万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

全力でワクチンの安全性の解明を-遺伝子ワクチンのDNAへの影響と陰謀説

2021年03月02日 12時25分21秒 | 国際政治

 遺伝子ワクチンについては、当初、先端的な遺伝子工学に基づいて人工的に造られたmRNAを用いるため、DNA本体への組み込みが懸念されておりました。しかしながら、メディアが積極的にmRNAワクチンの安全性を宣伝し、同ワクチンの仕組みも詳しく解説されるにつれ、同懸念も薄らいできつつあるようです。昨日、オンライン上に掲載された『メディカルノート』の記事を読みますと、ワクチンの長期的な安全性に関しては、医科学的な根拠を示しつつ、‘DNAに影響を及ぼすことはない’と説明されておりました。

 

 懇切丁寧に説明されており、ここで一先ずは安心すべきところなのでしょうが、どうしても、気掛かりとなる点が残ってしまいます。それは、先日、本ブログにおいて提起しました逆転写酵素に関する疑問です。逆転写酵素とは、DNA⇒mRNAの通常の経路を逆転させる働きする酵素であり、同酵素が存在しますと、mRNA⇒DNAという逆方向の現象が発生します。ヒトにあって同酵素、即ち、テロメラーゼが存在するのは、幹細胞、生殖細胞、そして、これは異常な現象なのですが、癌細胞なそうです。

 

 『メディカルノート』の記事には、凡そ20分程度で分解されるとした上で、mRNAの体内における消滅に関する動物実験の結果が紹介されておりました。発光するたんぱく質を乗せたmRNAを動物に投与したところ、時間の経過とともに発光は弱まり、10日後には検出されなかったとしています。この実験から、人体にあっても、最長で10日程度でmRNAは消滅すると推測されています。漸減するとはいえ、10日間もの間、mRNAが体内に残存することとなるのですが、その間、逆転写酵素を有する細胞のDNAに取り込まれる可能性は全くないのでしょうか(仮に、幹細胞内のDNAに取り込まれた場合、やがて暗闇にあって’光る生物’が出現?あるいは、他の塩基配列と結合して別の働きをする?)。血液やリンパ液の体内での流速を考慮しますと、10日間とは、決して短い時間とは思えません(動物実験での分量で10日であれば、人ではより長くなる可能性もあるかもしれない…)。また、’発光mRNA’を用いた実験は、その他のあらゆるmRNA鎖の消滅性を普遍的に証明するのでしょうか。少なくとも、何れのワクチン・メーカーともに、体内におけるmRNAの消滅機序については’企業秘密’として公開していませんので、ワクチンによって投与されたmRNAの行方については、なおも不透明なままなのです。

 

 そして、何故、ここまで逆転写酵素の問題に拘るのかと申しますと、ワクチンの安全性に関する純粋な疑問に加え、この問題が、政治・社会的な陰謀説とも深く関連するからです。冒頭で述べた遺伝子ワクチンに関する懸念とは、陰謀説に対する警戒論でもあり、それは、ワクチン接種推進の真の目的は、人類の人口削減にあるのではないか、とするものです。この観点からしますと、mRNAの投与は、逆転写酵素を有する全身の幹細胞や生殖細胞のみをターゲットすることできますので、仮に陰謀が存在する場合、これ程’好都合’な方法は他にはないということになりましょう。遺伝子ワクチンにおける医科学的なリスクと政治・経済的なリスクは、逆転写酵素を接点としてリンケージしているようにも見えてくるのです。しかも、仮に製薬会社が’陰謀側’にあるとすれば、逆転写酵素の活性化も自由自在でしょうし、最悪の場合には、新型コロナウイルスのスパイク蛋白質のmRNAのみならず、逆転写酵素のmRNAが同時に投与されるかもしれません。

 

 ネット上では、同ワクチンの開発に携わったファイザー社の副社長による警告も拡散されています。それは、「ヒトなど哺乳動物の胎盤を形成するのに必須なタンパク質が含まれており、ワクチンによって免疫反応を引き起こす可能性がある」とするものです。同警告は、免疫反応の面から人口削減の危機を訴えたものですが、遺伝子ワクチンに関する情報はあまりにも乏しく、不安感のみを増してゆくように思えます(世論調査によれば、「すぐに受けたい」とする回答が増加したそうですが、この現象は、理解に苦しむ…)。『メディカルノート』の記事でも、逆転写酵素については、「この酵素は基本的にヒトの体にはほとんど現れることがなく、テロメラーゼなどの例外はあるものの、それを考慮する必要はまずありません。」と語るのみなのです…。

 

 日本国民の、そして、全ての人類の命がかかっているのですから、本来であれば、日本国政府のみならず、各国政府とも、ワクチン・パスポートの制度導入に前のめりになるよりも、ワクチンの安全性にこそ最大の関心を払うべきと言えましょう(各国政府の不自然な対応が陰謀説の信憑性を高めている…)。この問題の解明は、専門知識を備えている人々に委ねるしかなく、国産ワクチンの開発の遅れが批判されている日本国政府も、真に国民の命と健康を慮るならば、せめて、遺伝子ワクチンの安全性の解明に向けて全力で官民の研究機関や専門家を支援すべきなのではないでしょうか(治験のみならず、ワクチンに含まれる成分の徹底的な分析も必要なのでは…)。そして、残念ながら、仮に日本国政府も‘陰謀側’にあるならば、国民こそ、自らを救うべく、政治・社会的リスクも含めてワクチンの安全性について大いに議論し、かつ、情報を発信し、どこにどのような理由から危険性があるのか、リスク面における認識を深めてゆくべきではないかと思うのです。

コメント (6)
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