ーレボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまでーREVOLUTIONARY ROAD
2008年 アメリカ/イギリス サム・メンデス監督 リチャード・イェーツ原作
レオナルド・ディカプリオ(フランク・ウィーラー)ケイト・ウィンスレット(エイプリル・ウィーラー)キャシー・ベイツ(ヘレン・ギヴィングス夫人)マイケル・シャノン[俳優](ジョン・ギヴィングス)キャスリン・ハーン(ミリー・キャンベル)デヴィッド・ハーバー(シェップ・キャンベル)ゾーイ・カザン(モーリーン・グラブ)ディラン・ベイカー(ジャック・オードウェイ)ジェイ・O・サンダース(バート・ポラック)リチャード・イーストン(ギヴィングス氏)マックス・ベイカー(ヴィンス・ラスロップ)マックス・カセラ(エド・スモール)ライアン・シンプキンス(ジェニファー・ウィーラー)タイ・シンプキンス(マイケル・ウィーラー)キース・レディン(テッド・バンディ)
【解説】
1950年代半ばのアメリカの郊外の街で、夢と希望に人生を懸けようとする若い夫婦の葛藤(かっとう)と運命を描く感動作。作家リチャード・イェーツの小説を原作に、『アメリカン・ビューティー』のアカデミー賞受賞監督サム・メンデスが映像化。『タイタニック』のレオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットが11年ぶりに共演を果たし、輝かしい未来を夢見る夫婦を好演。自己実現の夢と家族の愛の間で揺れ動く、切なく深いドラマに注目。(シネマトゥデイ)
【あらすじ】
1950年代半ばの富裕層が集まるコネチカット州の郊外で、フランク(レオナルド・ディカプリオ)とエイプリル(ケイト・ウィンスレット)の夫婦は二人の子どもに恵まれ、幸せに暮らしていた。しかし、彼らはそれぞれが抱いているヨーロッパでの成功と女優になるという夢の実現のため、人生で大きな賭けに出ることを決意する。(シネマトゥデイ)
【感想】
ケイトとレオ、「タイタニック」のゴールデンコンビ復活。
批判する人もいるけど、私は「タイタニック」の純愛物語、大好きです。
この作品は、純愛の成れの果て、結婚生活の絶望を描いたドラマです。
1950年代、まだアメリカでも離婚が一般的ではなかった時代のお話。
郊外の一軒家に住む、フランク(レオナルド・ディカプリオ)とエイプリル(ケイト・ウィンスレット)は二人の子供にも恵まれて、幸せに暮らしていた。
家族思いの夫、完璧に家事をこなす妻。
一般的には、これを理想の家庭ーというのですが。
☆ネタバレ
結婚前、女優志願だったエイプリルは、地元の劇団に入っているが、ある夜の公演は大失敗だった。
フランクはケイトのご機嫌を取ろうとするが、エイプリルはそういうフランクの態度さえ我慢できない。
そして、最初のバトル。
機嫌を直そうとしない妻に、フランクはキレる。
フランクは平凡なサラリーマン。
日々繰り返される仕事にも、日常にも虚しい気持ちを持っている。
家庭や職場の鬱憤ばらしに、職場の女性と浮気をしている。
後腐れのない関係。
ある日、帰宅するとエイプリルが彼の誕生日を祝い、フランクが単純に喜んでいると、新しい提案があった。
「パリへ行きましょう。私が働くから、あなたは自由に自分にあった仕事を見つけて欲しい、あなたなら、見つかるはずよ」。
エイプリルのご機嫌を取るため、この提案に同意するフランク。
同僚たちは、現実味のない夢にすぎないと批判するが、地元の不動産屋のヘレン・ギヴィングス夫人(キャシー・ベイツ)の一人息子ジョン(マイケル・シャノン)は、心底感心し、深く賛同した様子。
ジョンは、数学者でとても優秀な人なのに、精神を病んで、入退院を繰り返していた。
エイプリルの妊娠がわかり、中絶もできないとなって、夢の計画はおじゃんになる。
そのころフランクは実力を認められ転職。
人から評価されたことで、この計画が崩れたことも、ちょっと嬉しい気持ちになっていた。
反対にエイプリルは人生に深く絶望していました。
エイプリルは、自分たちは特別な人間だと信じていたのです。
でも、自分たちも平凡な人間に過ぎなかったー
夫もー
エイプリルの中で、何かが壊れ始める。
しかし、この妻の変化が、フランクにはわからないんだなあ…
そして、ジョンの言ったことが原因で、再びバトル。
お互いに、決して言ってはいけないことを言い合い、傷つけ合う。
そして、最悪の結末へー。
見終わって、いろいろ考えてしまう作品でした。
ケイト・ウィンスレットとサム・メンデス監督
サム・メンデス監督は、ケイトのご主人なんですね。
「アメリカン・ビューティ」でアカデミー監督賞も取っています。
この作品も衝撃的で面白かった!!
ケイトとレオのバトルは演技賞ものだと思いました。
ケイトはゴールデングローブ賞女優賞を獲得したけど、アカデミー賞はふたりともノミネートもされず、残念です。
個人的には、このレオに賞をあげてもいいと思いました。
助演男優賞にノミネートされているのが、ジョンを演じたマイケル・シャノン。
エイプリルから狂気を引き出すような役どころでした。
表向きには、常識から逸脱したことを絶対言わないやらない母親。
そのことに無関心な夫。
ホンネとタテマエが全然違う人に育てられた、感受性の豊かな優しい頭のいい子は、こんなふうになってしまうんだろうなあ、という説得力のある演技でした。
親の欺瞞を見抜いてしまった子供は、不幸だよね。
「エデンより彼方に」とか「めぐりあう時間たち」でも取り上げられていた、50年代の郊外の妻たち。
(あら、どっちもジュリアン・ムーアだ!!)
その子供たちが、選んだ道がフラワーピープルやウーマンリブ世代。
そして、保守化しているといわれる現代の若者の中に浸透する、晩婚化、少子化、離婚率の高さ。
日本も、確実にその流れの中にいますね。
どんな生き方が理想なのかー
どんな結婚が理想なのかー
物質が豊かになるのと反比例するように、人生は複雑になって行くようです。
ただ、幸せになりたいだけなのに。
この作品、結婚前の女性には見て欲しくないような気がしました。
あまりに、本質的過ぎて、結婚に夢が持てなくなるかも。
でも、ケイトはインタビューで、「この映画の後の方が夫婦は理解し合えた」と答えているから、お互いにとことん突き詰めてみるのも、倦怠期を脱する方法のひとつかも知れませんね。
見終わった後に、女性客がおしゃべりしていました。
「夫にあそこまで言われたら、とりあえず子供を連れて、実家に帰るわね」
妻たちは、現実的な対処方法がちゃんとわかっているようです。
夫たち、少しは安心しましたか?
2008年 アメリカ/イギリス サム・メンデス監督 リチャード・イェーツ原作
レオナルド・ディカプリオ(フランク・ウィーラー)ケイト・ウィンスレット(エイプリル・ウィーラー)キャシー・ベイツ(ヘレン・ギヴィングス夫人)マイケル・シャノン[俳優](ジョン・ギヴィングス)キャスリン・ハーン(ミリー・キャンベル)デヴィッド・ハーバー(シェップ・キャンベル)ゾーイ・カザン(モーリーン・グラブ)ディラン・ベイカー(ジャック・オードウェイ)ジェイ・O・サンダース(バート・ポラック)リチャード・イーストン(ギヴィングス氏)マックス・ベイカー(ヴィンス・ラスロップ)マックス・カセラ(エド・スモール)ライアン・シンプキンス(ジェニファー・ウィーラー)タイ・シンプキンス(マイケル・ウィーラー)キース・レディン(テッド・バンディ)
【解説】
1950年代半ばのアメリカの郊外の街で、夢と希望に人生を懸けようとする若い夫婦の葛藤(かっとう)と運命を描く感動作。作家リチャード・イェーツの小説を原作に、『アメリカン・ビューティー』のアカデミー賞受賞監督サム・メンデスが映像化。『タイタニック』のレオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットが11年ぶりに共演を果たし、輝かしい未来を夢見る夫婦を好演。自己実現の夢と家族の愛の間で揺れ動く、切なく深いドラマに注目。(シネマトゥデイ)
【あらすじ】
1950年代半ばの富裕層が集まるコネチカット州の郊外で、フランク(レオナルド・ディカプリオ)とエイプリル(ケイト・ウィンスレット)の夫婦は二人の子どもに恵まれ、幸せに暮らしていた。しかし、彼らはそれぞれが抱いているヨーロッパでの成功と女優になるという夢の実現のため、人生で大きな賭けに出ることを決意する。(シネマトゥデイ)
【感想】
ケイトとレオ、「タイタニック」のゴールデンコンビ復活。
批判する人もいるけど、私は「タイタニック」の純愛物語、大好きです。
この作品は、純愛の成れの果て、結婚生活の絶望を描いたドラマです。
1950年代、まだアメリカでも離婚が一般的ではなかった時代のお話。
郊外の一軒家に住む、フランク(レオナルド・ディカプリオ)とエイプリル(ケイト・ウィンスレット)は二人の子供にも恵まれて、幸せに暮らしていた。
家族思いの夫、完璧に家事をこなす妻。
一般的には、これを理想の家庭ーというのですが。
☆ネタバレ
結婚前、女優志願だったエイプリルは、地元の劇団に入っているが、ある夜の公演は大失敗だった。
フランクはケイトのご機嫌を取ろうとするが、エイプリルはそういうフランクの態度さえ我慢できない。
そして、最初のバトル。
機嫌を直そうとしない妻に、フランクはキレる。
フランクは平凡なサラリーマン。
日々繰り返される仕事にも、日常にも虚しい気持ちを持っている。
家庭や職場の鬱憤ばらしに、職場の女性と浮気をしている。
後腐れのない関係。
ある日、帰宅するとエイプリルが彼の誕生日を祝い、フランクが単純に喜んでいると、新しい提案があった。
「パリへ行きましょう。私が働くから、あなたは自由に自分にあった仕事を見つけて欲しい、あなたなら、見つかるはずよ」。
エイプリルのご機嫌を取るため、この提案に同意するフランク。
同僚たちは、現実味のない夢にすぎないと批判するが、地元の不動産屋のヘレン・ギヴィングス夫人(キャシー・ベイツ)の一人息子ジョン(マイケル・シャノン)は、心底感心し、深く賛同した様子。
ジョンは、数学者でとても優秀な人なのに、精神を病んで、入退院を繰り返していた。
エイプリルの妊娠がわかり、中絶もできないとなって、夢の計画はおじゃんになる。
そのころフランクは実力を認められ転職。
人から評価されたことで、この計画が崩れたことも、ちょっと嬉しい気持ちになっていた。
反対にエイプリルは人生に深く絶望していました。
エイプリルは、自分たちは特別な人間だと信じていたのです。
でも、自分たちも平凡な人間に過ぎなかったー
夫もー
エイプリルの中で、何かが壊れ始める。
しかし、この妻の変化が、フランクにはわからないんだなあ…
そして、ジョンの言ったことが原因で、再びバトル。
お互いに、決して言ってはいけないことを言い合い、傷つけ合う。
そして、最悪の結末へー。
見終わって、いろいろ考えてしまう作品でした。
ケイト・ウィンスレットとサム・メンデス監督
サム・メンデス監督は、ケイトのご主人なんですね。
「アメリカン・ビューティ」でアカデミー監督賞も取っています。
この作品も衝撃的で面白かった!!
ケイトとレオのバトルは演技賞ものだと思いました。
ケイトはゴールデングローブ賞女優賞を獲得したけど、アカデミー賞はふたりともノミネートもされず、残念です。
個人的には、このレオに賞をあげてもいいと思いました。
助演男優賞にノミネートされているのが、ジョンを演じたマイケル・シャノン。
エイプリルから狂気を引き出すような役どころでした。
表向きには、常識から逸脱したことを絶対言わないやらない母親。
そのことに無関心な夫。
ホンネとタテマエが全然違う人に育てられた、感受性の豊かな優しい頭のいい子は、こんなふうになってしまうんだろうなあ、という説得力のある演技でした。
親の欺瞞を見抜いてしまった子供は、不幸だよね。
「エデンより彼方に」とか「めぐりあう時間たち」でも取り上げられていた、50年代の郊外の妻たち。
(あら、どっちもジュリアン・ムーアだ!!)
その子供たちが、選んだ道がフラワーピープルやウーマンリブ世代。
そして、保守化しているといわれる現代の若者の中に浸透する、晩婚化、少子化、離婚率の高さ。
日本も、確実にその流れの中にいますね。
どんな生き方が理想なのかー
どんな結婚が理想なのかー
物質が豊かになるのと反比例するように、人生は複雑になって行くようです。
ただ、幸せになりたいだけなのに。
この作品、結婚前の女性には見て欲しくないような気がしました。
あまりに、本質的過ぎて、結婚に夢が持てなくなるかも。
でも、ケイトはインタビューで、「この映画の後の方が夫婦は理解し合えた」と答えているから、お互いにとことん突き詰めてみるのも、倦怠期を脱する方法のひとつかも知れませんね。
見終わった後に、女性客がおしゃべりしていました。
「夫にあそこまで言われたら、とりあえず子供を連れて、実家に帰るわね」
妻たちは、現実的な対処方法がちゃんとわかっているようです。
夫たち、少しは安心しましたか?