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万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

ICJ竹島提訴のもう一つのオプション―サンフランシスコ条約の解釈確認訴訟

2012年08月20日 14時37分40秒 | 国際政治
竹島に韓国大統領直筆の石碑 除幕式に閣僚ら参加(朝日新聞) - goo ニュース
 激化する竹島問題をめぐり、日本国政府は、たとえ単独となろうとも、国際司法裁判所への提訴手続きの開始を決定し、仮に、韓国側が応じない場合には、1965年の「紛争解決に関する交換公文」上の強制調整に付すとしています。しかしながら、日本国には、もう一つのオプションがあると思うのです。

 竹島を日本国領として最終的に確認しているのは、対日講和条約であるサンフランシスコ条約です。サンフランシスコ条約を起草するに当たって、当初は、日本国に所属する諸島を列挙する方法が採られていましたが、最終的には、放棄する島の名を条約に書き込む方法に変更しました。結果として、条文には、日本国と境界を接する島、つまり、韓国領の先端に位置する島として、欝陵島、巨文島、済州島の名が挙がっています(韓国領は、これら三島を結ぶ線の内側…)。この日本国領の確定作業に際しては、連合国側も調査を実施しており、対馬や竹島について韓国側が領有を主張したものの(もう一つ謎の島も要求…)、日本国の固有の領土として認め、韓国側の要求を却下しています(ラスク書簡)。講和条約は、連合国46ヶ国によって調印・批准されており、仮に、強制調停によって両国で何らかの合意に達したとしても、サンフランシスコ講和条約の解釈の変更となる場合には、二国間で決定できる問題でもありません。

 このことは、ICJへの提訴に関して、日本国側には、もう一つのオプションがあることを示唆しています。それは、サンフランシスコ講和条約の第2条の解釈について、ICJに確認訴訟を起こすことです。この訴状ですと、日本国は、条約の当事国ですので(韓国はこの条約の当事国ではない…)、単独で訴訟を起こすことができます。つまり、領土問題の解決と条約解釈の二つの方面から、ICJに判断を求めることができるのです(前者の裁判でも、当条約の解釈は判断基準となるのですが…)。そして、後者の裁判で、竹島が日本国領であることが確認されれば、韓国の不法占拠が明らかになりますので、韓国側は、竹島の領有権主張を諦めざるを得ない状況に追い詰められるのではないかと思うのです。

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コメント (2)
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