マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

しあわせの雨傘

2011-01-17 10:05:36 | 映画ー劇場鑑賞

ーしあわせの雨傘ーPOTICHE

2010年 フランス

フランソワ・オゾン監督 カトリーヌ・ドヌーヴ(スザンヌ・ピュジョル)ジェラール・ドパルデュー(モリス・ババン)ファブリス・ルキーニ(ロベール・ピュジョル)カリン・ヴィアール(秘書ナデージュ)ジュディット・ゴドレーシュ(ジョエル)ジェレミー・レニエ(ローラン)

 

 

【解説】

ジョギングが日課の裕福な妻が、心臓発作で倒れた夫の代わりに雨傘工場を任されたことで意外な才覚を発揮していく人間ドラマ。フランソワ・オゾン監督とカトリーヌ・ドヌーヴが『8人の女たち』以来のタッグを組み、一人の主婦が問題を乗り越えながら自分の居場所を見つける姿を、コミカルな演出を交えながら描く。ジャージ姿や歌声を披露する大女優カトリーヌのコケティッシュな魅力満載で、涙あり笑いありの女性賛歌に共感必至。

 

【あらすじ】

スザンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)は毎朝のジョギングが日課の幸せなブルジョワ妻だったが、ある日、雨傘工場を運営する夫ロバート(ファブリス・ルキーニ)が心臓発作で倒れ、雨傘工場を切り盛りすることに。亭主関白の夫の下で押し黙る日々を送っていた彼女だったが、子ども、昔の恋人、工場の従業員たちの協力を得て予想外の本能が目覚めていく。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

フランソワ・オゾン作品は、好き嫌いがあったし、コメディーも一皮肉がきついんじゃないかと危惧しながら見ましたが-。

 

面白かったですよー。

くすくす笑いがいっぱいでした。

 

 

まず最初から、真っ赤なジャージーを着て鼻歌まじりでジョギングするスザンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)。

彼女の父の後を継いで雨傘工場を経営する夫・ロバート(ファブリス・ルキーニ)のために朝食を用意しても、夫は「使用人に任せておけばいい、君は飾り壺でいいんだ」と侮辱的。

 

時は、1979年。

フランスでも、男の人の意識はこんな感じだったのですねー。

 

娘のジョエル(ジュディット・ゴドレーシュ)は結婚して子供が2人いるけど、夫は仕事が忙しく不在がちで離婚まで考えています。

 

息子のローラン(ジェレミー・レニエ)は学生でアートに関心を持ち、経営には無関心です。

 

☆ネタバレ

そんなときに、工場では労働争議が起き、ロバートは労働者と対立し、監禁され、そんな中で脳の発作を起こして入院を余儀なくされました。

急遽経営者として工場に関わることになったスザンヌ。

父の経営を幼い頃から見ていたこともあって、自分でも気づかなかった経営の才能に目覚めます。

 

昔の恋人で今は市長になっているモーリス・ババン(ジェラール・ドパルデュー)の協力も得て、労働争議も治まりました。

子供たちも適材適所に配置して、経営は順調。

 

ロバート(左)とババン

 

でも、ロバートはババンを思想的な敵と憎んでいるし、ローランはロバートの隠し子を婚約者と言うし、問題は山積み。

 

いよいよ、ロバートが退院してきて、それぞれの問題が思いがけない方向へと展開して行きます。

 

経営方針が違うスザンヌは、夫と対立しても工場の経営権を得ようとしますがー。

 

ほんと、波乱に継ぐ波乱で飽きないです。

スザンヌのバイタリティーはすごいです。

いいなあ、カトリーヌ・ドヌーブ。

私は見損なったのですが、「徹子の部屋」に出ておられたようですね。

 

この邦題は明らかに「シェルブールの雨傘」を意識しているのでしょうが、原題の「POTICHE」は飾り壺という意味のようです。

何度も繰り返される飾り壺というキーワード。

スザンヌを表している言葉ですが、最後にロバートは「飾り壺だけど、中身が詰まっている」と言いました。

 

とうとう自分の個性を夫に認めさせたスザンヌ、ほんとすごい女性でした。

男がバカに見える作品。

女性必見です。

 


RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語

2011-01-17 09:34:08 | 映画ーDVD

RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語ー

2010年 日本

監督=錦織良成 中井貴一(筒井肇)高島礼子(筒井由紀子)本仮屋ユイカ(筒井倖)三浦貴大(宮田大吾)奈良岡朋子(筒井絹代)橋爪功(一畑電車社長 大沢悟郎)佐野史郎(一畑電車運輸営業部長 石川伸生)宮崎美子(絹代の介護士 森山亜紀子)遠藤憲一(京陽電気・工場長 川平吉樹)中本賢(肇の同級生 西田了)甲本雅裕(一畑電車運転手(指導係) 福島昇)渡辺哲(一畑電車車輌課長 高橋晴男)緒形幹太(一畑電車運転士 薮内正行)石井正則(一畑電車司令室 田窪利和)笑福亭松之助(絹代の同級生 長岡豊造)

 

【解説】

仕事に追われ、家族を省みることのなかった50歳目前の男が、ふと人生を振り返り、幼いころの夢を追い求め始める感動ストーリー。監督は『白い船』などで知られる島根出身の錦織良成。主人公の男を『亡国のイージス』の中井貴一、その妻を「天地人」の高島礼子、娘を『ドロップ』の本仮屋ユイカが演じている。一畑電車の走る島根の風土を描きながら、家族や仕事といった人生の普遍的なテーマを扱った深遠なストーリーが感動を呼ぶ。

 

【あらすじ】

大手家電メーカーで数々の実績を積み上げ、50歳を目前にしながら仕事に追われる日々を送る肇(中井貴一)。一人暮らしの母が倒れたのをきっかけに故郷へ戻った彼は、一畑電車の運転手になるという幼い頃の夢を思い出し、採用試験に応募してみる。そして、年齢のハンディーを乗り越えて試験に合格した肇は運転手となるが……

 

【感想】

去年、島根に旅行した時、島根出身のツアー企画者が「これが映画化された一畑電車の駅です」と案内してくれました。

その時から、見たかった映画、ようやく見ることができました。

 

肇(中井貴一)は大手家電メーカーでやり手として、ばりばり働いていた。

取締役に大抜擢という話の引き換えに、ひとつの工場閉鎖の知らせを現場に持って行った。

工場長は京陽電気・工場長、川平吉樹(遠藤憲一)は親友だった。

 

そんなときに、島根で行商をしている母(奈良岡朋子)が倒れたという知らせが。

あわてて帰ると、肇を追いかけるように、川平が交通事故で亡くなったと言う知らせが飛び込んできた。

 

揺れ動く気持ちでいる肇の前に、一畑電車が運転士を募集していることを知り、自分の幼い頃の夢が電車の運転手だったことを思い出した。

 

☆ネタバレ

憧れの運転士になった肇だが、ハーブティーの店を始めたばかりの妻(高島礼子)とは、別居生活となる。

就職を控えた一人娘(本仮屋ユイカ)にも影響を与えることとなった。

 

そんな一家の変化に加えて、同期で入社した運転士・宮田(三浦貴大)との関わりなどが軸になって、人々の人情が語られる秀作でした。

 

島根は、日本のふるさとの原点みたいな場所です。

その豊かな風景の中を走って行く電車。

とても郷愁が誘われる作品でした。

 

よかったですよ。

 

三浦貴大さんて、山口百恵さんの次男なんですって。

どうりで「素敵な新人さん」と思いました。

頑張って欲しいですね。

 


ウルトラ I LOVE YOU!

2011-01-17 09:31:52 | 映画ーDVD

ーウルトラ I LOVE YOU!ALL ABOUT STEVE

2009年 アメリカ

フィル・トレイル監督 サンドラ・ブロック(メアリー)ブラッドリー・クーパー(スティーブ)トーマス・ヘイデン・チャーチ(ハートマン)

 

【解説】

「あなたは私の婿になる」のサンドラ・ブロックが愛する男性にどこまでも猪突猛進のエキセントリック・ヒロインを怪演したドタバタ・ラブ・コメディ。共演は「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」のブラッドリー・クーパー。クロスワードパズル作家のヒロイン、メアリーは、ブラインドデートでニュースチャンネルのTVカメラマン、スティーブと出会い一目ぼれ。突然スイッチが入った彼女は、相手の気持ちなどお構いなしに猛烈アタック。スティーブをドン引きさせているとも気づかず、全米を飛び回る彼の仕事現場にストーカー顔負けの神出鬼没ぶりで現われるメアリーだったが。(allcinema ONLINE

 

【感想】

去年のアカデミー賞でサンドラ・ブロックは、「しあわせの隠れ場所」で主演女優賞を獲得したものの、この「ウルトラ I LOVE YOU!」では、その前日ラジー賞でワースト主演女優賞に選ばれ、W受賞ということになったことでも話題の映画です。

 

サンドラのアカデミー賞授賞式のスピーチはとても素晴らしかったですが、ラジー賞にもちゃんと出席してスピーチをして、「ちゃんと見てね」と言いながら、このDVDをみんなに配っていたのが印象的でした。

 

この映画のヒロイン・メアリー(サンドラ・ブロック)は、クロスワードパズル作家で、30代半ばだと言うのに、両親と同居している。

 

アメリカでは、こんなにも両親と同居していることが咎められる社会なんだなあ。

職場でも、友達からも変人扱い。

 

両親も心配してブラインドデートを企てた。

気乗りしないメアリーだったが、現れたのはテレビカメラマンのスティーブ(ブラッドリー・クーパー)。

メアリーは一目で気に入り、スティーブの気持ちも確かめないで惚れ込んで行く。

 

こうなるとほとんどストーカー。

スティーブが取材で訪れるところへ押しかけて行きます。

 

一途でクレージーな感じがサンドラにぴったり。

理想の人に出会えたんだから、逃してはならないという切ないまでの一途さが伝わってきました。

 

しかも、ラブコメにありがちなハッピーエンドではなく、メアリーのようにちょっと痛い系の人たちにも優しいまなざしがあって、私はいいエンディングだったと思いました。

 

この作品、サンドラにはラジー賞をもらったことも含めて、いい作品だったんじゃないかな?