ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

ボン ムウ @岐阜県各務原市

2015年11月10日 | 岐阜県(岐阜)

岐阜県各務原市にあるスパゲティーとピザの店「ボンムウ」。これほどイタリア料理が一般的になる前から店を出している古株で、創業は昭和49年(1974)とのこと。各務原市と書いたが店は木曽川のほとりに建っており、対岸には国宝「犬山城」がそびえ立っている。つまり橋を渡るとすぐ愛知県犬山市なのだった。道路を挟んで駐車場があり、その向こうに木曽川、そして犬山城が見える最高のヴュー・ポイント。カップル客が多いのも頷ける。名古屋方面から犬山まで遊びに来た人はこちらから犬山城を望むことは少ないかもしれないが、もったいない位の景色です。機会があればぜひ。

この日は娘とディナーに。店に入ると年季が入ってはいるがお洒落な雰囲気。でもどことなく懐かしい雰囲気があり、気取った店ではない。横に長い客席で、うっかり犬山城が見えない窓際に座ってしまったが、出来れば見られる席が良かったかな(夜でも城はライトアップされています)。店内では音楽イベントを開いたりもするらしくピアノが置いてある。男性の給仕からメニューをもらい、どれにしようかと相談。今では毎年自分でバジルを育てていて、ソースもストックしているので、外で食べることはほとんど無くなったが、昭和のスパゲッティーを味わってみたく、「バジリコ」のスパゲティー、娘は「ボンゴレ」を選び、ピザは定番という「ベーコン」を選択。そういえばイタリア料理黎明期は英語読みの「バジル」とは呼ばず、イタリア語の「バジリコ」という呼び名が一般的だった。「パスタ」なんて呼び出したのもずっと後だったなァ。まぁ昔はパスタの種類と言ってもスパゲッティーくらいしか目にしなかったこともあるが。

しばらくしてまずスパゲッティーが運ばれる。スパゲットーニとまでは言わないが、若干太目の麺で、バジリコソースはゆるめ。炒めた玉ねぎとパプリカが入っている。茹で加減は少し柔らかめで、まさに昭和のスパゲッティーの味わい。バジリコの風味は爽やかで、昨今の濃厚な味のパスタに慣れた口には新鮮で旨いものだった。ピザはチーズがたっぷりで、縁が盛り上がって硬く焼かれた懐かしい食感。ベーコンの風味と塩気が相まって、これまた旨い。(勘定は¥2,800程)

ボン・ムウ

岐阜県各務原市鵜沼小伊木町2-136

 

( 各務ヶ原 各務原 かかみがはら かがみがはら かがみはら 鵜沼 うぬま 新鵜沼 ボンムウ Bon Muu スパゲッティ ピッツァ イタリアン イタリア料理 パスタ料理 )

コメント (2)
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コンパル金山店 @名古屋市熱田区・金山

2015年11月09日 | 名古屋(熱田区・中川区)

歌舞伎観劇の幕間にいただこうと金山地下街の「コンパル金山店」へ。地下街といっても地下鉄の改札横に6店舗あるのみの小さな地下街。創業が昭和24年(1949)という老舗のコンパルだが、この金山店は昭和42年(1967)開業とのこと。それでも48年もの歴史がある店だ。もとより席数は少ないが、市民会館(日本特殊陶業市民会館)開場前の時間とあって店内は満員。外のテイクアウト・カウンターで、最初はカツサンドにしようと思っていたのだが、この日はたまたまメニュー筆頭のエビフライサンドが値引きとのことで、一度くらい食べてみようと方針変更。少し時間がかかるとのことで番号札をもらい待つ。周りには何もなく、時間つぶしも出来ないので、ちょうど外から厨房の様子が見えることもあって、調理を眺めつつ待った。丸々とした体躯のコックさんが作ってくれている。エビフライは揚げたてが3本。パンに玉子焼きの下敷きをしてタルタルソースをたっぷり。そこにエビフライと千切りキャベツがのる。包丁でスパッと切って、持ち帰り用の箱にピタッと収まった。出来れば今すぐかぶりつきたいが…我慢。

そして念願の幕間。座席で包みを広げる。サンドイッチのわりには値段が安くないので今まで敬遠していたが、こうして持ってみるとかなりのヴォリューム。数にするとたった3切れだが大きな口でないと入りきらない大きさ。かぶりつくと、カツサンドなどとは違ってソースをくぐっていないので思ったよりもあっさりとした味付け。味はもちろん想像通りだが、旨い。キャベツからの水分で若干しっとりしているが、それはそれでイイ。ここに美味しいコーヒーがあれば最高だなァ(否、ビールか)。小腹が空いた時に、というにはしっかりした量だが満足。でも今度は店で揚げたてを、と思うのだった。(勘定は¥930の¥100引き)

大須本店の記事はこちら

コンパル金山店

愛知県名古屋市中区金山1-17-8 地下鉄金山地下街

( 金山 金山地下街 かなやま コンパル エビフライサンド カツサンド 日本特殊陶業市民会館 名古屋市民会館 歌舞伎 )

 

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ときわ (2) @岐阜県可児市

2015年11月08日 | 岐阜県(中濃)

建物の普請は地味だが、唸るほど旨いうどんを喰わせる岐阜県可児市の「ときわ」。何度か利用しているが、今回は提供時間が指定されていて気になっていた「さしみうどん」を狙って店へ。開店直後の時間のはずだったがまだ暖簾が掛かっていない。店の中には人が居るようだったので外で待っていると「すいません、中でお待ちください」と招かれた。主人の他に手伝いや給仕の若い子が3人も居る。店はそう大きくないし、市街地からずいぶん離れた、決して便利な場所にあるわけではないから人気の程が分かる。しばらくして準備が整った様子。さっそく「さしみうどん」を注文すると、主人は麺打ち場へ。そうか、注文が入ってから打つんだね。それで時間が指定されるのかな。麺打ち場の中の様子は分からず、麺打ちの音と主人の上半身が見えるのみだが、楽しみ。

店には次々と客が入ってきた。しばらくして「さしみうどん」が運ばれる。打ち立ての茹で立てだから「さしみ」なんだろうと予想はついていたが、艶々とした麺肌はいかにも旨そう。薬味はたくさんの葱と大根おろし、それに山葵と大葉。調味料は(たぶん)普通の醤油のみ。まず一本はそのままで口まで手繰ってみる。口当たりはもちっとしているが、コシのしっかりしたプリプリの麺。それでいてコシだけでなくしなやかなのびもある。少しだけ醤油をたらし、山葵をのせて手繰ってみる。旨い。次は葱とおろしをまぶして上から醤油をかけて手繰ってみる。旨い。いやぁ、期待に違わない旨いうどんだ、やっぱり。あっという間になくなってしまった。出汁の効いた「ころ」でもイイだろうなァ、このうどん。いつも、次こそは”昭和40年代のさっぱりとしたなつかしい味です”と触れ書きがついた「中華そば」をと思うんだけれど、なかなかたどり着けない…。(勘定は¥480)

前回の記事はこちら

この後の記事はこちら

 

ときわ

岐阜県可児市大森1372-1

( 可児 可児市 かに かにし 手打ち 手打 さしみうどん 刺身うどん ころ ころうどん 香露 あんかけカツ丼 餡かけカツ丼 )

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Thick As A Brick / Jethro Tull

2015年11月07日 | プログレッシヴ・ロック

Thick As A Brick / Jethro Tull (1972)

ジェスロ・タル(Jethro Tull)の1972年発表の傑作「Thick As A Brick (邦題:ジェラルドの汚れなき世界)」。傑作と書いたが自分の最も苦手なジャンルであるプログレッシヴ・ロック。これが本当に傑作であるかは全然分かっていない(理解できない)のが実情。ジェスロ・タルと言えば、1968年に収録されながら、1996年にようやく日の目を見たローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)の「ロックンロール・サーカス」での映像が初めての体験。ぎこちなく片足を上げながらフルートを奏でるインパクトのある映像(しかもギターはブラック・サバスのトニー・アイオミ!)で、一発で気になる存在になった。その後、ベスト盤を購入して聴いたが、やはりその音楽性は一部の曲を除いて自分にビタッとはハマらず…。

このアルバムについては、ひと昔前まではジェラルド少年が書いた詩に音楽をつけたというデマがまことしやかに語られていて、自分もガイドブックに書いてあった事を信じていたが、自分の興味を遠ざけるのに充分だった(その時点でコンセプト・アルバムとしては大成功だとも言える)。もちろんこういうタイプのアルバムでストレートに歌詞を理解出来ないのは致命的だが、このCDで初めて聴いてみて、その豊かな音楽性には感心。牧歌的な雰囲気だがロックらしさもあり、2曲収録で1曲が(アナログで)片面20分強切れ目無しという長尺で、壮大。イアン・アンダーソン(Ian Anderson)のフルートはもちろん、オルガンの奏でる音がキモになっている。2(アナログでいうB面)の始まり方は好き。でもずっと愛聴出来るアルバムかというと、また別の話。アナログで出会っていたらその後は違ったかもしれないが…。プログレでも一部には好きな曲やアルバムはあれど、イエス(Yes)でも、ピンク・フロイド(Pink Floyd)でも、キング・クリムゾン(King Crimson)でものめりこめず、続けて聴かないアルバムが増えるのみ…(買わなきゃいいのにチャレンジは続けている)。

中古店にて購入(¥280)

  • CD (1998/6/1)
  • Disc : 1
  • Format : CD, Import
  • Label : CHRYSALIS

 

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円居 @名古屋市中区・久屋大通 (※閉店)

2015年11月06日 | 名古屋(中区)

昼も夜も評判がいい和食の店、名古屋市の栄(さかえ)と久屋大通の間にある「円居」に入ってみた。まだ昼の口開けの時間だったが、すでに先客が。明るい木目を基調としたモダンな雰囲気の店で、カウンターとテーブル席がある。カウンターに座って壁に掲げられたランチメニューとにらめっこ。「日替わりらんち」があるとのことなので給仕の女性に内容を訊くと、まだこれから黒板に書くようで、カウンターの中の主人に尋ねていた。この日の日替わりは「串カツ」とのこと。うーん、和食の店だったので何か魚介が食べたくて、串カツはパス。焼き魚の秋刀魚(たしか”汐さんま”と書かれていたような)は前日の晩に食べたばかりだったので、好物のカキフライでお願いした。

ガタイのいい主人は目の前のカウンターの中で盛付け作業、奥の厨房で若い衆が焼き方をしている様子。主人は身に着けているもの(眼鏡やネックレス)も今風で、和食の調理人らしくはない。なんだか心ここに在らずといった感じで、片手で携帯電話を操作して他の店の予約を入れようとしてみたり(笑)、ちょっと横着。目の前での調理だけに、嫌でも目に入ってしまうのでちょっと困る。

最初に出されたのはひじき、煮豆、おから、玉子焼きなどが並んだ前菜。それぞれひと口の量だが見た目も賑わしく、お酒を注文したくなる(笑)。先客は横でがんがんビールを呑んでいるしなァ(ウラヤマシイ…)。しばらくして出てきたカキフライは大きい粒が3つ。事前にタルタルソースか、おろしポン酢か訊かれていて、気分でおろしポン酢を選んでいた。付け合わせは淡い味付けの野菜サラダ。それにご飯と、料亭の締めで出てくるような細く小さな蓋付の椀に入った味噌汁。カキフライは粗目のパン粉をまぶして揚げられていて、ザクザクの食感。自分の好み(目が細かいパン粉で揚げたもの)のタイプとは違うが、牡蠣はとても立派。揚がった衣の香りが正直いまひとつで、おろしポン酢と合わなかった。この衣だとタルタルにすべきだったかな。旨そうな酒が色々ありそうだったので、次は夜に酒肴で。(勘定は¥1,300)

円居 (えんきょ)

愛知県名古屋市中区錦3-7-9

 

( 栄 さかえ 久屋大通 ひさやおおどおり えんきょ 日替わりらんち ) 

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丸登屋 @岐阜県関市

2015年11月05日 | 岐阜県(中濃・老舗)

岐阜県関市下之保にある旧街道の街並みに店を構える「丸登屋(まるとや)」。今や関市は刃物産業だけでなく「うなぎ」で有名と言っても過言ではない。市内にはいくつも有名店があり、休日ともなると遠くからわざわざ訪問する客が列をなしている。こちらの店は市町村合併があるまでは武儀郡武儀町で、関市内ではなかったが、鰻で紹介されていたので訪問してみた。創業は明治28年(1895)。100年以上の歴史がある店だ。近辺は綺麗な河川(津保川)以外、ほとんど何もない田舎で、店の場所は現在の幹線道路(県道58号関金山線)からも外れひっそりしている。この店のある短い通りにだけ若干昔の宿場町の名残りがある。歴史には詳しくないが、旧飛騨街道の一部のようだ。隣に建つ歴史ある佇まいの「旅館・丸登屋」が街道沿いの宿場だったのだろう。店には縄のれんが掛かり、居酒屋といった風情。暖簾をくぐって中に入ってもそんな感じで、カウンターと小上がりだけの店だ。女将さんに声をかけ、うなぎ丼を注文した。厨房は奥なので調理の様子は全く見ることが出来ない。

テレビが流れる中でスポーツ新聞を広げながら待っていると、しばらくして丼ぶり、肝吸い、漬物と小鉢の一品が運ばれた。小鉢にはタコの刺身が入って最初からたまり醤油がかけられている。ご飯の上のうなぎはやや小さめのものが4切れほど。やや甘めのたれで味付けられていて、独特の風味がある。少し皮は硬めだが、中はふんわりと焼かれている。食べ進むとご飯の中からも尻尾の部分2切れほど挟まれていた。こんな小さな事がうれしい。置いてあった山椒が風味の弱いものだったのが残念だったが(山椒好きなもので)きれいにいただいた。サービスの気持ちはうれしいが小鉢は余計だったかな。今や鰻丼や鰻重は3,000円、4,000円もという異常な世界だが(だって、たかが「丼ぶり」料理だよ…)こちらの値付けはがんばっている。(勘定は¥2,050)

↓ (左)店のある古い街道。(右)店に隣接する旅館「丸登屋」。周りには何もないが風情ある古い建物がそのまま残っている。部屋はどんなだろう? 泊まってみたいな。

 

丸登屋

岐阜県関市下之保2932-2

( 関 関市 せき しものほ まるとや 丸登屋旅館 鰻 うなぎ うな丼 鰻丼 辻屋 しげ吉 みよし亭 孫六 飛騨街道 飛騨西街道 下之保村 )

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大石家 @岐阜県可児市

2015年11月04日 | 岐阜県(中濃)

多治見市に本店がある中華そばの「大石家」。こちら可児店は本店と違い、ラーメン屋らしからぬ和風の大きな門構え。暖簾付きの門をくぐって石段を上がり、店内へ。こちらの品書きは本店と同じく「中華そば」と「ライス」のみ。その他は、それぞれの具が多くなるチャーシュー麺とメンマ麺だけと潔い。本店ほどではないがこちらもいつ入っても盛況だ。本店同様厨房は広く、店内はテーブル席と小上がり席がある。1人だったのでテーブル席に腰を下ろして、中華そばの並を注文した。チャーシュー以外はシンプルな醤油味だからか年輩の客も多い。お湯割りという比較珍しい作り方で作られるらしいが、確かめたことはない。以前は素っ気ないというか、ドライな接客であまりいい感じはしなかったが、久しぶりに来てみるとそんな印象は受けなかった。

しばらくして中華そばの並が運ばれた。具はチャーシュー、メンマ、葱、蒲鉾というラインナップ。麺は中細のちぢれ麺。何と言ってもチャーシューの存在感がすごい。かなり厚みがある大きなチャーシューが4枚。しっかり煮込まれて柔らかくなっているが、ある程度の噛み応えも残しているのがいい。チャーシューだけ持ち帰りしている人も。話によると本店の方がチャーシューの大きさや盛りはいいらしいが、自分はいつも間があって正確に比較出来るほど覚えていない。どっちにしろ大したことない差だ(と思う)。するすると啜っていける麺の合間にチャーシューにかぶりつく。一緒にライスを注文している人が多いのが分かる気がするなァ(しないけど)。すぐに待ちが出るほど客が入って来たので席を立った。(勘定は¥800)

本店の記事はこちら

↓ 可児市兼山町にある「兼山歴史民俗資料館(旧・兼山小学校)」(明治18年・1885・建造)。千鳥破風の玄関上の鬼瓦の造形が見事。

 

↓ 校舎が傾斜地に建っているので正面玄関側は2階建てだが、裏にまわると3階建て。堂々たる建物だ。

 

中華そば 大石家可児店

岐阜県可児市広見1302-31

( 可児 可児市 かに 大石家 可児店 厚切りチャーシュー 中華そば ラーメン お湯割り 多治見 多治見市 )

 

 

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平成二十七年度 松竹大歌舞伎 「教草吉原雀」「魚屋宗五郎」 @岐阜・羽島市文化センター

2015年11月03日 | 歌舞伎・文楽

歌舞伎「松竹大歌舞伎」(11月2日・羽島市文化センター・スカイホール)

 先月に続いての歌舞伎観劇。今回は巡業公演で、昨年に引き続き、岐阜県羽島市の「羽島市文化センター」で嫁と一緒に観劇。相変わらず、あっと気づいてからのチケット手配だったが、昨年よりは前の席になった。最近とみに視力が弱くなってきたので(特に午後遅い時間帯)、観劇の時に眼鏡は欠かせない(涙)。この日は単眼鏡も用意した。年に数度の巡業公演とあって会場はほぼ満員の入り。

歌舞伎界を背負っているひとり、菊之助は言うまでもないが、松也、梅枝、右近など人気の若手が揃ったなかなか豪華な面々が揃って楽しみな公演。まずは「教草吉原雀」。舞台は吉原・仲ノ町。歌舞伎では定番の書き割りの前で、人気の松也と梅枝が息の合った踊りを見せる。衣装の早変わりもあり楽しませてくれた。松也をしっかり見るのは初めてかもしれないが、端正な顔立ちに男らしい所作でなかなか良かった。意外にも巡業公演はまだ2度目なのだとか。7月の名古屋での観劇前に、書き割りに書かれた屋号なんかの豆知識を入れたので舞台美術も楽しめる。

どちらの演目でも要となる役で出た亀三郎。何度か観ているが、よく通る口跡やメリハリのある動きなど、派手さはないが、いつも心に残る演技。年齢でいうと菊之助と変わらないが、音羽屋の一門としてこれからどんな存在になっていくのか興味が湧く。

「魚屋宗五郎」はとても有名な演目。自分も色々なスチルや映像で見たことはあるが、実際に演目を見るのは初めて。話の筋から、もっと悲壮な物語だとばかり勝手に思っていたが、笑わせどころも多く、まだ観はじめてから日が浅い自分には、筋も分かり易く、とても面白いものだった。昔の人がこの話を観たら暴れる宗五郎と、心の広い家老と殿様に胸のすく思いをしただろうな。初演だという菊之助は酔っ払いの演技はもちろん、声の通りも際立っていて、さすが。線が細い宗五郎だが、素面の時の品のある振舞いがだんだん崩れていく場面も、さすが音羽屋のお家芸といえる演技だった。菊之助は何度見てもイイなァ。

巡業公演は演目が2つのことがほとんど。さすがにちょっと短く感じてしまう。東京に住んでいる人は恵まれているな…。

 

 

松竹大歌舞伎

一、教草吉原雀(おしえぐさよしわらすずめ)

鳥売りの男実は雀の精   尾上 松也
鳥売りの女実は雀の精   中村 梅枝
鳥刺し実は鷹狩の侍     坂東 亀三郎


新皿屋舗月雨暈

二、魚屋宗五郎(さかなやそうごろう)

魚屋宗五郎             尾上 菊之助
家老浦戸十左衛門       坂東 亀三郎
宗五郎女房おはま       中村 梅枝
磯部召使おなぎ         尾上 右近
小奴三吉               中村 萬太郎
磯部主計之助           尾上 松也
宗五郎父太兵衛         市川 團蔵

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The Wonder / Tom Verlaine

2015年11月02日 | パンク・ニューウェーヴ

The Wonder / Tom Verlaine (1990)

テレヴィジョン(Television)のトム・ヴァーレイン(Tom Verlaine)の6枚目のソロ・アルバム。商業ベースに乗っていない彼のような音楽の場合、仕方がないことだとは思うが、アルバム毎にレーベルを転々としていて、これはFontanaからの発売。当時はテレヴィジョンの再結成(1992)少し前の時期。どんな活動をしていたかはさすがに思い出せないが、たしかこのアルバム、本国アメリカでは発売されなかったんじゃなかったかな。CDでも随分長い間手に入り難い状況が続いていたはず。バンドのパーソネルを見ると、ソロ活動を初期から支えてきたジミー・リップ(G:Jimmy Ripp)、フレッド・スミス(B:Fred Smith)という現在も一緒に活動を続けるメンバーの他にベテランのアンディー・ニューマーク(Andy Newmark)がドラムスを担当していたのは意外だった。

冷たく燃えるトム・ヴァーレイン独特のトーンで始まるアルバム。自分が聴きだしたのはもちろんテレヴィジョンからだったが、この後の再結成後のテレヴィジョンとこのアルバムを比較しても、前半はその違いをあまり感じないほどしっくりときている(当人はインタヴューでソロとテレヴィジョンで出てくる音は全然違うと言っているが…)。もちろんソロでも6作までの間には音楽性の振幅があったんだけれど、アナログ盤で摘み喰いしかしていないのでその辺は把握していない。確かに違うのはドラムスのタッチか。後半のポップな曲になるとさすがにソロ色が強くなる。でもコレ売れるか?…売れないわなァ…(笑)。(注・とうの昔に結果は出ております)

オークションにて購入(¥336)

  • CD (1996/3/15)
  • Disc : 1
  • Format: Import
  • Label : Fontana

( トム・ヴァーライン テレビジョン ヴェルレーヌ NYパンク ニューヨーク・パンク )

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川口屋 @名古屋市中区・錦

2015年11月01日 | 名古屋(中区 老舗)

名古屋市の繁華街、錦(にしき)の商業ビルが立ち並ぶ場所に、ひっそりと店を構える和菓子の「川口屋」。創業は元禄年間(江戸前期)だというすごい老舗。この近辺は通称「錦三(きんさん)」と呼ばれ、夜ともなると周囲はネオンが煌めく猥雑な街に変わるが、昼前はまだ人通りも少なく落ち着いている。暖簾をくぐって店に入ると、すぐ目の前にガラスケースがあり、上生菓子や干菓子が並んでいる。売り子さんが見当たらないのでじっくりと眺めさせてもらった。こちらの生菓子はお茶席では有名だそうで、この日置いてあった生菓子は、種類は多くなかったが、どれも凛としていて美しい(名古屋は茶道が盛んな土地です)。名前が分からないので奥に声を掛けると、若い売り子さんが出ていらっしゃった。これからまだ行くところがあるので残念ながらいくつもの上生菓子は持ち歩けない。説明してもらった菓子の中から「わらび餅」を選んで購入した。粒餡はすでに売り切れで、こし餡のみとの事。丁寧に包んでもらい、少量なので紙袋は辞退してバッグに入れ、店を出た。

持ち帰ったわらび餅の包みを開ける。紙箱に入っていて大袈裟だなァと思ったが、手に持ってみて納得。摘み上げるととろけそうなほど柔らかいのだ。ふわっとした皮から口に含むときな粉のいい香り。中の餡はしっとりとしていて黒蜜のコクがある。口に入れると食感は儚いが、残るしっかりとした存在感。うわぁ、これは旨いなァ、とため息。甘さの塩梅が素晴らしく、いくつでも食べられそう。次こそはいろいろ詰め合わせて買うぞ。今から楽しみ。(勘定は¥310/個)

この後の記事はこちら

 

川口屋

愛知県名古屋市中区錦3-13-12

 

( 錦 にしき 錦三 きんさん かわぐちや わらびもち 蕨餅 うず潮饅頭 道明寺 道明寺粉 林修 林先生 今でしょ )

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