goo blog サービス終了のお知らせ 

マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密

2015-04-11 09:48:31 | 映画ー劇場鑑賞

ーイミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密ーTHE IMITATION GAME

2014年 イギリス/アメリカ 115

 

モルテン・ティルドゥム監督 ベネディクト・カンバーバッチ (アラン・チューリング)キーラ・ナイトレイ (ジョーン・クラーク)マシュー・グード (ヒュー・アレグザンダー)ロリー・キニア (ロバート・ノック刑事)アレン・リーチ(ジョン・ケアンクロス)マシュー・ビアード(ピーター・ヒルトン)チャールズ・ダンス(デニストン中佐)マーク・ストロング(スチュアート・ミンギス)

 

【解説】

2次世界大戦時、ドイツの世界最強の暗号エニグマを解き明かした天才数学者アラン・チューリングの波乱の人生を描いた伝記ドラマ。劣勢だったイギリスの勝利に貢献し、その後コンピューターの概念を創造し「人工知能の父」と呼ばれた英雄にもかかわらず、戦後悲劇の運命をたどったチューリングを、ベネディクト・カンバーバッチが熱演する。監督は『ヘッドハンター』などのモルテン・ティルドゥム。キーラ・ナイトレイをはじめ、『イノセント・ガーデン』などのマシュー・グード、『裏切りのサーカス』などのマーク・ストロングら実力派が共演。

 

【あらすじ】

2次世界大戦下の1939年イギリス、若き天才数学者アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)はドイツ軍の暗号エニグマを解読するチームの一員となる。高慢で不器用な彼は暗号解読をゲーム感覚で捉え、仲間から孤立して作業に没頭していたが、やがて理解者が現れその目的は人命を救うことに変化していく。いつしか一丸となったチームは、思わぬきっかけでエニグマを解き明かすが……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

この作品は、いろんな問題提起を内包している作品でした。

見終わった後、しばらく考え込んでしまいました。

ただの戦争ものではありません。

みんなに見て欲しいな。

 

2次世界大戦下の1939年イギリス、若き天才数学者アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)が採用されたのは、イギリス軍の最高機密機関の、ドイツ軍が開発した暗号機械エニグマを解読するというチーム。

 

このチームにはポーランドから入手したというエニグマ本体が1台、置かれていた。

 

エニグマは午前4時にその日の命令が暗号として発信され、その日の午前0時に設定が解除され、また午前4時には新たな設定で暗号が発信されるというもの。

その日のうちに暗号を解読するのがこのチームの仕事。

各界から天才が集められていたが、チューリングは、機械に対抗できるのは機械だけだと、主張する。

 

直属の上司デニストン中佐からはクビを申し渡されるチューリングだったが、チャーチルに直訴。

一転して予算とリーダーの資格を勝ち取る。

 

クロスワードパズルのクイズ問題を新聞に出し、新たなメンバーを公募する。

その中にジョーン(キーラ・ナイトレイ)がいた。

 ジョーン

ジョーンは見事にクロスワードパズルを解き、採用となるが、そこには女性であると言うことで、さまざまな壁が立ちはだかっていた。

それでもチューリングはジョーンを必要と思い、事務所員として雇い入れた。

 

チューリングたちは解読機を完成させるが、処理能力が遅く、暗号文が長く、時間内に解読できない日々が続いた。

 

デニストン中佐は怒り、機械を潰そうとするが、チームが一丸となって阻止、期限付きで実験を続けることとなった。

 

☆ネタバレ

あるとき、ジョーンが思いついたことがヒントとなり、時間内に解読することに成功します。

しかし、ここからが試練の日々。

なぜなら、ドイツ軍にエニグマを解読したことがバレると、設定そのものから変えられてしまう危険があったからだ。

わかっていても、自国民を救えないジレンマに苦しみながら、敵に気づかれず効果的に敵の作戦を潰す方法が考えられ、連合軍勝利に結びついたとされています。

 

連合国側の勝利を何年か早め、死亡者を14万人減らしたという試算が出ているそうです。

 

謎解きがこの作品のテーマと思いきや、このアラン・チューリングと言う人物、とても興味深い人物だということに気が付きます。

 

幼いときから自分は人と違う、コミュニケーションが取れないと感じ、いじめられる日々だが、クリストファーというクラスメートがイジメから助けてくれ、暗号解読に興味を持つきっかけを作ってくれた。

愛を感じさせてくれていたのに、彼が病気で死んでしまった時、自分はゲイの感情が湧き出たことを隠すために、クリストファーなんか知らないと言った。

 

そして、自分の作った暗号解読機に付けた名前が「クリストファー」。

生涯の最後まで守り通したのもこの機械でした。

 

こんなコミュニケーションの取れない天才を補佐するのがジョーンと言う存在。

彼女もありあまる才能のために生きにくい思いをしていました。

 

 

もうひとりのキーマン、MI-6のミンギス(マーク・ストロング)。

この人もある意味戦略の天才ね。

この天才チームの中にロシアのスパイを紛れ込ませて、いろんな情報をリークさせるなんて、凄腕です。

チューリングは天才だけど、ミンギスにとったら子供みたいなもんですね。

 

人は軽々しく頭がいいとか、賢いとか言いますが、チューリングとミンギスなら、どっちが賢いのかな? 

 

戦争が終わってもこの事実は秘密にされ、チーム自体も無かったこととされた。

 

チューリングは、1952年ホモセクシュアルを理由に逮捕され、ホルモン治療を受け、1954年に自殺する。

 

2009年にイギリスの首相が、チューリングへの仕打ちを公式に謝罪しています。

そして、この事実が全世界の人に明らかにされたのです。

 

チューリングが開発した解読機こそ、現在のコンピュータの元祖。

やはり、戦争が人類の発展を加速させるのですね。

 

チューリングが自宅で死んでいるのを家政婦が発見したとき、ベッドのそばにかじりかけのリンゴが落ちていたそうです。

マッキントッシュ社の創始者、スティーヴ・ジョブズもチューリングを敬愛していたらしく、マッキントッシュ社のアップルマークはここから来ているそうですよ。

 

生きている間はこの上も無い不遇な人生、まるで日の当たらなかったチューリングという人物。

でも今は、彼のお陰で私みたいな末端の人間まで、コンビューター文明の恵みにあやかって暮しています。

 

この作品、なかなか奥が深いです。

カンバーバッチの力演も、素晴らしい!!

 

ぜひ見て下さい。

オススメ!

 



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ほんとに (ミーママ)
2015-04-11 12:52:43
素晴らしい業績を上げたというのに、功績が認められず、仕事とは関係ないことで罪人のままだったって、ひどいですよね。
ジョーンさんも、女性だったためにずいぶん苦労したようですね。
どちらも、そういう時代とは言いつつも、かわいそう~
彼のおかげで、今のこの便利な時代がやってきた、と考えると、彼を認めるまでの時間、あまりにも長かったな~って思います。
返信する
ミーママへ (マダムよう)
2015-04-12 10:00:54
あまりにも長いし、つい最近のことなのよね。
ずっとある権利みたいに思っているけど、先人は辛い思いで勝ち取ったものよね。
それを謳歌している私たち、自覚が足りないと思うわ。
せめて逆行させないように、努力したいねー。
私は軟弱であかんけど。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。