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ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

ボン.千賀 @愛知県豊橋市

2020年11月24日 | 愛知県(三河・老舗)

愛知県豊橋市にて。こちらも以前から寄ってみたかった大正元年(1912)に菓子問屋として創業し、戦後間もないころから菓子パンを販売しているという「ボン.千賀」(←”ボン”の後にコンマが入ってる)。日曜定休なので今まで入る事が出来なかったパン屋だ。自社ビル(たぶん)の1階が店舗になっている。店に入るとガラス・ショーケースには主に箱入りの菓子が並んでいて、入口近くの棚に菓子パンが並んでいる。トレイとトングで取っていく方式。奥にはイートイン出来るスペースもあるようで、ぶら下がったペンダント・ライトなど意匠が昭和”高度成長期”ポップ。自分が入った時には若い女性店員が1人だけだった。トレイを持ってパンを選ぶ。どれもパッケージのデザインが秀逸。そういえば今ってこういうポップなデザインってあまり見ないなァ(今の商品はどれもパッケージで中身や味が分かるようになっているものばかり)。出先で多くは買って帰られないので3種類だけ選んで勘定してもらう。

 

選んだパンは「くろんぼパン」(写真下1枚目)、「パピロ(バターパン)」(写真下2枚目)、「レモンクッキー」(写真下3枚目。フォントやイラストが可愛らしい。最初はいきなり現在では禁止用語になっている名前が付いたパン(笑)。イラストはオッサン世代なら誰でも知っている”ダッコちゃん”だ。どうしてこの名前になったかは知らないが、きっとダッコちゃん全盛期(昭和35年発売)の時流に乗って発売されたんじゃないだろうか。食べてみると、これが意表を突いた白餡のあんパン。なぜだ?(笑)。「パピロ」はコッペパンに練乳のような味の甘いクリームが挟んである。”バターパン”とあったのでバターが使ってあるのかなと原材料を見ると”マーガリン”(笑)。そうそう昔はバターとマーガリンの表記はいい加減だった。にしても素敵なパッケージ・デザイン。「レモンクッキー」は硬めで乾いた感じの生地にクリームが挟んである。確かに”クッキー”といった感じ。口中の水分が持っていかれるのでコーヒーにぴったりだった。妻曰く「どのパンの味も昭和ならでは。」とのこと。よく分かる。次は店の中で食べてみたいナ(何とビールがあるらしい)。(勘定は¥450) 

 

 

ボン.千賀

愛知県豊橋市駅前通1-28

 

( 豊橋 とよはし ボン千賀 ボンせんが パン ベーカリー 惣菜パン 菓子パン 手作りパン 老舗 長崎カステラ 喫茶 )

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東京庵本店 @愛知県豊橋市

2020年11月22日 | 愛知県(三河・老舗)

豊橋遠征。夕方に豊橋の隠れたソウルフード「豚汁」でもいただこうかと目当ての食堂に向かうも、土曜日はやっていないのか、それともコロナ休業なのか、2軒も振られてしまった(→豊橋の古い食堂には豚汁定食がある店が多い)。諦めて向かったのは大手町にある「東京庵」。創業明治17年(1884)という豊橋でも屈指の老舗だ。何でも創業者が東京出身なのでこの店名なのだとか。以前に寄った時には待ちの行列が出来ていて断念したこともある人気店。まだ夕飯には少し早い時間とあって店内はのんびりとした雰囲気。沢山並んだテーブル席のひとつに腰掛けると、給仕女性がお茶と小皿に盛った刻みネギを置いていった。看板には”生そば処”とあるし、品書きもそばの方が先に載っているが、注文したのはこの地域のもうひとつのソウルフード”にかけうどん”。”にかけうどん”は以前に同じ豊橋の「勢川本店」、碧南の「大福」でも食べたことがある。語源は”荷かけ”とも”煮かけ”とも言われるが、刻み揚げ、かまぼこ、青菜がのったシンプルなつゆのうどんだ。通常の「にかけ」の他に「白にかけ」というのがあったのでそちらにしてみた。

しばらくして運ばれた「白にかけ」は碧南で作られる小麦を主原料とした「白醤油」が使われている。その名の通り透明に近いのでつゆも透き通っている。出汁は東海地方の古い店では定番の宗田鰹とムロアジだそう。具材は刻み揚げ、かまぼこ、青菜、それに花鰹がのっている。中細麺で麺線は長めで量は多め。つゆは雑煮のつゆのような味わいで、あっさり、すっきりとしていて何とも旨い。小皿でもらった刻みネギを散らしてもいいし、卓上に置いてある揚げ玉を入れてもいい。でもこのままいただくのが一番いいかなとつゆを汚さずにいただいた。うどんはもこのつゆにはぴったり。するするといただいてつゆも飲み干してしまいそう(まだ夜は長いので自重)。旨かった。次は「手打ち水車ざる」「水車鴨ざる」あたりのそばをいただいてみよう。(勘定は¥650)

 

生そば処 東京庵 本店

愛知県豊橋市大手町135

 

( 豊橋 とよはし 東京庵豊橋本店 とうきょうあん 蕎麦 そば 生そば うどん 饂飩 にかけうどん 定食 老舗  )

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絹与 @愛知県豊橋市

2020年11月19日 | 愛知県(三河・老舗)

豊橋遠征。雨の中、傘をさして歩いて向かったのは呉服町にある「絹与」。創業は何と享保19年(1734)以前のようで、現在10代目という280余年もの歴史がある和菓子屋だ。店は旧・東海道吉田宿の街道沿いにある。傘を畳んで店に入ると、ガラスショーケースの中に色々な和菓子が並んでいる。中でもこちらは棹物(棹菓子)が多く、羊羹が有名な店。目当てにしていたのは季節限定の「栗羊かん」だったが、残念ながら”売り切れ”の貼紙が…。という訳で一番基本の「羊かん・小豆」と、好物の「最中」を買い求めることに。最中は小豆、ゆず、みその3種類があったので珍しい「みそ」をお願いした。自家用で包んでもらい家に持ち帰る。

先にいただいたのは「最中・みそ」。地元三河の八丁味噌を白大福豆の餡と合わせてあるのだとか。最中種は貨幣の形。口に含んでも初めはあまり味噌の感じがしないのだが、餡が溶けた後味で味噌の風味が口に残る。味噌餡は珍しいがなかなかに旨い。「羊かん・小豆」は竹皮風の包みにくるまれている。張りのある羊羹を包丁で切り分けて嫁といただいた。黒文字で口に運ぶ。包丁での感触の通り、寒天で固めてあるのでプリッとした口当たり。口に溶けると滑らかで、じんわりと甘味が拡がっていく。甘味は氷砂糖、蜂蜜などが原料らしいが、品のいい甘さ。日持ちするからと油断していたら妻が「もうなくなっちゃうよ。」というので慌てて自分の分を確保しておいた(苦笑)。次はぜひ「栗羊かん」を、それに押菓子もいただいてみたいナ。(勘定は¥1,500程)

 

御菓子所 絹与

愛知県豊橋市呉服町61

 

( 豊橋 とよはし きぬよ 和菓子 ようかん 羊羹 栗羊かん 限定  押菓子 和三盆 干菓子 老舗 もなか 最中 )

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コンドーパン @愛知県豊橋市

2020年11月16日 | 愛知県(三河・老舗)

雨模様の豊橋遠征。わざわざ電車に乗って訪れたのは愛知大学など多くの学校が集まる地域にあり、以前に近代建築として観賞した「コンド―パン」。豊鉄渥美線の南栄駅で降り、傘をさして歩いて向かう。幹線道路沿いに建つ風格ある建物は以前のまま。瓦屋根にゴシックで書かれた大きな店名看板が何とも言えずいい味を出している。店に入ると想像した通りかなり広い間取り。土間に並べられたクラシックなガラスショーケースの中には手作り感溢れるパンが、後ろの冷蔵ケースにはサンドイッチなども並んでいた。透明パックに入った弁当まで売られている(学生需要があるんだろう)。土曜の午後とあってか残ったパンの種類は多くなく、購入したのは「レモンパン」「チョコラスク」そして「弁当(まぜ飯)」の3つ。旅先なのであれこれ沢山買えないのが残念。

呑み歩いてホテルに帰ってからの酔っ払い行動。コンビニで買って持ち込んだ缶のハイボールを開けた時につまみとして「弁当(まぜ飯)」を開けてしまった。約15cm×10cmという小さな透明パックにはまぜ飯(味ごはん)の他にそれぞれ小さなカツ、天ぷら、ポテサラ、玉子焼きが入っているというミニチュア弁当のような様相。これがつまみにとてもいい(笑)。これだったら食べる量を気にする女子学生にもぴったりだろう。「チョコラスク」(写真下1枚目)と「レモンパン」(写真下2枚目)は翌朝の朝食代わりに。「チョコラスク」はカリカリのトースト一面にチョコクリームが塗ってある。チョコの味が甘ったるくなくてイイ。「レモンパン」は見た目から何となくそうじゃないかと思っていたが、ほぼメロンパン(笑)。レモンの要素がどこにあるのかよく分からないし、ブラインドで2つ手渡されたらたぶん当てられない(笑)。でもこういうパンが家のすぐ近くに売っていたら通うよなァ。(勘定は失念)

 

   

コンドーパン (コンド―パン南栄蟹原店)

愛知県豊橋市南栄町蟹原21-36

 

( 豊橋 とよはし 南栄駅 パン屋 ベーカリー 手作りパン 惣菜パン 弁当 サンドイッチ サンドウイッチ 近代建築 )

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あさひ @愛知県豊橋市 (※閉店)

2020年11月13日 | 愛知県(三河・老舗)

1日半、休みが取れたので久しぶりに豊橋まで遠征。この日は生憎の雨模様だったが、急遽初めて豊橋で泊まってみることに。傘を持って豊橋駅に降り立った。宿にチェックインする前に歩いて向かったのは、ずっと一度は訪れてみたいと思っていた「立呑あさひ」。昭和2年創業の酒屋「旭屋酒店」に隣接する立呑みの店だ。立呑みの店も戦後の昭和23年(1948)創業というから長い歴史がある。こちらは日曜休みなので今まで1度も訪問が叶わなかった。正直今回豊橋に来たのはこちらに訪れるのが目的のようなもの(笑)。念願の店に到着し暖簾をくぐる。狭い間口で奥にカウンターが伸びている。カウンターの上にはサッポロビールの提灯が下がり、一番奥にはテレビ。土曜だったが午後の外れた時間とあって先客は2名のみ。あぁ、もう旨いに決まっている、とてもいい雰囲気。

主人が出てきて「何にしましょう?」と訊かれたので通常の品書きとは別に壁に貼られていた「英勲・しぼりたて」をお願いする。さっと蛇の目の1合利き猪口(←うちにもある)が置かれて、1升瓶からトクトクと擦り切りまでなみなみと注がれた。正1合。うかつにも猪口を動かそうとしてしまい、少しこぼしてしまう…(恥)。すぐに主人が布巾で拭いてくれた。お恥ずかしい。次は口から迎えにいきズズッと。あぁ旨い(外はまだ明るいしナ)。酒肴は「お刺身・アジ」をお願いした。「アジ」は生姜とわさびが添えてあり、千切りキャベツの上に放射状に並べられている。つまみながらずしりと重い猪口を口に運ぶ。

あっという間に1合呑み干し、次は「千代菊・新米新酒」と「湯豆腐」を。味噌か醤油かと訊かれたので味噌でお願いする。「湯豆腐」は半丁が半分にカットされ、上から味噌がたらされ刻みネギが散らしてある。コレ家でも時々やるのだが、この場所で食べたらサイコーだ。賑やかになった店内もいいだろうが、奥からテレビの音だけが聞こえてきて、先客も静かに喋っているこの雰囲気も堪らなくイイ。外からご高齢の大女将さんも「いらっしゃいませ。」と入っていらした。

自分の立っている入口近くにある冷蔵庫の上にサーバーの洗浄ボトルがあったので、ふと「生ビール」をチェイサー代わりにお願いした。グラスに注がれた生ビールは予想通り完璧な注ぎ。するっと喉を通っていく。最後は「牛すじ煮」と「いわし玉」を追加。「牛すじ煮」は三河なので当然味噌味かと思いきや、意外にも醤油味。こんにゃくも入っていてあっさり。どんなものか分からず注文した「いわし玉」は実は豊橋(東三河)のソウルフードとも言える名物なのだとか。いわゆるつみれで中には細かく刻んだ人参も見える。擦った生姜、それに紅生姜も添えられていて、醤油をつけていただく。日本酒にピッタリ。これもイイなァ。もうこの店だけで終わってもいいか、なんてふと頭によぎりつつ(笑)、まだ終わってしまうには早い時間だったので、再訪出来る事を願いつつ勘定してもらった。毎日でも通いたい。(勘定は¥2,800程)

 

立呑 あさひ

愛知県豊橋市駅前大通1-33

※令和5年6月末を以って建物の老朽化によって閉店されました

 

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壺屋 @愛知県豊橋市

2019年12月30日 | 愛知県(三河・老舗)

豊橋遠征の締めくくりは、駅構内の「壺屋」へ。豊橋駅の駅弁として有名な創業明治21年(1888)の老舗。元々は旅館として創業し、翌年には既に駅構内での販売許可を得ていたというから駅と共に長い歴史がある。稲荷寿司といえば豊川稲荷。距離の近い豊川とどういう関係があったか分からないが(そもそも稲荷寿司の起源も諸説存在)、地元で親しまれているのみならず、名古屋あるいは東京にも店があるらしい。この日は朝から豊橋市内を散策し、かなりの距離を自転車で廻り、何軒も店を渡り歩いたので(笑)、ヘトヘトな上にお腹はいっぱい。駅構内に実店舗もあるのだが、締めに豊橋餃子を2軒、ビール付きで訪れたのでもう何も入らない。それでもまだ遅い時間ではないので、家に帰ったらまた腹も減るだろうと稲荷寿司は買って帰ることにした。

家に帰ってひと休みした後に、クラシックな包みが素敵な「稲荷寿司」を開ける。紅生姜が添えてある「稲荷寿司」は計個。手が濡れるほどたっぷりとつゆを含んだ油揚げは甘めの味付け。中の酢飯の酢加減は弱く、一緒に口に含むと甘味が勝っている。それでも寿司の不思議でさほど腹が減っていなくともパクパクと口に入れてしまう。結局熱い緑茶と一緒に全部食べてしまった。次に行った時には店に入って麺類と一緒に食べてみようっと。(勘定は¥580)

 

 


 

↓ 国の重要文化財に指定されている「豊橋ハリストス正教会・聖使徒福音者馬太聖堂」(大正2年・1913・建造)も再訪。天気がいいと白く塗られた壁が映えて印象も随分違う。

 

 

 

↓ 国重要無形民俗文化財に指定されているという”豊橋鬼祭”で有名な「安久美神戸神明社。本殿を含む5棟が登録有形文化財に指定されていて、唯一鉄筋コンクリート造りの「神庫」(写真3枚目・昭和5年・1930・建造)も含まれている。

 

↓ 大池通り沿いの「カネ大酒店」(建築詳細不明)に掲げられていた渋い木製文字看板。

 


 

壺屋

愛知県豊橋市花田町西宿無番地 豊橋駅ビル カルミア構内

 

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勢川本店 @愛知県豊橋市

2019年12月19日 | 愛知県(三河・老舗)

豊橋遠征の続き。自転車で愛知大学周辺を周った後、市内中心部に戻ってきた。歴史ある食堂を目当てにしていたが、豊橋の食堂は日曜休みの店が多く、選択は意外と難しい。ある老舗食堂へ向かうも外に待ちが出るほどの盛況ぶり。遠征は時間との闘いでもあるので断念して、もう一つの候補、こちら「勢川本店」へ。創業は大正3年(1914)。当初は割烹旅館で、食堂となったのが昭和27年だとのこと。他に豊橋市内に10軒も支店があり、一番新しい店は平成27年開店というから素晴らしい。暖簾をくぐって中に入るとほぼ満席の盛況ぶり。すごい活気だ。2階にも席があるのだとか。給仕女性が相席をお願いしてくれ、先客女性も快く引き受けて下さった。せっかく電車で来ているのだからと「お酒・一級」と「そば味噌こんにゃく」を注文。既製品とはいえ、酒に漬物が付いてくるのは嬉しい。

漬物で酒をやっていると「そば味噌こんにゃく」が登場。透明感のあるこんにゃくに蕎麦の実が入って粒感のある甘口の味噌が塗ってある。これがいい塩梅で酒にピッタリ。活発なホールの給仕女性の動きを眺めながら1本を空にした。さて腹に入れるのは何にしよう。周りを見ていると豊橋市内の飲食店有志が推している「豊橋カレーうどん」の注文が多い。洋食もあるので食べたい物ばかりだが、以前から気になっていた豊橋ならではのうどん「にかけ」を追加した。”煮かけ””荷かけ”など、”にかけ”の語源は諸説あるらしいが具材ののったうどんのことで、つゆは通常の赤つゆ、三河ならではの白醤油を使った白つゆがあるとのこと。

しばらくして運ばれた「にかけ」には、花鰹、蒲鉾、ほうれん草がのっている。自分がこの具材で思い付くのはきしめん。全く同じじゃないか。麺は細打ちのプリッとした弾力の麺。豊橋は自家製麺率がかなり高いらしいのでこれもそうなのかな。つゆは赤つゆ。花鰹の効果もあるだろうが、しっかりと出汁が効いて旨い。食べているとますますきしめんとの共通点が。どうしてこういうスタイルのうどんが豊橋でだけ”にかけ”と呼ばれ親しまれることになったのか興味は尽きない。活気ある店内で美味しい酒と酒肴、そしてうどんをいただくことが出来て満足。次は丼物、洋食も食べてみたいなァ。(勘定は¥1,260)

  

 


 

↓ 「愛知大学・豊橋キャンパス」の通用門(建築詳細不明)。資料が見つからず古いかどうか分からなかったが意匠はクラシック。他にもっと古いだろう正門や他の門柱があったのに痛恨の撮り忘れ。

↓ 大学の敷地を囲むコンクリート塀(写真下左・建築詳細不明)はシンプルだが、いかにも時代を感じさせる意匠と塗り方。これも旧軍で使われていたものだったりして。その先の時習館高校南交差点突き当たりにある現在は使われていなさそうな門の脇には歩哨が立つ哨舎(しょうしゃ)(建築詳細不明)が残っていた。

 

↓ 更に南に歩みを進めると古い建物と煉瓦造りの建物が並んだ「コンドーパン」(建築詳細不明)が。看板の文字が力強い。残念ながら日曜休みでパンは購入できなかった。ひょっとして隣の煉瓦造りの建物の方でパンを焼いているんだろうか?(食べてみたいなァ)。敷地裏手にある建物(写真6枚目・建築詳細不明)もかなり年季が入っていそうだ。

 

 

 

 


 

 

うどんそば所 勢川本店 (勢川)

愛知県豊橋市松葉町3-88

 

( 豊橋 とよはし せがわ せがわほんてん うどん そば 麺類食堂 大衆食堂 100年食堂 近代建築 陸軍第15師団 軍都 コンドーパン南栄蟹原店 コンドウパン ) 

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大正軒 @愛知県豊橋市

2019年12月16日 | 愛知県(三河・老舗)

数年前に豊橋を散策した折に近くまで来ていたのに、帰りに買っていこうと思ってそのまま立ち寄るのを忘れてしまっただんごの店「大正軒」へ。創業は明治9年(1876)というから140余年もの歴史がある(にしても明治創業で”大正”って名前を付けたのかな?)。まだ午前の早い時間だが、すでに数名の客が中に。こちら「みたらしだんご」が有名だがショーケースの中には他にも色々な菓子が並んでいる。もうすでに入口横にある”自動みたらし焼き器”は稼働していた。この機器、だんごの串をセットすると自動で回転しながら焼いていくのだが、たれに浸ける工程も自動でドボンと浸けられるのが見ていて面白い。先代が考案して実用新案も出したのだそう。こういう手作り機械は見ていると飽きずに足が動かなくなる(笑)。それはさておき、店員の女性に「みたらしだんご」と「きなこだんご」を1本づつお願いする。2本から店内でいただくことが出来る。軽減税率の関係で、店内で食べると消費税は10%だと前置きされたが構いやしない(笑)。「奥へどうぞ。」と言われたのでまだ誰も居ない喫茶室の方へ行って座らせてもらう(こちらのスペースは「汁粉屋・つばき」という店名のようだ)。

※後で調べたら、2代目が大正年間に現在の場所近くに喫茶を開いた時に「大正軒」と名乗ったとのこと

しばらくしてだんごがお茶と一緒に運ばれた。さっそく出来たての「みたらしだんご」を口に。4個刺さったこちらのだんごの表面はつるっとしている。でも中は軟らかいので食感が楽しい。たれは濃いめ。でも醤油が強くて、普段よく食べる近所のだんごとは口当たりも味付けも違うのが面白い(自分の住んでる場所のはもっと甘い)。熱いお茶と一緒にいただく。旨いなァ。「きなこだんご」は焼かずにきな粉がまぶしてある。もちろん甘さがあるのだがちょっとだけ塩気も感じられて、これもいい感じ。皿を戻して店を出ようとするが、また”自動みたらし焼き器(正確には「みたらしだんご自動焼成機」と呼ぶそうだ・笑)に目がいってしまい、また数分棒立ち。(勘定は¥220)

 


 

↓ 愛知大学構内に建つ「愛知大学記念館(旧・陸軍第15師団司令部庁舎)」(明治41年・1908・建造)。終戦後に「愛知大学本館」として使われ、現在は綺麗に整備され大学の歴史や資料を展示している。一部はアートギャラリーとしても使われていた。戦後GHQは旧陸軍の軍国主義を徹底的に排除しようとしたので、師団司令部の建物がそのまま残ってるのは珍しいのだとか。国の登録有形文化財に指定されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

餅菓子処 大正軒

愛知県豊橋市新本町10-1

 

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小進庵 @愛知県碧南市

2019年11月23日 | 愛知県(三河・老舗)

愛知県碧南市へ。以前にこの近辺を散策した時に見逃した近代建築物を探して廻る。昼食に寄ったのは「小進庵」。創業は昭和10年(1935)だとか。以前自転車で通った「衣浦トンネル」の出口からそう遠くない場所に店がある。近くに寺社が多いので店が面した道が古い街道だったに違いない。店の横に更地の駐車場があったので(道路を挟んだ向かいにも有り)車を停め、暖簾をくぐる。店内はこじんまりとしたスペースで、テーブル席2つとカウンター席がある。店の長い歴史からご高齢の方がやっていらっしゃるのかなと思っていたら、そうでもないご夫婦がやられていた。きっともう代が替わられているのだろう。品書きを拝見。外看板通り寿司もあり、後は丼物と麺類。寿司も食べてみたかったが、”創業から変わらぬ”と書かれていた海老を4本も使うという「天丼」を注文してみた。

さほど時間はかからず「天丼」が登場。大きめの丼ぶりに盛られた「天丼」は端に海老天が4本のっているが、面白いのは海老天ののっていないスペースもほとんど硬さのある衣で覆われていること。つまり大きな丸くて薄い1枚の天ぷらの上に海老天が4本片寄せあって寝転んでいる感じ、あるいは羽根付き海老天というべきか(分かりづらいかナ…)。独特で面白い。もう少し小振りな丼ぶりにのっていると景色が更にキマると思うんだけどなァ。まずは海老のない衣の部分を箸で崩し、ごはんといただく。天ぷらはかなり甘さのあるタレをくぐっている。海老は大きくはないものの、この値段で4本って素敵。無論衣だけの部分より更に旨い。提供時間からすると揚げ置きかもしれないが甘辛くて旨い。味噌汁とたくあんを挟みつつ、ガツガツと喰らっていった。80年以上も前からこんな天丼だったなんて興味深いなァ。次に行った時は麺類と寿司のセットにしてみよう。(勘定は¥700)

 


 

↓ 東浦町の「山中従天医館」(昭和5年・1930・建造)。傾斜地に建てられた建物で、黄色に塗られた外壁とスクラッチタイルの腰壁が印象的。煙突があるのでマントルピースでもあっただろうか。

 

 

 

↓ 「碧南市新川まちかどサロン(旧・名鉄新川町駅舎)」(昭和19年・1944・建造)。この建物裏手には素っ気ない現行の新しい駅舎がある。

  

↓ 松江町の「旧・新川中央病院本館」(大正3年・1914・建造)。オーダー(列柱)のある玄関廻りの意匠と奥の瓦屋根の建物とのギャップが楽しい。遠くからしか見れないが現在は使われていなさそう。

 

↓ 散策後は銭湯「新川温泉」(建築詳細不明)へ。昭和2年(1927)開業という歴史ある銭湯。創業当時の建物かどうかは分からないが、コンクリート造りの門柱や外トイレ周りの意匠がとても素敵(写真2枚目)。周辺は新興の住宅が多いが、近辺はかつて色街だったらしいので探せば古い建物も見つかるかもしれない。脇の駐車場に車を停めて、ひとっ風呂。中は外観から想像したよりは古くなく、まだ明るい日差しの入る浴場でとてもいい湯をいただいた。帰り眠気に襲われないようにしなければ。

 

 


 

 

小進庵

愛知県碧南市錦町4-21

 

( 碧南 へきなん こしんあん 麺類食堂 大衆食堂 寿司 鮨 中華そば ラーメン ランチ 老舗 近代建築 銭湯建築 )

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享楽亭 @愛知県知多郡武豊町

2019年11月17日 | 愛知県(三河・老舗)

愛知県武豊町へ遠出を決めた目的は、近代建築の観察はもちろんだが、この店の訪問のためでもあった。洋食の「享楽亭」。創業は大正元年(1913)で現在3代目だとか。東海地方にのみ残る絶滅危惧メニュー「ミヤビヤ(ミヤベヤ、メアベヤ)」を提供する数少ない店のひとつ。この5月に名古屋の「勝利亭」が廃業してしまったので、昔からメニューに載っている店は、もうここと岐阜市の「あじろ亭」、三重県津市の「中津軒」の3軒だけになってしまった。どちらも創業100年越えの店だ(※古くない店では、知っている限り瑞浪市の「満月」と岐阜市の「マカロニ亭」がある)。「享楽亭」は市街地を外れた名鉄線路沿いに店があった。勇んで開店時間に到着したのになぜか”準備中”の看板のまま。車に乗ったまま待つも状況は変わらず…。その間にも何台かの車が来ては看板を見て引き返す。「すわ(臨時休業?)…」と思い始めた頃、店内から女性が出てきて「今日は出前の予約があるので店を開けるのが12時頃になります。」とのこと。予定は狂ったけれど、とりあえず店が開くことだけは分かったのでひと安心。近代建築探しを続行した。

時間になって店に戻っても、まだ店は開いていなかった。駐車場で引き続き待つ。後客も何台か入って来た。すると知らないうちにもう何人かの客が店の中に入っていった様子。開店したことは教えてくれないようだ(苦笑)。あわてて店内へ。店自体は古くなく、住宅の一部を改造してあるような建物。テーブル席と奥に小上がりがある。店内には「ルービトブカ」「ルービンオニユ」と逆に書かれたとても古いバーカウンター(キャビネット)が鎮座している。カッコイイ。厨房の中には白髪の主人、給仕は女将さんとさっきの女性(娘さん?)が担当。老齢の女将さんに「タンシチュー」と「チキンミヤベヤ」を注文した。「ミヤベヤ」はちょっと時間がかかるとのこと。「構いません。」と伝える。メニューには注文したもの以外にも「海老の玉子巻き」「イタリアンビフ」など、読んだだけではどんな料理か分からないワクワクするような品もある(現在は写真入りメニューもあり)。でも全部頼むわけにもいかない…。

30分以上の時間がかかって「タンシチュー」と「チキンミヤビヤ」が運ばれた。まずは平皿に盛られた「タンシチュー」から。カドのないデミグラスソースで煮込まれたタンはとても軟らかく仕上がっている。旨い。シチューの口当たりも滑らかで、いかにもクラシックな日本式洋食といった感じでご飯に合いそう(老舗らしくライスは別)。同じ皿の上にはサラダ(千切りキャベツ、ポテトサラダ、トマト等)も添えられているが、ちゃんとトマトが湯剥きされていたりと丁寧な仕事がされている。「チキンミヤビヤ」はケチャップ寄りのソースでチキンと大振りに切られた玉ねぎが煮込まれていて、真ん中に玉子が落とされている。上面に焦げが見当たらなかったのでオーブンで焼かれているかどうかは分からず。玉ねぎの火入れは浅くシャクシャクとした食感も残していた。玉子は黄身が全部流れ出ないくらいの硬さ。これで「中津軒」以外では「ミヤビヤ(ミヤベヤ)」を食べる機会があったが、火の入り方は別として、どちらも味は複雑なものではなく、見たまま、想像したままの味。

食べ終わってお茶をいただいていると女将さんが「遠くからいらしたの?」と話し掛けてくれた。岐阜方面から来たことを告げると「「あじろ亭」って知ってみえる?」と。「ハイ、何度も食事に寄っています。」と答えると、「あそこ、うちの親戚なのよ。」との事(なーにーっ!!・驚)。「お姉さん(現在の主人)がまだ元気でやってみえるでね。」「うちの初代があちらと姉弟で、あちらがお姉さん。」と衝撃の事実が明らかに(※”姉弟”のくだりは、こう聞いたような気がしたが不正確かも)。実は食事中に卓上にあったガラス瓶に入ったソースをスプーンに垂らして舐めてみたのだが、その味が「あじろ亭のソースみたいだナ。」と思っていたばかり(同様の作り方かどうかは未確認)。いやぁ、びっくりした。創業100年を超え、貴重なメニューが残る、かくも貴重な洋食屋同士が親戚筋だったとは。「遠くからありがとうね。」という女将さんの優しい言葉を背に店を後にした。近くだったら絶対全メニュー制覇したい店なのに、易々と行けないのが悔しい。(勘定は¥2,100)

「あじろ亭」(岐阜)の記事はこちら

「勝利亭」(名古屋)の記事はこちら

 その他「ミヤビヤ」の店の記事はこちら

 

 


 

↓ JR武豊線の「石川B鉄橋」(明治24年・1891・建造)。イギリス人技師ボナールによって設計されたボナール型と呼ばれる物で、明治初期の煉瓦・切石造りの橋梁は全国的にも珍しいものなのだとか。

 

↓ 武豊町から半田市に向かっている道中でちょっと気になった隅切り屋根の建物「旧:杉江歯科醫院」(建築詳細不明)。うっすらと木製看板が残っていた。母屋の屋根頂部には立物(たちもの)と呼ばれる飾りも。

 

↓ 帰り道に半田市の亀崎に立ち寄る。亀崎にある創業安政2年(1855)という歴史ある料亭「望州楼」(江戸期建造)。傾斜地に建っているので料理を運ぶケーブルがあるのだとか。

 

↓ 「望州楼」の向かいにあるべんがら塗りの「旧・成田家住宅」(明治11年・・建造)。元々は「望州楼」の旧店舗で、明治になって住居兼店舗として建て直しされたのだとか。平成20年間で使用されたとのこと。

 

↓ 「望州楼」の前の通りで見付けた豆タイルを多用した商店(建築詳細不明)。何に使われているかは分からないが、とてもしゃれた店舗だ。

 

↓ 「JR亀崎駅」(明治19年・1886・建造)。日本最古の現役駅舎との話もある(※諸説あり)。

↓ 「盛田金しゃち酒蔵」(建築詳細不明)。蔵は1800年代の建造だとか。ここの売店も日曜は休み。酒造の売店ってほとんどが日曜休みばかりで買えない。残念。

 

 


 

 

洋食 享楽亭

愛知県知多郡武豊町字池田1-114-3

 

( 武豊町 たけとよちょう きょうらくてい 洋食店 洋食 ミヤビヤ ミヤベヤ メアベヤ 老舗 100年食堂 ハヤシライス オムライス 近代建築 閉店 廃業 近代化産業遺産 )

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