![]() ![]() 学級・教科経営のスタート ~ 黄金の3日間 ~ ◆学年はじめの、最初の3日間のことを「黄金の3日間」という。 この3日間で、きちんと学級を統率することができれば、それは1年間、続く。 逆に、いいかげんに過ごし、学級を統率することができなかったら、ほとんどの学級は荒れて、学級崩壊まで行くこともある。 つまり、学級経営のよしあし、教科経営のよしあしは、ほとんど、この3日間にかかっている……この3日間が ![]() ◆左は、教師相互に授業力を点検しあう評価の観点(=基礎的技術)として、本校が設定している「授業力向上の5原則」と、このことに対応させた、子どもたち自らの努力の観点「学力向上の5原則」である。 この「5原則」は、学級経営、教科経営、生徒会委員会活動、部活動など、すべての教育活動に通用する技術、方法、そして「思想」である。 「黄金の3日間」を迎えるにあたり、再度、見直して、新しい生徒に臨もう。 子どもが動くしくみをつくる ◆向山洋一氏は、次のように述べている。
「子どもへの愛情」「やさしさ」は、あとでいくらでもできることである。 不十分な点も、あとで修正すればいい。 まずは、子どもが動く「しくみ」を作る。 このことに全力を挙げようというのが「黄金の3日間」である。 学級を組織していく。そのために、何をするのか? どうするのか? 学級を組織するための順序は、5つのステップを踏む。 1,どのようなクラスにしていくのか?という目標を決定する。 2,目標をやりぬくためのしくみを作る。 3,責任の所在を明らかにする。 4,それぞれの活動をいつ行うかを明らかにする。 5,生活する上でのさまざまなルールを決めておく〈「学級経営の急所」(明治図書)P.55〉 ※注=「掃除・給食はこうする」もこの段階に含まれる。 ![]() 教科開きで自己紹介は厳禁 学級担任だった頃、帰りの会で「1時間目はなにをしましたか?」とたずねると「自己紹介をしました」と返ってきた。 「2時間目は?」「自己紹介!」 「3時間目は?」「自己紹介!」 学級日誌には、1時間目~6時間目まで「自己紹介」の文字が並んでいた。…… これでは子どもたちの意欲はそがれてしまう。 最初から学級がボロボロになってしまう。 バカな教科担任6人で学級を壊しにかかっているのだ。 学級開きにしても、教科開きにしても、50分という教育活動には、指導者が1分1秒を強く意識しつつ、適度なテンポと、リズムと、読む・書く・聞く・話すがバランスのとれた活動(作業)が、必要だ。 その創出のための、ギリギリの努力が必要だ。 以前の話だが、本校の「卒業生を送る会」は、ずっと不評だった。 で、教育課程編成会議で、翌年から取りやめと決まった。 しかし、MINAMI中の歴史上、最後となる「送る会」は、意外なことに、皮肉なことに、たいへん好評だった。 わたしも感動した。 これだとやめることはないのにと思ったくらいだ。 われわれが、50分以内という時間を強く意識し、内容を吟味し、テンポとリズムに配慮したからだと、わたしは思っている。 子どもたちが「こんなに頭とからだを使った50分間はない」と感じる学級開き・授業開きを。 特に「授業開き」については、「教科の魂」を子どもたちにぶっつけてほしい。 「教科の魂」こそ、ぶつけるべきだ。 通常だと、(たとえば数学だと)「数学っておもしろいィィ~」と子どもが思う瞬間を1、2度設定すればいいが、授業開きでは3回ほしい。 教科担任の奮闘努力を祈る。 自己紹介は、厳禁だ。 ![]() わたしはよく―― ・アイデンティティの「時間軸」(=自己の時間的・歴史的連続性) ・アイデンティティの「空間軸」(=所属する社会との連続性、つながり)とか……、 あるいは、 ・魂のカタチの「垂直軸」 ・魂のカタチの「水平軸」…… という言い方をする。 この時期は……学級開きでは……、アイデンティティの「空間軸」を広げる、あるいは、魂の「水平軸」を広げる、すなわち、「人と人とのつながりをドンドン広げていく」ということに配慮することが大切だ。 経験的にいって、この段階で放っておくと、友だち関係・グループが固定化して、やがて排除の論理を生み、学級がストレスの温床になっていく。 わたしは「好きな話題でちょっと話せるあいだがら」を意図的にひろげていく――要するに「広く」「浅い」人間関係をひろげていく……ことが大切だと考えている。 各学年で、これまでの学級開きの実践を提示し合い、「好きな話題でちょっと話せるあいだがら」を爆発的に広げる方策を検討しよう。 (3)「入学期」に2、3年生を鍛える 「入学期」「新入生」という概念と存在を生かす学校経営・2学年経営・3学年経営を。 卒業期や卒業式は、卒業生だけのためにあるのではない。 わたしたちは、卒業生にMINAMI中生であることの喜びと誇りを持たせつつ、同時に1・2年生に喜びと誇りと目標を育てている。 「入学期」はその逆である。 「入学期」「新入生」という概念と存在を生かして、新2・3年生に何を育てるのかを強く意識して、これからつづく「入学式準備」「入学式」「歓迎セレモニー」「生徒会オリエンテーション」「入退場訓練」を運営したい。 (4)生徒の呼び方は「○○さん」。自分の呼び方は「わたし」で。 (5)省略語は極力使用しない。(例=教科担、学担、養教、市教委) 対象になっている人に失礼だ。 わたしは「学坦」と呼ばれたくない。 教職員が「学坦」「学坦」といっていると、やがて子どもたちも「学坦」「学坦」と呼び始める。 もちろん、聞いている人にも失礼だ。 (文責 小高 進) ★画像=清掃出校日。新学期に向けて奮闘する子どもたち。 ★関連記事 ・★送り火。僕につづいて、パートナーもまたいだ。パートナーの身体が、一瞬、火に照らされ、闇に消えた ★公式ホームページへ ★WEB無人駅線ページへ |
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