蕎麦喰らいの日記

蕎麦の食べ歩き、してます。ついでに、日本庭園なども見ます。風流なのが大好きです。

茶屋 森瀧  湯沢町

2012-12-14 22:40:11 | 日本料理
夜道を湯沢町へ向かう。沼田あたりから道の両側の除雪された雪が目立ってきた。


湯沢駅西口は人通りは少なかったが、お店はちゃんと開いていた。
熱燗をたのんだら、マグロの刺身がお通しに出てきた。一人なので、この量が嬉しい。


続くおつまみは、海老の塩焼き。殻がなかなか手強いが、やはり殻ごと食べると、焼塩の旨みが生きてくる。




続いて注文したいろり鍋うどん。鍋に張ったスープの旨みが素晴しい。天麩羅も、かしわ肉も、卵も入る豪華版。要するに、鍋焼きうどんだ。これが一人前550円というのは、素晴しいお値打ちだ。


ご馳走様でした。

旧伊藤家(北方文化博物館)  紅葉

2012-12-13 23:56:08 | 古民家、庭園
新潟市郊外の旧伊藤家は、日本でも有数の規模の豪農の舘だと思う。紅葉の季節の最後と言うべき週に訪れる事ができた。


実に規模の大きな豪農の舘だが、神経が細部にまで行きわたる。
この舘の最大の見どころは、座敷とその奥にある庭であろう。




しかし、その手前の中庭さえも、実によく造り込まれ、レベルが高い。




座敷から庭を眺める。たった数メートル、庭に対して左右に動くと、景色が変わる。これが日本庭園の造り込みの凄さだと思う。




この庭園は回遊する事はできないが、置かれている石の規模、質の高さともに第一級のものである事が実感される。




座敷の背後には、他と較べものにならない規模の奥座敷が控える。
この奥座敷も、繊細な感覚が行きとどいている。








この庭は奥が深い。注目すべきポイントは本当に山盛りだと実感した。
季節季節に訪れても、新鮮な驚きはなかなか止まないのではと思う。


たらふく うなり  新潟市古町

2012-12-11 22:23:48 | 日本料理
昼の行形亭があまりに品よくゴージャスだったので、夜はざっぱくで下手なものが食べたくなった。


カウンターに座って、生ビールにズワイガニをつつく。カニは驚くほどのお手頃価格である。それでいて、鮮度は悪くない。


続いて牡蠣kフライ。タルタルソースでも、中濃ソースでも、なんなら両かけでも。こういうものも、実に美味しいと感じる。


椎茸のチーズ焼き。
特別に凝ったチーズではないが、旨い。


揚げだし豆腐。よく鰹出汁が効いている。豆腐だけでなく、根菜類も出汁によく合う。


最後に牛スジ煮込み。
甘辛が濃い目の、いかにも下手ではあるが、この時に実に食べたい味であった。


ご馳走様でした。


旧小澤家住宅庭園  新潟市

2012-12-10 22:44:57 | 古民家、庭園
小澤家は江戸期後期には、小澤屋七助を名乗り、米穀商を営んでいたという。明治に入ってから回船業を振り出しに、運輸、回米問屋、地主経営、石油商と様々事業に進出したという。屋敷は本町下市場のすぐ裏手にあり、回船業で栄えたのも納得できる立地である。


作庭は明治後期のようだ。その時代にしては、芝を貼り、全体に見通しがよく明るい感じの庭である。


松の姿、それなりの時代を経た素晴らしさがある。
周りに配された石。舞台を造る。






季節はどんどん進んでいたが、かろうじて紅葉が残されていた。
苔の奥の三尊石風の石組は、隠れた場所にありながら、この庭の一つの頂点を形造っていた。


全体に、置かれていた石が素晴らしかった。


めずらしい陶製の灯篭。清水六兵衛の手になる。


屋敷を出た時には、すでに日暮れ時であった。



志ま平  牛込中央通り

2012-12-09 22:50:07 | 蕎麦
蕎麦だけでなく、いろいろな事に目配りが効く御主人が、一人でいかにも楽しそうにやっているお店である。


お昼なので深山とせいろの二色を注文した。
蕎麦猪口にあらかじめ汁を入れたりしないで、そろいの赤絵の小ぶりな器が出てきた。


仕事の合間に訪れているのだという事を忘れさせてくれる粋な蕎麦姿。


少し前から、手挽きの蕎麦を使うようになったという。確かに、それ以前の蕎麦とは別な世界をひらいた。
深山は、香りを重視するのか実に浅目の茹で加減。ポキポキしそうな感じもあるが、蕎麦の香りは見事に立つ。


蕎麦の実を、低温保存し熟成させて挽いているそうだ。そういえば、最近流行りのように感じる。
細打ちのせいろから、驚くほどの甘みを感じた。
蕎麦屋さんは、確実に変化し続け、なかなか目が離せない。


くり返すが、こちらのお店は昼に訪れた。
ご馳走様でした。


旧齋藤家別館  紅葉

2012-12-08 22:27:58 | 古民家、庭園
旧齋藤家別館は、行形亭のまさしく隣にある。行形亭を出るときにタクシーを呼ぶか聞かれたが、隣を見に行くのでと断った。




ちょうど紅葉の見頃であったが、「水と土の芸術祭」の会場として使われていて、照屋勇賢の作品が池の中に展示されていた。




旧齋藤家には立派な二階の座敷があり、そこからの庭の眺めもよく計算されて作庭されている。


行形亭で結構昼酒をいただいたのだが、ひやっとする旧齋藤家を散策する間にゆっくりと酒が醒めて行き、昼酒の後に特有のだらけた、嫌な感覚が皆無であった。
この二軒は、組み合わせる事をお勧めする。


行形亭  新潟市

2012-12-07 23:51:28 | 日本料理
元禄時代に遡る、歴史ある料理屋さんである。行形亭と書いて、いきなりや、とよむ。

通された九番の座敷は、明治初期の起源で東郷平八郎が好んだという。歴史ある座敷を使えるというのは、なかなか得られない機会だと思う。


部屋から眺める庭の造りも、レベルが高い。




膳采は、お酒を始めるのに調度よい味付け。他の料理より、少しだけ塩見が勝るか。
奥の海老の茹で加減、手前左の平目の揚げ切りの軽さ、手前右の赤ひげの風味、いずれも見事。


吸い物は、金目鯛。
きっちり火を通して、生臭いところはどう探しても見られない。


建具は、相当な時代物である。


刺身は、あら、バイ貝、南蛮エビ。この口当たりの良さには、鮮度だけではない技を感じた。


続く焼き物は、のどぐろ。これほどに、旨みを保つ焼き方は他に知らない。


料亭らしい配慮があり、庭は見通しが効かないが、これは大変な座敷であると、強く感じられる。


湯葉の蒸籠蒸し。 垂れがまた、濃厚である。


新潟は味噌が旨いが、それに漬け込んだかしわは絶品。こちらの名物である。


締めは鮭ご飯。




歴史ある料亭の日本庭園。管理はいきとどいていた。


讃岐製麺

2012-12-05 23:48:26 | お散歩
お店のスタイルは、その時代、地方によって大きく変わると思うので、カテゴリーに当てはめる意味もあまりないかもしれないが、あえて当てはめるなら、スキー場の食堂などでよく見られるカフェテリアスタイルのお店である。トレイをカウンターに置いて列を作り、入手したい物を皿ごと取り、最後のレジで精算するスタイルである。


経済的事情があった訳でもないのだが、選択したかけうどん(小)は、このお店の最小単価。それでも、ほかほかに暖めた茹でうどんにかけ汁はセルフで。それに、天かすや、ネギ、トウガラシも必要と思う個人の裁量に任されている。
不思議な満足感が得られ、お店の太っ腹な方針に少しだけ感謝の気持ちをもった。


砂丘舘  新潟市西大畑

2012-12-04 23:28:36 | 古民家、庭園
砂丘館は日本銀行新潟支店長の公邸で、昭和8年に建てられ、平成11年まで実際に使われていた。


平成11年に日銀から新潟市が買い入れ、12年6月から一般公開されている。


この日は殆どの座敷が貸し出されていたので、内部の撮影は難しかった。
雁行の母屋の形が、密談をする事を前提に設計されたのではと、想像力をかきたてる。


こちらも、傘を押えながらコンパクトデジカメでの撮影。
とても寒い日で、カメラを取りに駐車場まで戻る元気は、湧いてこなかった。


冬の直前のしょぼ降る雨の冷たさよ。
これから、たっぷり5カ月は、厳しい天候との戦いが控えている。


安吾 風の舘  新潟市

2012-12-03 21:45:49 | 古民家、庭園
大正11年竣工の旧新潟市長公舎である。坂口安吾は、この建物のごく近くで生まれ育ったが、この建物とは直接の関係は無い。




この時代、本館を和の様式、別棟を洋館という形もよく使われた。この建物は和洋折衷様式で、同じ建物の中に洋間と和室が並び立つ造りである。玄関向って左手に、洋式の縦長の窓が見られる。
旧市長公舎のある西大畑界隈は、多くの歴史的建造物が残され、新潟市の中でも文化的に価値のあるものが集中している感じである。その西大畑地区で生まれた安吾にちなんで舘の名前を付けたようだが、不自然な所を感じない位に、地域の結びつきを強く感じさせる。


庭園は平成4年に造られた、とあるが、実はそのはるか前からこの土地には松などが植えられていて、それを活かした時代のついた庭園を作庭する事ができたようだ。


散り際の紅葉が雨に濡れる。


雨の中、傘をさしながらコンパクトデジカメでの撮影。


新潟市を中心とする「水と土の芸術祭」が開催され、この舘の庭にも陶器の作品が展示されていた。
坂爪勝幸作。<レクイエム>のための茶室と舞台。