マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

ラビット・ホール

2011-11-12 16:04:55 | 映画ー劇場鑑賞

 

ーラビット・ホールーRABBIT HOLE

2010年 アメリカ

ジョン・キャメロン・ミッチェル監督  ニコール・キッドマン(ベッカ・コーベット)アーロン・エッカート(ハウイー・コーベット)ダイアン・ウィースト(ナット)タミー・ブランチャード(イジー)マイルズ・テラー(ジェイソン)ジャンカルロ・エスポジート(オーギー)ジョン・テニー(リック)パトリシア・カレンバー(ペグ)ジュリー・ローレン(デビー)サンドラ・オー(ギャビー)

 

【解説】

わが子の命を奪った少年との交流を通して悲しみを乗り越えようとする母親を、ニコール・キッドマンが演じる感動の人間ドラマ。ピューリッツァー賞受賞の戯曲を基に劇作家のデヴィッド・リンゼイ=アベアー自身が脚本を手掛け、『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』のジョン・キャメロン・ミッチェル監督が映画化。共演は、『サンキュー・スモーキング』のアーロン・エッカート、『ハンナとその姉妹』のダイアン・ウィースト。絶望の中でも前向きに生きようとする女性を体現したニコールの繊細な演技に魅了される。

 

【あらすじ】

郊外に暮らすベッカ(ニコール・キッドマン)とハウィー(アーロン・エッカート)夫妻は、愛する息子を交通事故で失った悲しみから立ち直れず、夫婦の関係もぎこちなくなっていた。そんなある日、ベッカは息子の命を奪ったティーンエイジャーの少年と遭遇し、たびたび会うようになる。

(シネマトゥデイ)

 

【感想】

鑑賞予定にはなかったのですが、タイミングよく見られたので鑑賞しました。

 

子供を亡くした夫婦の話とか、ニコール・キッドマンの固い表情とか、あまり気は進まなかったけど、とてもいい映画でした。

久しぶりに泣きました。

 

郊外のステキな家に暮らすベッカ(ニコール・キッドマン)とハウィー(アーロン・エッカート)の夫婦。

庭いじりをするベッカに隣の奥さんがディナーに誘う。

やんわり断るベッカ。

この夫婦は、8ヶ月前に3歳の息子を亡くしていた。

犬を追いかけて門を飛び出して、ティーンエージャーが運転する車にはねられ死んだのだ。

 

同じ親でも悲しみの癒し方は違う。

ベッカは息子の遺したものを片付け目の前からなくそうとする。

ハウィーはスマートフォンで撮った息子のビデオを繰り返し見ていた。

 

子供を亡くした会も、ハウィーには慰めなのに、ベッカには偽善に思えて耐えられない。

 

ベッカの妹のイギーが妊娠した。

息子の服を洗濯して実家に持って行くベッカ。

「服代もバカにならないわよ」と高飛車に言うが、イギーに「まだ早いし、男の子だとは限らないし、ダニーの服を着て走り回っているのを見たくないわ」と言われてしまう。

本当にそうだ。

ダニーの服を着た子供が走り回るのを見るのは耐えられないだろう。

 

ベッカが落ち込んで帰る道、運転中の車から、スクールバスに乗っている加害者のジェイソン(マイルズ・テラー)をみつける。

あとを付けて行き、図書館まで付ける。

ジェイソンの返した「並行宇宙」を借りて帰り読み始める。

 

ベッカはまたジェイソンの家の近くまで行き、ジェイソンに声をかけられる。

二人はときどき公園で会うようになり、ベッカはそれが日課となった。

ベッカが「並行宇宙」を読んでいるというと、ジェイソンはその本から発想を得てコミックを書いているという。

タイトルが「ラビット・ホール」。

完成したら読ませると約束した。

 

ジェイソン(左)とベッカ

 

ハウィーは、子供を亡くした親の会で知り合ったギャビー(サンドラ・オー)と接近していき、心にぽっかりあいた穴を埋めようとしていた。

 

☆ネタバレ

ベッカは、息子の思い出に溢れた家にいるのが辛くてたまらないので、家を売ることをハウィーに提案するが、ハウィーは受け入れられない。

その上、ベッカの操作ミスでスマートフォンの映像まで消えてしまい、二人は口論する。

 

しかし、ハウィーは折れて家を売ることにし、その代わりにベッカの実家に預けられていた犬を取り戻す。

 

そこへ、できあがったコミックを持ってジェイソンが自宅にやってきた。

ジェイソンを見て激怒するハウィー。

自分に内緒で会っていたベッカにも怒る。

自分を押さえられない。

 

ハウィーは会に出かけると嘘をついてギャビーに会いに行く。

ベッカもジェイソンにコミックを返しに出かけた。

 

ジェイソンは卒業式に行くところだった。

それを車の中からかいま見たベッカは声を上げて泣いた。

泣きつかれて眠り、起きたときにジェイソンが心配そうにのぞいていた。

 

二人は公園に行き、パラレルワールドの話をする。

宇宙には自分によく似た人がいて、今は悲劇のバージョンだけど、幸せのバージョンの自分もいる。

そうかもしれないと、ベッカは思う。

 

ギャビーとの逢瀬を思いとどまって戻って来たハウィーに、ベッカはバーベキューパーティを提案する。

この8ヶ月、声もかけて来ない親友夫婦にもこちらから声をかけて、子供も一緒に来てもらい、誕生日プレゼントも渡して、妹とその恋人や母も呼んで、誰かがダニーのことを話題にするまで待とう。

 

みんなが帰ったそのあとは…。

 

涙。

これは、私の涙です。

二人はそっと手を握り合って、日が暮れていくのを見ていました。

 

でも、そうやってこの夫婦は悲しみを乗り越えていくのだろうなあと思いました。

都合の良い奇跡なんて起こらないもの。

 

ベッカの母親役のダイアン・ウィーストがいいよ。

自分も息子を亡くしているの。

ベッカの兄なんだけど、30歳も過ぎていて、麻薬中毒で、ベッカには「兄と同列に論じないで」ってきつく言われるんだけど、子供を亡くした親の心は同じなんだよって。

ベッカのこともすごく愛しているのがわかる、母の愛を感じました。

 

ダイアン・ウィースト

 

ベッカは、たぶん下町に育って、上昇志向の強い女性だったのでしょうね。

エリートの夫と郊外の豪邸、そしてかわいい息子と、欲しいものはなんでも手に入れてきたのでしょう。

絵に書いたような幸せ。

 

それがある日突然、最愛の息子の死という形で悲劇に見舞われるのです。

認めることができない不幸のどん底。

不思議の国のアリスのウサギの穴に落ちたような気持ちでしょう。

それを「これは悲劇のバージョン、パラレルワールドには幸せなバージョンもある」と思い至るのです。

悲しい思いだけど、そんなところからでも、人は生きていかなければならないんだなあ。

 

ニコールが、勝ち気で上昇志向の高いベッカを等身大で演じていて、とても好感が持てました。

 

監督は「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」のジョン・キャメロン・ミッチェル。

私は、「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」も「ショートバス」も大好きです。

この作品とは全然おもむきが違うので、とっても驚きだけど、才能があるんですね。

すごい!!

 

 


アウェィク

2011-11-12 15:13:13 | 映画ーDVD

ーアウェィクーAWAKE

2007年 アメリカ

ジョビー・ハロルド監督 ヘイデン・クリステンセン(クレイトン・ベレスフォード・Jr)ジェシカ・アルバ(サマンサ・ロックウッド)テレンス・ハワード(ジャック・ハーバー医師)レナ・オリン(リリス・ベレスフォード)

 

【解説】

実際の医療現場でも起きることのあるアネセシア・アウェアネス(術中覚醒)をモチーフに、全身麻酔の手術中に意識を取り戻してしまった青年の恐怖を描くサスペンス・スリラー。意識はあるが麻酔で体の自由が利かず、激痛の中で衝撃の事実を知る主人公を、『スター・ウォーズ』シリーズのヘイデン・クリステンセンが熱演。彼の恋人に『アイズ』のジェシカ・アルバがふんするほか、『アイアンマン』のテレンス・ハワード、『愛を読むひと』のレナ・オリンら実力派が共演する。

 

【あらすじ】

富豪の青年クレイトン(ヘイデン・クリステンセン)は何不自由なく暮らしていたが、心臓疾患を抱え移植手術が必要だった。ある日、ドナーの見つかった彼は愛する秘書サム(ジェシカ・アルバ)と2人だけで結婚式を挙げ、満ち足りた気分で手術室へ向かう。しかし、全身麻酔から意識が目覚める術中覚醒に陥り、手術の激痛を味わうとともに驚くべき事実を知ってしまう。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

>実際の医療現場でも起きることのあるアネセシア・アウェアネス(術中覚醒)(上記解説より)

 

ええっ?実際の医療現場でも起きるんですか?

こわーっ!!

 

心臓移植しか生きる道はないと宣告された富豪の青年クレイ(ヘイデン・クリステンセン)。

母(レナ・オリン)の目を盗んで秘書のサム(ジェシカ・アルバ)と熱愛中です。

 

心臓発作で運び込まれた病院の主治医ジャックの執刀で心臓移植を受ける決心をしていた。

 

母は権威のある医者を連れてきて、彼に執刀してもらうようクレイを説得するが、聞かない。

 

ドナーが見つかり、クレイとサムは二人だけで結婚式を挙げる。

そして、手術室へ。

手術が始まったのに、クレイは覚醒したまま。

全身はマヒしているのに、意識もあるし痛みも感じる。

 

このまま開胸手術が始まるのかー!!

 

☆ネタバレ

これはサスペンススリラーなので、鑑賞予定のある人は絶対読まないでくださいね。

 

開胸の恐怖に怯えているクレイの耳に信じられない陰謀の話が飛び込んできた。

ジャックが自分を殺そうとしている。

 

友達だったのに、なぜ!?

 

幽体離脱して真実を探ると、そこには医療裁判で破滅しそうなチームの実態があった。

そして、そのチームにはサムもいたのだ。

 

最後は母は強しという感じの終わり方ですが、それを演じているレナ・オリン。

相変わらずきれいでセクシー、説得力のある母親を演じていました。

 

すごく怖いテーマだけど、陰謀は暴かれてクレイも生き伸びるので、後味は悪くない映画でした。

 


かぞくはじめました

2011-11-12 14:45:57 | 映画ーDVD

ーかぞくはじめましたーLIFE AS WE KNOW IT

2010年 アメリカ

グレッグ・バーランティ監督 キャサリン・ハイグル(ホリー・ベレンソン)ジョシュ・デュアメル(エリック・メッサー)ジョシュ・ルーカス(サム)クリスティナ・ヘンドリックス(アリソン・ノヴァク)メリッサ・マッカーシー(ディーディー)ヘイズ・マッカーサー(ピーター)

 

【解説】

デートが大失敗に終わった上昇志向が強い男女が、ひょんなことから親友の娘を交えて共同生活を送るハメになるラブ・コメディー。テレビ界で活躍するグレッグ・バーランティが監督を務め、個人的な不仲の感情と仕事の予定を調整しながら、まるで本当の家族のように暮らし始める男女の姿をコミカルに描く。男女を演じる『男と女の不都合な真実』のキャサリン・ハイグル、『トランスフォーマー』のジョシュ・デュアメルの奮闘に注目。

 

【あらすじ】

レストラン経営で成功したいホリー(キャサリン・ハイグル)と、スポーツ番組のディレクターを目指すエリック(ジョシュ・デュアメル)。二人はデートをするも悲惨な結果に終わるが、突然の悲劇によって彼らが名付け親になった親友の娘ソフィーを預かることに。キャリア志向が強い彼らは仕事の予定を調整しながら、不本意な共同生活を送るが……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

いまやラブコメの女王となったキャサリン・ハイグル。

この作品も、彼女の魅力がいっぱいでした。

すごい美人とも思わないのに、このチャーミングさはどこからきているのかなあ?

 

お互いの親友が紹介しあったホリー(キャサリン・ハイグル)と、メッサー(ジョシュ・デュアメル)。

最初のデートが最悪で、親友たちが結婚して、幸せな家庭を築いていても、仲が悪いままでした。

そして、親友夫婦に子供ソフィーが産まれ、その名付け親となりました。

 

ところが、親友夫婦は事故死。

遺言で二人がソフィーの後見人に指定されました。

もちろん断ることもできましたが、ホリーとメッサーはその家でソフィーを育てることに。

 

ホリーはベーカリーの経営が順調で、念願のレストランオープンにも手が届きそうなところまで来ていました。

一方メッサーは、スポーツディレクターを目指してまだ修行中の身。

つまり経済力にも差があり、考え方も違っていて、折り合いを付けるのが大変ですが、子育ては待ってはくれません。

カレンダーでスケジュールを調整して時間をやりくりします。

 

二人が子育てに奮闘する姿は微笑ましく、うちの長男夫婦に重ねて楽しく見ました。

 

でも、メッサーのプレイボーイぶりは相変わらずで、ホリーのキャリアウーマンとしてのプライドも高いまま。

ホリーにはいいボーイフレンドもできたようです。

 

でも、ソフィーの成長は待ったなし。

はいはいし、よちよち歩きを始め、とうとう可愛い言葉まで言うようになります。

ホリーもメッサーもすっかりパパ、ママ気分。

ソフィーへの愛がお互いへの愛に変わり、二人は盛り上がって、このままうまくいくのかなあと思った矢先、メッサーに栄転の話が。

 

さあ、「かぞく」をとるのか「仕事」をとるのか。

二人の出した結論とは…?

 

子育てはほんとうに大変だけど、それを補ってあまりある可愛さ。

若い人にこの映画を見てもらって、子育てや家族のあり方を見直してもらって、頭で考えるより、ステキな家族を作ってみようと思ってもらいたいなあ。