3、追求後の作業
・・・全体(文aを含む段落A・段落Aを含む場合など)のイメージの再構成
変わったイメージⅡを軸に全体のイメージをみんなで話し合う。
○展開の核のイメージⅠからイメージⅡへの変化がきっかけとなって、最初の全体のイメージⅠがイメージⅡに変化する。
○追求には2種類のものがある。
○A追求の対象が自分のイメージである場合(内的対象)。これが本来の対象。
○B次は見かけ上の対象で、「展開の核」を追求する。問題を追求するなどという場合。
(以上本項は元三重大学教授宮坂義彦先生の著作を基にして作成しました。)
大問題(問診問題→対立問題)の作り方
1中心人物の予想外の行動変化・気持ちの変化(大変化)を見つける。
「普通なら~するはずなのに~している。それが変だ、おかしい、つじつまがあわない」
○大変化は主には中心人物の予想外の行動変化であるが、中心人物の気持ちの変化の場合もある。また、行動には言葉も含まれる。
○大変化した行動・気持ちを含む文について、その変化の大きさを際立たせ、疑問を持たせる必要がある。どうしても「変だ」「おかしい」「つじつまがあわない」という強い疑問を持つことが追求の原動力となる。しかし、そのためには大変化が起こった状況を明らかにするで「普通なら~するはずなのに~している。」という事件性、非日常性を浮き彫りにしていく必要がある。それがなくては、子どもたちの中に追求の原動力となる強い疑問が生まれない。
例1〈白いぼうし〉(光村四上)
「あまりうれしかったので、いちばん大きいのを、この車にのせてきたのですよ。」
○あまりうれしかったからといって、夏みかんをこの車にのせてきたのは変だ。
○子どもは松井さんのこの行動の大きさを自覚しない。当たり前の行動に取ってしまい、疑問すら感じない。おふくろさんがみかんを送ってくれてうれしかったからとか、お客さんに見せたかったからとか自分なりにつじつまを合わせて解決してしまうからだ。現実として普通そこまでしない行動の不自然さ(お客さんの中には夏みかんのにおいのきらいな人だっているはず)を文や語のイメージを広げて際立たせ、よほどの原因があってやっているのだという追求の方向性を持たせる必要がある。
例2〈ふるさとの訛なつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく〉(短歌)○訛がなつかしいからといってわざわざ人ごみの中にまで聴きに行くのは変だ。
○「訛がなつかしいから人ごみの中に訛を聴きに行った」と簡単に考えてしまう。そこまでする行動の大きさに疑問を持たないので問題ができない。
例3〈サラダでげんき〉(東書ー下)
〈アフリカぞうは、サラダにあぶらとしおとすをかけると、スプーンをはなでにぎって、ちからづよくくりんくりんとまぜました。〉
○他の動物はりっちゃんにやらせているのに、アフリカぞうだけが自分で勝手にそんなことをするのは変だ。
例4〈一つの花〉(光村四上)
〈お母さんが、ゆみ子をあやしているうちに、お父さんが、ぷいといなくなってしまいました。〉
○お父さんがぷいといなくなってしまったのは、いよいよ汽車が入ってくるという時になってである。このせっぱ詰まった状況を考えたとき、お父さんの取った行動の異常性が浮き彫りになる。〉
※4つの教材で例をあげたが、「変だ」「おかしい」などは、他の教材にもたくさんある。
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