マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

マイレージ、マイライフ

2010-03-27 08:35:10 | 映画ー劇場鑑賞
ーマイレージ、マイライフーUP IN THE AIR
2009年 アメリカ
ジェイソン・ライトマン監督 ジョージ・クルーニー(ライアン・ビンガム)ヴェラ・ファーミガ(アレックス・ゴーラン)アナ・ケンドリック(ナタリー・キーナー)ジェイソン・ベイトマン(クレイグ・グレゴリー)ダニー・マクブライド[俳優](ジム・ミラー)メラニー・リンスキー(ジュリー・ビンガム)エイミー・モートン(カーラ・ビンガム)サム・エリオット(フィンチ機長)J・K・シモンズ(ボブ)

【解説】
『JUNO/ジュノ』でその才能を高く評価されたジェイソン・ライトマン監督がジョージ・クルーニーを主演に迎えて描く人間ドラマ。『サムサッカー』の原作者でもあるウォルター・キルンの同名小説を基にリストラ担当として全国を駆け巡る男の、一見身軽そうだが実はそうでもない人生を軽快なテンポで見せる。ジョージ・クルーニーのペーソスにあふれた演技も見逃せないが、モザイクのようにさまざまな現代のキーワードが散りばめられた登場人物の生き方に共感を覚える。

【あらすじ】
仕事で年間322日も出張するライアン(ジョージ・クルーニー)の目標は、航空会社のマイレージを1000万マイル貯めること。彼の人生哲学は、バックパックに入らない荷物はいっさい背負わないこと。ある日、ライアンは自分と同じように出張で各地を飛び回っているアレックス(ヴェラ・ファーミガ)と出会い、意気投合するが……。(シネマトゥデイ)

【感想】
あまり盛り上がらないストーリーでした。
これが、アカデミー賞ノミネートかなあ、と思うほど地味な作品でした。

いつもは威勢のいいジョージ・クルーニーが、人との関わりをさけて、出張してマイレージを貯めることを生き甲斐に出張に励んでいる男を演じていました。

彼の名前はライアン・ビンガム。
同僚に首を宣言しにくい会社に成り代わって、契約解除を通告する、いわば働く人に取っては死刑執行人です。

冷徹な仕事をこなす彼には、10000万マイルのマイレージを貯めて、機長と話をするという夢がありました。
月旅行をした人より少ない人間。
この夢って、大きいのかな?小さいのかな?

☆ネタバレ
その夢を打ち砕く人間が現れました。
ナタリー・キーナー(アナ・ケンドリック)という、新人社員です。
彼女は大学を首席で卒業した優等生ですが、彼を追って地方都市に来て、就職したというわけです。

その彼女の提案は、「出張しなくても、ネットで通告すればいいでしょ?マニュアル通りにやればいいんです」と言い、上司も乗り気です。
そうなれば、出張を生き甲斐としているライアンは、マイレージを貯める夢もなくなります。

でも、ともかく、ナタリーはライアンに付いて研修することになりました。

ライアンには、出張先で出会ったアレックス(ヴェラ・ファーミガ)という割り切った関係の女性がいました。
ナタリーと一緒に出張をこなしながら、行く先々でアレックスと会ううちに、ライアンの心の中にある変化が現れました。

ライアンの閉じていた心の扉が少し開いたようなのです。

アレックスとともに妹の結婚式に出て、家族に嫌みを言われながらも楽しい時間を過ごして、自分の居場所に付いて、少しは考える気持ちになりました。

でも、アレックスには現実の生活があったのですー。

ライアンは、念願の1000万マイル突破で、機長と話ができますが、心は思っていたほどうれしくはありません。
機長に「家は?」と聞かれ、「ここです」と答えるライアンなのでした。

この映画の描いている世界は、すごく殺伐としたものでした。
契約解除を宣告する仕事をしている人は、死刑執行人に似て、孤独な人生を強いられるのでしょうか?

ライアンの心象風景は、冬景色のように彩りのないものでしょう。
ライアンの、殺風景なアパートが彼の内面を物語っていたような気がしました。

でも、自分を守り、傷つかないようにするためには、人間観関係をできるだけ少なく、浅くするのが一番でしょう。
そう考えると、日本の若い人たちにも、そういう人が増えているなあという感じがしました。

家族との関係が薄れて行く中で、どうやって他人と触れ合って、心豊かな人生を送るか、大きな課題ですね。