建物は18世紀後半の作と言う。茅葺きなのだが、屋根の形が複雑で、なかなか凝った造りである。
格の高い式台付き玄関周りのちょっとした空間も、それなりに絵になるのだ。
玄関から庭側へぐるっと回り、庭越しに座敷を望む。
正面中央に突き出した二階は入れないのだが、たいした広さはなさそうに見える。月見の際にでも、使われたのだろうか。
庭は泉水路から引き入れた水を使った池が、中心となる。
なかなか雅な造りで、丸窓がアクセントとして上手に使われている。
母屋の隣のちょっと引っ込んだ所に19世紀の建築の隠居所が建てられており、適度な狭さの居心地の良さが感じられる。