ーマネーボールーMONEYBALL
2011年 アメリカ
ベネット・ミラー監督 ブラッド・ピット(ビリー・ビーン)ジョナ・ヒル(ピーター・ブランド)フィリップ・シーモア・ホフマン(アート・ハウ監督)ロビン・ライト(シャロン)クリス・プラット(スコット・ハッテバーグ)ケリス・ドーシー(ケイシー・ビーン)スティーヴン・ビショップ[俳優](デヴィッド・ジャスティス)ニック・ポラッツォ(ジェレミー・ジアンビ)
【解説】
アメリカのプロ野球、メジャーリーグの貧乏球団を独自の理論で常勝球団に育て上げた実在の男の半生を、ブラッド・ピットが演じる感動的なヒューマンドラマ。球団のゼネラルマネージャーが独自の理論である「マネーボール理論」を推し進め、貧乏球団を常勝集団に生まれ変わらせていく過程を描く。監督を、『カポーティ』のベネット・ミラーが務め、『ソーシャル・ネットワーク』のアーロン・ソーキンが脚本を担当。ブラッドとフィリップ・シーモア・ホフマンやロビン・ライトなど実力派キャストによる演技合戦に期待。
【あらすじ】
元プロ野球選手で短気な性格のビリー・ビーン(ブラッド・ピット)は、アスレチックスのゼネラルマネージャーに就任する。チームはワールド・チャンピオンになるには程遠い状態で、優秀な選手は雇えない貧乏球団だった。あるとき、ピーター・ブランド(ジョナ・ヒル)というデータ分析にたけた人物との出会いをきっかけに、「マネーボール理論」を作り上げる。しかし、「マネーボール理論」に対し選手や監督からは反発を受けてしまい……。(シネマトゥデイ)
【感想】
日本では折しも巨人軍のお家騒動が世間を騒がせています。
ゼネラルマネージャー対親会社のドンという図式です。
始まりは大きなニュースでしたが、結局はうやむやに終わってしまうのではないかなあ?
何が問題か、よくわかりませんよね。
名前が挙がった人たちが大迷惑でしょう。
野球に関わる人たちは、ファンの皆さんによいパフォーマンスを見せることが一番のお仕事でしょう?
日本シリーズの最中に、ちょっと失礼な話でしたね。
しかも、日本シリーズは熱く盛り上がっています。
こうでなくっちゃね!!
ドラゴンズもホークスも頑張って!!
さて、この作品。
ワールドシリーズ一歩手前までは行くのに、ヤンキーズには勝てない、アスレチックスというチームのお話です。
なぜ勝てないか?
お金がなく、いい選手を育ててもオフにはよそのチームに取られてしまう。
オーナーは「お金がない。この予算で取れる選手で」と明快だ。
「じゃあ、誰を補強する?」スカウト会議では侃々諤々、帯びたすきの選手の値定めに会議も白熱する。
ゼネラルマネジャーのビリー・ビーン(ブラッド・ピット)は、それではワールドシリーズで優勝できるチームは作れないと苛立っていた。
選手獲得の交渉に行ったインディアンズで分析が専門のジョナ・ヒル(ピーター・ブランド)と運命的な出会いをする。
彼を引き抜き、「マネーボール理論」によるチーム作りを始め、反対する人間は容赦なく斬り捨てていった。
しかし、監督(フィリップ・シーモア・ホフマン)には理解されず、なかなか結果は出ない。
☆ネタバレ
ビリーは高校のときに、有名大学の奨学金を獲って進学を決めていたが、メッツのスカウトの目に留まり、猛烈な勧誘と破格の契約金に心を動かされて、プロ選手への道を選んだ。
しかし、結果を出すことができず、夢破れフロントに。
そしてその手腕を買われて、アスレチックスのゼネラルマネージャーの地位にまで上り詰めた。
がむしゃらに働いたせいで妻と愛する娘とも別れることになってしまった。
彼ののぞみは、娘を大学に行かせること。
そのためにもお金が必要だった。
でも、それだけではない。
彼は、自分が成し遂げられなかった野球界での成功を、違う形ででも成功させたかったのだと思いました。
自分も含めて、中途半端な選手たちに、夢は実現できるんだということを証明したかったのだと思いました。
だから、結果を出してオフシーズンに、ヤンキーズからオファーがあったときも清く断ってしまったのでしょう。
データ野球は、中途半端な選手たちが集まっている貧乏球団によって成し遂げられるべきだ、という信念みたいなものを感じました。
本人は「二度と金によって人生を左右されまいと心に決めたから」と語っています。
彼の、ワールドシリーズへの挑戦はまだ続いているようですね。
ブラピが落ち着いた演技で、観客の共感をうまく引き出していました。
野球好きには、普段見られないスタジアムの裏側や選手の素顔、裏方の話も面白かったです。