"走り"とはなにか?車の魅力である走りとは、進む、曲がる、止まるの3つの車の基本の事だと経済トーク番組“カンブリア宮殿”に出演したSUBARUの森社長の言葉だった。司会の龍さんの問い、車の魅力とは何か?という対談の中で龍さん自身がT型フォードが爆発的に売れたのは便利なだけだったんじゃない、風を切って走るその爽快感にあったのではないか?と、同感である。
森社長は、スバルらしさとは乗って楽しい事だと言い切った。日本の車業界のトップにそうやってクルマ作りを意識している人がいるのは嬉しい事だ。 そして私の印象に残った場面はスバル360をはじめ歴代スバル車をを社長自ら運転して発したそのフィーリング…、『新しくなるにつれてだんだん面白さが無くなる...。』実直だな、と思った。
今では軽自動車があれば家族で何処にでも出かける事が出来るが半世紀前の日本ではそうではなかった、自動車は憧れであり高値の華だったのだ。今日は条件さえ揃えば誰でも車を所有し、ハンドルを握って何処へでも行く事が出来る便利さを当たり前の様に手に入れてしまった。 日本のモーターリゼーションの初期を回顧して客観的に今日のクルマとの生活を見つめる機会になった。
走り、とは同時に今日の自動車の過去の歴史と模索しながら進む未来の方向性を示す問いでもあるのかも知れない。