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万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

日米同盟と武士道-尖閣危機への結束

2013年11月29日 11時11分43秒 | 国際経済
中国防空識別圏 ケネディ氏の中国批判「高く評価」 会談で菅官房長官(産経新聞) - goo ニュース
 中国による一方的な”防空識別圏”の設定は、尖閣危機とも称される軍事的な緊張をもたらすことになりました。直面するこの危機に対して、日米両国は、両国とも事前通告なしで軍用機等を圏内に飛行させるなど、協力体制を強化しております。

 日米同盟の結束は、中国の野心を挫く方向に有効に作用していますが、同盟重視の姿勢には、日本国の武士道の影響も垣間見ることができます。封建体制とは、封建契約を介した集団的安全保障体制の一種でもあります。この体制にあって、殊更に忠誠の価値が尊重された理由は、いざ戦となれば、軍事的な絆の強さが勝敗を左右したからです。例えば、1600年の関ヶ原の戦いは、鶴翼に布陣した西軍有利な情勢にありながら、小早川秀秋の寝返りによって東軍の勝利に終わります。その一方で、この行為は、武士道に反するものとして周囲から軽蔑せれ、東軍勝利の最大の貢献者であったはずの秀秋のその後は不遇であったと伝わります。武士道の”ご奉公の精神”は、今日では批判的に語られがちですが、封建体制が集団的安全保障体制である限り、相互の信頼関係に基づく軍事的な絆は、双方にとって命綱でもあるのです。封建制が過去のものとなった今日おいても、軍事の分野においては、この側面は変わりはありません。そしてこの感覚は、西洋の封建制においても見出すことができるかもしれないのです(アメリカもまたこの伝統を引き継いでいる…)。

 日本国は、戦後、経済国家としてのイメージが定着してきましたが、その実、極めて多面性のある国でもあります。日米両国が、歴史の教訓や知恵を現代に活かすことが出来れは、尖閣の危機、そして、来るべき中国動乱の危機に対応することができるのではないかと思うのです。

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コメント (4)
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