ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

平成二十七年度 松竹大歌舞伎 「教草吉原雀」「魚屋宗五郎」 @岐阜・羽島市文化センター

2015年11月03日 | 歌舞伎・文楽

歌舞伎「松竹大歌舞伎」(11月2日・羽島市文化センター・スカイホール)

 先月に続いての歌舞伎観劇。今回は巡業公演で、昨年に引き続き、岐阜県羽島市の「羽島市文化センター」で嫁と一緒に観劇。相変わらず、あっと気づいてからのチケット手配だったが、昨年よりは前の席になった。最近とみに視力が弱くなってきたので(特に午後遅い時間帯)、観劇の時に眼鏡は欠かせない(涙)。この日は単眼鏡も用意した。年に数度の巡業公演とあって会場はほぼ満員の入り。

歌舞伎界を背負っているひとり、菊之助は言うまでもないが、松也、梅枝、右近など人気の若手が揃ったなかなか豪華な面々が揃って楽しみな公演。まずは「教草吉原雀」。舞台は吉原・仲ノ町。歌舞伎では定番の書き割りの前で、人気の松也と梅枝が息の合った踊りを見せる。衣装の早変わりもあり楽しませてくれた。松也をしっかり見るのは初めてかもしれないが、端正な顔立ちに男らしい所作でなかなか良かった。意外にも巡業公演はまだ2度目なのだとか。7月の名古屋での観劇前に、書き割りに書かれた屋号なんかの豆知識を入れたので舞台美術も楽しめる。

どちらの演目でも要となる役で出た亀三郎。何度か観ているが、よく通る口跡やメリハリのある動きなど、派手さはないが、いつも心に残る演技。年齢でいうと菊之助と変わらないが、音羽屋の一門としてこれからどんな存在になっていくのか興味が湧く。

「魚屋宗五郎」はとても有名な演目。自分も色々なスチルや映像で見たことはあるが、実際に演目を見るのは初めて。話の筋から、もっと悲壮な物語だとばかり勝手に思っていたが、笑わせどころも多く、まだ観はじめてから日が浅い自分には、筋も分かり易く、とても面白いものだった。昔の人がこの話を観たら暴れる宗五郎と、心の広い家老と殿様に胸のすく思いをしただろうな。初演だという菊之助は酔っ払いの演技はもちろん、声の通りも際立っていて、さすが。線が細い宗五郎だが、素面の時の品のある振舞いがだんだん崩れていく場面も、さすが音羽屋のお家芸といえる演技だった。菊之助は何度見てもイイなァ。

巡業公演は演目が2つのことがほとんど。さすがにちょっと短く感じてしまう。東京に住んでいる人は恵まれているな…。

 

 

松竹大歌舞伎

一、教草吉原雀(おしえぐさよしわらすずめ)

鳥売りの男実は雀の精   尾上 松也
鳥売りの女実は雀の精   中村 梅枝
鳥刺し実は鷹狩の侍     坂東 亀三郎


新皿屋舗月雨暈

二、魚屋宗五郎(さかなやそうごろう)

魚屋宗五郎             尾上 菊之助
家老浦戸十左衛門       坂東 亀三郎
宗五郎女房おはま       中村 梅枝
磯部召使おなぎ         尾上 右近
小奴三吉               中村 萬太郎
磯部主計之助           尾上 松也
宗五郎父太兵衛         市川 團蔵


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