80年代の後半にカリフォルニア州のフレズノという田舎町の交差点で小さな交通事故を目撃した。信号が青に変わって動き出したピックアップトラックの後ろのバンパーに続くピックアップトラックが一瞬アクセルを吹かしすぎてガ~ンという大きな音を発して接触したのだ。路上でそのまま両車は一瞬止った…、そして前をいくトラックのおっさんが座席から顔を出して振り返り大声で… 怒鳴るか? と思ったら『大丈夫か?』の一言、続く後ろのピックアップのお兄さんは軽く手をあげた、そしてそのまま両車とも走り去ったのだ。アメリカは国土が広いだけではなくて人の心も広いんだなーと思った。おそらくこのような接触はアメリカの田舎では日常茶飯事? なのかも知れない。
実は小型トラックという車種がこの国(アメリカ)では一番使い勝手がいいのだと思う。アメリカのオートデータの調査における今年1月の新車販売台数を見てみると、いかにトラックがアメリカで人気があるかがわかる、アメリカ国内における一月の売り上げ台数、以下。
GM: 乗用車66,878台、小型トラック112,018台
フォード: 乗用車40,905代、小型トラック86,076台
クライスラー: 乗用車12,190台、小型トラック57,928台
*小型トラックにはSUVも含まれる。
ビッグスリー各社の総売り上げにおける小型トラックの比率がいかに高いかが理解できる。だいたい乗用車1台に対してトラックは2台という概算かな。モデルとしてはフォードF-150が一番売れていると聞くが数字はわからない。
日本の主要メーカーのアメリカ市場の売り上げ代数、以下。
トヨタ: 乗用車64,218台、小型トラック51,638台
ホンダ: 乗用車38,546台、小型トラック37,723台
ニッサン: 乗用車45,361台、小型トラック26,486台
日本勢のトラックの合計がだいたいGMのトラックの総売り上げと同じ概算(やや多い)。日本ブランドの乗用車は確かに売れている、しかしアメリカ勢は小型トラックでは決して譲ってはいないのだ、しかも日本ブランドの小型トラックはすでに多くがUS製。乗用車のシェアの世界には欧州車、や韓国車との競争もある。
原油が高騰してもアメリカの人々はトラックを買い求める、景気が落ち込むと確かに財布の紐はしまる、しかし乗用車とトラックの購買の比率は変わらないのだろう、アメリカはトラック天国、それは彼ら彼女らにとって最も実用性がある車という事での選択だと思う。
実用的に使われるハチマル、多少凹でも外装品が取れてもまあいいやって…、トラックはこうやって生活に溶け込んでいくのだな。細かい事を気にしないで使い続けれる事がアメリカ人の気質にあっているのだろうと思った。