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万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

政治家と法律家の二つの顔を使い分ける弁護士出身政治家

2012年08月07日 15時35分16秒 | 日本政治
首相と市民団体面会に反対=公平・透明性に疑問―枝野経産相(時事通信) - goo ニュース
 今日、政界では、弁護士出身の政治家が、数多く活動するようになりました。法の専門家、ということで、立法作業にも相応しい、ということなのでしょうが、場面場面で、政治家にも法律家にも変幻自在に顔を変えるようでは、政治は、混乱するばかりです。

 本日も、枝野経産相が、特定の団体の意見を聴くことは、公平・透明性の観点からすると望ましくない、として、明日に予定されている野田首相と反原発デモの代表者との面会に反対していると報じられています。反原発デモとの面会は、背景の怪しい一部の過激集団の圧力がまかり通る、誤った民主主義に導かれる可能性がありますので、この意味において反対すべきことなのですが、政治問題に、司法的な公平性を持ち込みますと、利害関係が無視されることにもなりかねません。経産相は、裁判員を選ぶように、当事者ではない中立的な人を求めているのでしょうが、殊、エネルギー問題に関しては、抽象的で無色な人など存在してはいません。また、政治問題には、判断に際して準拠すべき法もありませんので、司法的なアプローチでは、複雑に錯綜した利害関係は調整できないはずです。

 しかも、これまでの民主党政権の動向を見ておりますと、中立どころか、度々、反原発派や再生エネ派に偏った露骨な人選を行ってきております。今になって、法律家の顔で公平性や透明性を言い出すことは、どこか、弁解めいてもいると思うのです。

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コメント (6)
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