マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

禅~ZEN~

2009-01-26 11:15:45 | 映画ー劇場鑑賞
禅~ZEN~
2008年 日本
監督=高橋伴明 キャスト=中村勘太郎[2代目](道元)内田有紀(おりん)藤原竜也(北条時頼)テイ龍進(寂円・源公暁)高良健吾(俊了)安居剣一郎(義介)村上淳(懐奘)勝村政信(波多野義重)鄭天庸(如浄)西村雅彦(浙翁)菅田俊(公仁)哀川翔(松蔵)笹野高史(老僧)高橋惠子(伊子)

【解説】
曹洞宗を開き禅の教えを説いた鎌倉時代の僧、道元禅師の生涯を描く歴史ロマン。歌舞伎俳優の中村勘太郎が、道元の生きざまをりんとした姿で演じる。原作は大谷哲夫の「永平の風 道元の生涯」、監督は『丘を越えて』の高橋伴明。ヒロインのおりんに内田有紀がふんするほか、藤原竜也や笹野高史、高橋惠子といった脇を固める俳優陣も豪華。生や死を深く考えさせられるのはもちろん、道元の魅力的な人柄や風光明美な自然をとらえた娯楽作品としても楽しめる。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
「只管打坐(しかんたざ)」の考えに目覚め、大宋国での修行より帰国した道元禅師(中村勘太郎)。勢力入り乱れる鎌倉時代、道元は禅の教えを広めようとしていた。困窮する人々にも権力者にもわけ隔てなく、出会った人々に真の教えを説いていく。(シネマトゥデイ)

【感想】
高橋伴明監督といえば、社会派やハードな作品を想像しますが、この作品は禅をテーマにしながらも、生き生きと生きている道元を通じて、人生を語るような解りやすい作品に仕上がっていました。
ヒットしていることが納得できました。


それも、ひとえに道元を演じる中村勘太郎の役者としての力量に負うところが大きいと思いました。
歌舞伎役者の花と技量で、ぶれることなく道元を体現していました。
幾度となく、苦しむ人の心に寄り添い、涙するシーンはとても美しいものでした。

時は鎌倉時代、政変もあり、権力の中にいる人も、貧しさに喘ぐ庶民も、心の寄りどころを求めている時代でした。
既成の宗教は保身に走り、争いばかり繰り返して民衆の苦しみを見ていない状態。
現代にも通じる混乱の時代でした。

幼くして母を亡くした道元は、人はなぜ死ぬのか、死んだら魂はどこに行くのかという大きな問いを抱えます。
「母は、死にたくない、そなたと一緒にいるここが浄土だ」と言いながら、母は死んでいったのでした。

宋に渡り、数々のお寺を訪ねますが、道元の問いに答えてくれる高僧は見当たりません。
もう、会えないのか、と諦めかけた時に、天童如浄禅師と出会い、座禅を組み、「只管打坐(しかんたざ)」を体得して大悟を得ます。

ここが一番難しい表現ですが、CGを使ってあっさりと表現していました。

その後、日本に帰った道元は、少ない弟子、貧しい暮らしの中で、人々に禅の教えを仏教の正法として解いていきます。
己の中に仏を見ると言う、厳しい修行をともなう教えであっても、弟子や信者を増やしていきます。
面白く思わないのが、多宗派の僧で、僧兵が来て道元の寺を焼き討ちしてしまいます。

そこで、波多野義重(勝村政信)が自分の領地へ招いてできたのが永平寺です。
今も、修行の寺として、現役ですね。すごい。


戦争の後遺症に苦しむ時の権力者北条時頼(藤原竜也)に対峙する道元は、まさに信念の人でした。
命を賭けたその説法は、病んだ時頼の心も動かします。
「春は花、夏ほととぎす、秋は月、冬雪さえてすずしかりけり」
あるがままを受け入れよ、という道元の教えでした。


おりん(内田有紀)とのエピソードは、「ジーザスクライストスーパースター」のマリアとのやりとりにも似ていました。

道元と弟子との別れ、道元と言えども、いい人間関係を構築できた結果なんだなあ、としみじみ感じました。
人は、一人では生きていけない、禅の極みを極めた人でも…。

全体的にベタなんだけど、真摯に本質を語るやり方に好感が持てる、いい作品でした。

マンマ・ミーア!

2009-01-26 11:06:50 | 映画ー劇場鑑賞
ーマンマ・ミーア!ーMAMMA MIA!
2008年 イギリス/アメリカ 
フィリダ・ロイド監督 メリル・ストリープ(ドナ)ジュリー・ウォルターズ(ロージー)ステラン・スカルスガルド(ビル)コリン・ファース(ハリー)ドミニク・クーパー(スカイ)ピアース・ブロスナン(サム)アマンダ・セイフライド(ソフィ)クリスティーン・バランスキー(ターニャ)

【解説】
全世界170都市以上で上演され、空前の大ヒットを記録した同名ミュージカルを映画化。ギリシャの小島を舞台に、20歳の花嫁ソフィの結婚式前日から当日までの物語が、伝説のポップグループ、ABBAの大ヒットナンバーに乗せてつづられる。監督は舞台版の演出を手掛けたフィリダ・ロイド。主人公ソフィを「ヴェロニカ・マーズ」のアマンダ・セイフライド、その母を名女優メリル・ストリープが演じる。豪華キャストの素晴らしい歌声に注目(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
エーゲ海に浮かぶギリシャの小島で、シングルマザーの母ドナ(メリル・ストリープ)に育てられたソフィ(アマンダ・セイフライド)。彼女のひそかな願いは、まだ見ぬ父親とバージンロードを歩くこと。結婚式を控え、父親探しをすることに決めたソフィは、内緒でドナの日記を読み、父親の可能性のある昔の恋人3人に招待状を出す。(シネマトゥデイ)

【感想】
友達に誘ってもらって、試写会に行ってきました。

日本では、劇団四季がロングラン公演をしていますが、世界中で大ヒットしたミュージカルの映画化です。
私も、1度見たことがあります。

舞台には客席と一緒に盛り上がれる、というよさがありますが、映画には、そのロケーションを楽しむという楽しみがありました。
ギリシャの小さな島でリゾートホテルを経営するドナ(メリル・ストリープ)が主人公です。

抜けるような青空、白い雲、深い碧をたたえた海、そこにやってくる一艘のヨット。
白い帆が一層ロマンチックです。
そして、ドナの一人娘ソフィ(アマンダ・セイフライド)が結婚式を挙げる教会は、尖った山の上にありました。

舞台では味わえない、壮大な自然がこの映画の魅力でした。

時代背景は、1990年頃でしょうね、1970年代に青春を送ったドナ。
世界を放浪し、あるときは女性コーラスグループのリーダとして人気もあったようです。

そして、ギリシャで恋に落ちた。
その恋人の名は、サム(ピアース・ブロスナン)。
身も心も許したのに、サムには婚約者がいた。
傷ついたドナは、ハリー(コリン・ファース)とビル(ステラン・スカルスガルド)とも関係を持ってしまった!!

その二人からもドナは身を隠し、この小島でソフィを出産、その後一人でソフィを育ててきた。
その一人娘が20歳でスカイ(ドミニク・クーパー)と結婚すると言い出した。
娘の幸せを願いながらも、世の中に出ていろんな経験をして欲しいと思う母。


そんな母の心を知ってか知らずか、ソフィは母の古い日記をみつけ、三人のパパ候補に結婚式の招待状を出したのです。


いまや、社会の重鎮となっている三人。
ドナからの正体と思い込み、島にやってきました。

物語は、ここから2日間の大騒動を、ABBAのヒット曲に乗せて、繰り広げていきます。
島の人たちが総動員で、歌って踊る、とても楽しい作品。

メリル・ストリープの歌唱力は「今宵フィッツジェラルド劇場で」で証明済み。
でも、ちょっと年を取り過ぎかなあ?
そんなことはない、あのはしゃぎっぷり、踊りっぷりは、大女優を越えていました。

ピアース・ブロスナンは、歌はうまいとは言えないけど、うまくないところに誠実を感じて、説得力がありました。

コリン・ファース、ステラン・スカルスガルドは、うまい。
作品のいいスパイスでした。

 ドナ(中央)と友達のロージー(左)とターニャ
ロージー役のジュリー・ウォルターズ、「ハリー・ポッター」シリーズでは、ロンのママ。
変われば変わるものです。びっくり!!

母の心、娘の心、それを支える友人たちの気持ちが温かく、見終わった後、「よーし、がんばろう」って、元気の出る作品でした。