君が代不起立処分をめぐって最高裁の判決が出た。大方、「戒告より重い処分は慎重にせよ」という内容の判決で、最高裁もまだまだ捨てたもんじゃないな、という印象を抱いた判決で評価できると思った。
この判決のおかげで大阪府の「教育基本条例案」も再考されることとなり、橋下大阪市長や松井大阪府知事はさぞや慌てていることだろう。府民の立場としてはこれを追い風に一気に廃案にしていかないといけない。
「朝日」記事(2012.01.17)に判決に対する原告らの声や都立高校現場の実態が書かれているが、この短文からでも日の丸・君が代強制の酷さがよくわかる。卒業・入学のシーズンはまさに管理職も含めて学校丸ごとが「苦悩する現場」になるのだ。大阪ではこの卒業シーズンから全ての府立学校教職員1万3千人に対して起立斉唱を求める職務命令が出される予定で、このままそれを許しておいたら大量の処分者が発生することになる。
君が代・日の丸強制の狙いはさておき、個人の考え・思いを抜きに暴力的に強権を持って推し進めていくというやり方が教育とはまったく相容れないものであることは確かだ。だが現実はなかなか厳しい。
自分の思いや気持ちとは違うけれど、とにかく黙って静かに従っておけばいいのだというようなことに教育現場が馴らされていくとしたら、それはそれでとても恐ろしいことになるような気がしてならない。