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僕は自分という人間を、粗く、時間軸と空間軸の2軸でとらえている。 「時間軸」は、自己の時間的・歴史的連続性、つながり、いってみれば実存的アイデンティティ。 「空間軸」は、所属する社会との連続性、つながり、社会的アイデンティティ。 ★今、長期休業後=2学期のはじめに話題にしたいのは、後者、空間軸(社会的アイデンティティ)のほうだ。 空間軸の例として、 (1)学級・学年の友人とのつながり (2)教師とのつながり (3)家族とのつながり (4)地域の人々とのつながり (5)インフォーマルな友人とのつながり (6)部活動仲間とのつながり (7)いわゆる「第4の領域」の仲間とのつながり……等々。 こういう空間軸の喪失・崩壊が、それに複雑に絡みつつ形成されている時間軸の崩壊につながるのだろう。 いいかげんなことをいうようだが、僕は、いわゆる日本的美意識としての無常観に少し似ていると思っている。 僕はキライではない。 でも、子どもが長期間、この精神状態にあることは危険だ。 ★欲をいえばきりがない。 かなり粗っぽい話だが、僕は(1)~(7)のどれか1つが、つながっていれば、「さしあたって今は大丈夫」と考えている。 僕ら教職員は、「3日会わざれば刮目してみるべし」という視点(=「この子は、2学期、どんなところがよくなりたいと思って出校してきているのだろうか?」)とともに、子どもたちひとりひとりの(1)~(7)のつながり(=空間軸、社会的アイデンティティ)を視点に観察しなくてはいけない。 そして、空間軸のアイデンティティが消滅しかかっている子に寄り添おう。 「観察」については―― (1)子どもといっしょに「存在」する。 ただ、いっしょに「存在」するだけでいい。 「いっしょに存在しているんだ」と念仏のようにつぶやくだけで、子どもたちの見え方が違ってくる。 (2)アンケート調査(含ミニ課題作文) (3)チャンス相談……等々。 プロとして多様な手法を組み立てて工夫を。 ![]() 「寄り添う」については―― 上図は、いつもの「カウンセリングの三角形」だ。 これでいうと「A←一体になる・B←味方になる」部分をぶ厚くする(=即助言というのは避ける)ことを基本に。 (1)「ごくごく近い」将来への目標を持たせる。 体育祭に向けて……市中体にむけて……文化祭にむけて……修学旅行にむけて。 経験的に、行事というのは、こういう状況ではかなりの威力を発揮する。 「ありがとう、体育祭」「ありがとう、文化祭」と僕は感謝している。 僕ら教職員も、自身の2学期の目標・夢を熱っぽく語ろう。 斜めに構えているような子どもも、あるいは、しらけたふうをしている子どもも、実はそういう話はよく聞いているものだ。 (2)自分のよいところに気づかせる (3)自分の存在が他のためになっていることに気づかせる……など。 ★教師一般の体質もそうだが、社会全体がマイナス評価する、あるいはマイナス的(含悲観論・危機管理という観点からの予防)な評価ができる人間を高く評価する方向に傾いている。 こういう状況下では自己肯定感が育ちにくい。 サムライ中の教職員は、この流れに徹底して抗し、徹底して自己肯定感を育てよう。 悲観論は感情だが、楽観論はすぐれた教育思想だ。 ★最後に。 アイデンティティという語に対する適切な日本語訳がないといわれる。 実際、日本語のいろんな文脈のなかで、「正体」、「身元」、「本質」、「独自性」、「主体性」、「本性」、「存在証明」「自己像」「本来の自分」……などと使われている。 僕は迷わず(というか長いあいだ「迷」った結果として、現在は単純、頑迷に)「同一性」と直訳している。 以前、高村光太郎の小屋を訪れた帰路、花巻駅に向かう岩手県交通のバスに揺られているとき、「アイデンティティ」という美容院の看板(hairmarket I・DEN・TI・TY)が目に飛びこんできた。 「独自性」という意味かな? 「本来の自分」という意味かな?
★付録として。 昨日、届いた明治図書「メルマガ版・教育zein」で、新潟県公立中学校教諭・堀川真理氏が「もうすぐ夏休みが終わる…そう思って憂鬱になっているのは、生徒だけではないはずです。教師とて至福??の夏休みの終わりには、涙が出そうなくらい哀愁が漂うものです」と、教職員への「処方箋」(2学期はじめ対策)を論じている。 項目的に抜粋する。 ①思いっきりの笑顔で――まず、鏡の前で笑顔の練習をします。無理やり笑ってみます。表情につられてドーパミンが放出されて、なんとなく心が前向きになります。「形」から「中身」を作るのです。 ②登校してくれてありがとう――「登校してくれてありがとう」という気持ちを作ります。とてもそんな気持ちになれなくても、「作ろう」と思って念じていると、そんな気持ちになってくるものです。このオーラは必ず相手に伝わります。 ③服装も大事――お気に入りの、少し改まった服装をします。 ④教室に花を――植物は風水的にも運気を呼び込みます(笑)。 ⑤2学期スタートのキーワード=「ありがとう」「うれしい」「楽しい」。 ・ありがとう――生徒が「普通」のことをしたら(当たり前のことをしたら)「係の仕事をしてくれてありがとう」と言います。「提出物を期限までに出してくれてありがとう」と。 ・うれしい――いつも遅刻してくる生徒が時間に間に合ったら、「あなたが時間を守ってくれてうれしいよ」。 ・楽しい――夏休みの感想を生活ノートに書いてきたら「あなたの楽しそうな夏休みの感想を読んで、私も楽しい気持ちになりました」。 「ありがとう」「うれしい」「楽しい」。この言葉は「気持ちの言葉」です。「気持ちの言葉」を使い、生徒と過ごすうれしさ・楽しさを伝え、共同生活者としての同じ地平を共有するのです。 それでも笑えない時は、迷わず受診しましょう。(中略)安定剤のおかげというより、「精神科の門まで叩いたんだ!あとは何も怖いものはない!!」という開き直りが私の肝をドンと据えてくれました。(堀川真理氏の記事からの抜粋、以上) ★画像=2学期はじめの光景&空気 ★読んでいただき、感謝します。ついでといってはなんですが、下のバナーのクリック、ガンガン、よろしく頼みます☆(●≧з≦●)。 ![]() にほんブログ村 ![]() にほんブログ村 ★さらにリアルな情報は小高進の公式ホームページへ★ ★小高進のWEB無人駅線ページへ |