蕎麦喰らいの日記

蕎麦の食べ歩き、してます。ついでに、日本庭園なども見ます。風流なのが大好きです。

天孝  神楽坂

2008-02-22 22:06:19 | 日本料理
表通りから石畳の路地に入り、少し回り込めばお座敷天麩羅のお店がある。天麩羅鍋を囲むようにして、丸いテーブルがあり、さらにその周りは掘りごたつのように、座敷でありながらも腰掛けられるようになっている。


メンバーが揃い、挨拶などする。なにしろ片手にも満たない人数でもあり、それと同時にまずは刺身でと、本日の素材が供される。その生きのいいこと、味わいの深いこと。期待はどんどん深まる。


初めの一品は、車海老。先ほど刺身でいただいたものの同輩であろう。それが揚げるという作業により、格段に焦点が定まっている。さらに、尻尾もカサカサの揚げきりで、気持ちよく味わえる。これは、塩で味わいたい。衣の口ざわりを大事にしたい。


なんとまあ、つぎは白魚。江戸前の魚が戻ってきたという、そのはしりをいただいた。これも塩がいい。もちろん、出汁の味深い汁も用意されてはいるのだが、一口噛むと口の中に広がる香りや、尾のカリカリに揚がった感触を楽しむには、塩を使うのが分りやすい。


烏賊にタラの芽。烏賊は身は厚めなれど、あくまで歯に従う上の品。それと春のはしりをいただく。まるで、和紙の上に広げられた石庭の眺めのようだ。


めごちの揚げ姿、なかなか。尾もカリカリと食べごろだが、身に凝縮された味わいと香りが見事。このころから、冷酒もまわり、汁におろしなども使い始める。


椎茸も丸のまま。これは、凄い香り。丸ごとの熱々を少しずつ齧り酒を飲む味の旨さ、これはもう陶酔の世界へ行っちゃいます。


じゃこに、海老の頭。見事にカラリと揚がっています。海老って、足の先にも味が詰まってるような感じがあります。


それをまさしく味わさせてくれました。銀杏も相当にいい役者ですが、脇役のような海老の足に力がとてもこもっていると感じました。


一口で食べやすいタマネギ串揚げとか、ここまでの野菜不足を補ってくれます。


締めの御飯です。