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万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

尖閣諸島は中国が倒そうとする最初のドミノ

2013年11月25日 14時31分38秒 | 国際政治
中国、米の本気度試している…防空識別圏に懸念(読売新聞) - goo ニュース
 中国が、尖閣諸島上空を含む東シナ海一帯に防空識別圏を設定したことで、尖閣諸島をめぐる緊張が高まっております。中には、”小さな無人島を守るために日米同盟が発動するはずはない”との意見もありますが、尖閣諸島は、中国が倒そうとしているドミノ倒しの最初のドミノなのではないかと思うのです。

 ”領土的野心を露わにしている国に対しては、決して妥協してはならない”。この国際社会の鉄則は、第二次世界大戦の教訓でもあります。先日、日本国に赴任したキャロライン・ケネディ米大使の父君であるジョン・F.ケネディ大統領は、大学の卒論でミュンヘンの宥和を分析したそうです。キューバ危機に際し、ソ連に対してミサイル基地撤廃要求を貫いた姿勢は、この時に学んだ教訓の実践であったのかもしれません。そして、1975年にソ連邦が、東欧諸国にSS20を配備した時にも、NATOは、米ソ両国に中距離核戦力削減交渉を促しつつも、西欧諸国に、巡航ミサイルおよびパーシングII弾道ミサイルを配備して対抗したのです。一見強硬に見える政策ですが、結果を見れば、相手国に攻撃の一手を打たせないことに成功しています。尖閣諸島の緊張もまた、相手国が、一方的に攻撃の意図を明白にした状況において共通しています。そして、尖閣諸島もまた、ここで宥和策を以って妥協しますと、箍が外れた中国の覇権主義は、留まるところを知らずに四方に膨張するかもしれないのです。”中国の夢”、即ち、19世紀末に消滅した華夷秩序を復活させ、ドミノ倒しの如く、世界大に広げるために…。

 アメリカの本気度を試したともされる中国の挑発に対して、ヘーゲル国防長官は、日米安保条約第5条適用の明言を以って応えております。加えて、ケリー国務長官も、現状を一方的に変更しようとしている中国の行動を批判する声明を公表しました。第二次世界大戦の教訓を堅持したアメリカの決定、そして、日本国の一歩も引かぬ姿勢は、再度、ドミノの最初の一枚が倒れることを防ぐのではないかと思うのです。

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コメント (4)
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