ー猿の惑星創世記ジェネシスーRISE OF THE PLANET OF THE APES
2011年 アメリカ
ルパート・ワイアット監督 ジェームズ・フランコ(ウィル・ロッドマン)フリーダ・ピント(キャロライン)ジョン・リスゴー(チャールズ・ロッドマン)
【解説】
人間が高度な知能を持つ猿に支配される前代未聞の世界観と、衝撃的なラストシーンで話題となった『猿の惑星』の前日譚(たん)をひもとく話題作。現代のサンフランシスコを舞台に、1匹の猿の突然変異的な進化と自由を求める戦いが人類にとって脅威になっていく様が描かれる。『127時間』のジェームズ・フランコ、『スラムドッグ$ミリオネア』のフリーダ・ピントらが出演。『アバター』のWETAデジタルによる革新的なCGIにも注目だ。
【あらすじ】
現代のサンフランシスコ。高い知能を持つ猿のシーザーは人類に裏切られ、自分の仲間である猿を率い、自由のために人類との戦いに向けて立ち上がることに。人類のごう慢さが、猿の知能を発達させてしまう要因となり、人類にとって最大の危機を巻き起こしていく。(シネマトゥデイ)
【感想】
義弟がすごい「猿の惑星シリーズ」ファンらしいのですが、私はあの大ヒットした第1作目、チャールストン・ヘストン主演の「猿の惑星」とティム・バートン版を見ただけです。
この作品は、第1作目「猿の惑星」へとつながる起源に当たる物語だそうです。
チャールストン・ヘストン主演の「猿の惑星」のラストの衝撃は、いまだに鮮明に甦ってきます。
記憶に残る映画でした。
人間を支配していた猿たちは、当時は驚くほど巧妙な特殊メークで、その印象も強かったです。
この作品では、パフォーマンス・キャプチャーという手法で制作されていて、「ロード・オブ・ザ・リング」のゴラム役や「キングコング」でこの演技者としては第一人者のアンディ・サーキスが主役のシーザーを演じています。
セリフがほとんどなく、シーザーの目の演技で物語が進んで行くところが、この作品の見所です。
製薬会社で新薬の開発に当たっていたウィル(ジェームズ・フランコ)は、自分の父親(ジョン・リスゴー)のアルツハイマーの新薬としてある薬の開発のために、チンパンジーを使って治験をしていた。
その中の1匹に効果が現れた。
理事会で承認を得るための会議に出ていたとき、そのチンパンジーが暴れて撃ち殺された。
そのチンパンジーには生まれたばかりの子供がいた。
この事件で新薬は失敗。
実験用の猿は始末するようにと社長から命令を受けたが、ウィルは赤ん坊の猿を自宅に持ち帰り、シーザーと名付けて密かに飼育した。
そして、その治験薬を自分の父親に試したのだ。
結果は目覚ましい回復をもたらした。
また、シーザーの知的な成長も目を見張るものがあった。
獣医のキャロライン(フリーダ・ピント)と知り合い、恋人どうしになった。
順調に過ぎた8年間だったが、父の病気は薬が効かなくなり悪化、シーザーも自我の芽生えが始まっていた。
☆ネタバレ
痴ほうの症状で隣家の主人とトラブルになったお父さんを守ろうと、シーザーが隣家の主人を噛んでしまった。
動物保護団体に引き取られたシーザーだったが、劣悪な環境と飼育に当たっていたランドン親子(ブライアン・コックスとトム・フェルトン)の虐待にも耐えなければならなかった。
シーザーは知恵を駆使して群れのリーダーとなり、ウィルの家の冷蔵庫から治療薬を盗み出し、チンバンジーたちにその薬を使い、知能を高めていた。
そしてある日、飼育係のドッジ・ランドンを死に至らしめ、檻から逃げだした。
ウィルは、父親の病状の悪化を止めるため、さらに強力な治験を行った。
しかし、この治験により、この薬は健康な人間には致命的な感染症をもたらす薬だった。
危険を予想してウィルが実験を止めようとしても、会社側は儲かる薬としてその作業を進めようとしていた。
そこへ、シーザーたちがなだれ込んで来た。
実験用のチンパンジーを解放し、動物園の猿たちを解放し、ゴールデンブリッジを渡ろうとしたところで、警官隊と衝突した。
しかし彼らは、犠牲を払いながらも橋を渡り切り、自然公園の森の中へと消えて行った。
ウィルや父親とシーザーのふれあいは本当に心温まるものでしたが、全体にとても淡白でさらさらっと終わってしまいました。
人間との全面戦争と宣伝されているシーンでも、私には淡白に感じられました。
ジェームズ・フランコも「127時間」とは違って、印象が薄いと思いました。
ラストのシーザーとの別れも、なんかあっさりしていたなあ。
彼が、よくも悪くも原因と結果を作ったんだから、もう少しなんかあっても良かったんじゃないかなあと思いました。
ドッジ役のトム・フェルトン。
ドラコ・マルフォイ以来の悪役が、気持ちよく決まっていました。