軽井沢は高原型別荘地として明治10年代後半から開かれたが、三笠ホテルの開業はそれより大分後の事となった。
三笠ホテルの設計は、アメリカで建築を学んだ岡田時太郎の手になる。
確かに建築のスケールは大きいのだが、周囲の環境と建物に違和感を感じてしまうのは私のひねくれた感想なのだろうか。
こういう窓の大きい建物は、数百エイカーも広がりのある草地の丘の上に建つのがふさわしいように思う。これほどに、緑が豊かで樹木が押し寄せてくるような環境にはいささかそぐわないような気もする。
当然、この建物としても日本庭園に置かれる石造りの五重塔のような八角堂や、ゲーブルを合理的に支えるブラケットなど、それらしい見どころはある。
イギリスのマナーハウスなどと比べると、日本人の建物・庭園設計は、建物のすぐ近くに自然に近い形の緑を求めるところが強いように感じられる。
イギリスの例としては、チャーチル卿の生れたブレニアム宮は周囲何百メートルも遮るものが無い所にそびえている。
こんな事は、所詮欧米のコンテキストで建築を評価できない日本人にとって、居心地のよい空間を提供するとなれば定まってくる事かもしれないが、一方日本庭園のようなものを自然に理解する日本人の血と言うのも結構濃いものだなと感心した。
三笠ホテルの設計は、アメリカで建築を学んだ岡田時太郎の手になる。
確かに建築のスケールは大きいのだが、周囲の環境と建物に違和感を感じてしまうのは私のひねくれた感想なのだろうか。
こういう窓の大きい建物は、数百エイカーも広がりのある草地の丘の上に建つのがふさわしいように思う。これほどに、緑が豊かで樹木が押し寄せてくるような環境にはいささかそぐわないような気もする。
当然、この建物としても日本庭園に置かれる石造りの五重塔のような八角堂や、ゲーブルを合理的に支えるブラケットなど、それらしい見どころはある。
イギリスのマナーハウスなどと比べると、日本人の建物・庭園設計は、建物のすぐ近くに自然に近い形の緑を求めるところが強いように感じられる。
イギリスの例としては、チャーチル卿の生れたブレニアム宮は周囲何百メートルも遮るものが無い所にそびえている。
こんな事は、所詮欧米のコンテキストで建築を評価できない日本人にとって、居心地のよい空間を提供するとなれば定まってくる事かもしれないが、一方日本庭園のようなものを自然に理解する日本人の血と言うのも結構濃いものだなと感心した。