。やがて戦争は終った。そしてイラクには大量破壊兵器は見つからなかった。

 

 孫子の兵法の九変篇に "知者の慮りは、必ず利害を雑う" という言葉がある。これは情報を熟慮することなく受け入れる事を戒めた教示だ。東日本大震災からひと月、福島の原発は危険度がレベル7になった。本当は最初から危険だったのではないかとさえ言われている。国の未来のために今の日本にはピーターアーネットの勇気が必要な時だ。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする