マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで

2009-01-30 13:30:27 | 映画ー劇場鑑賞
ーレボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまでーREVOLUTIONARY ROAD
2008年  アメリカ/イギリス サム・メンデス監督 リチャード・イェーツ原作
レオナルド・ディカプリオ(フランク・ウィーラー)ケイト・ウィンスレット(エイプリル・ウィーラー)キャシー・ベイツ(ヘレン・ギヴィングス夫人)マイケル・シャノン[俳優](ジョン・ギヴィングス)キャスリン・ハーン(ミリー・キャンベル)デヴィッド・ハーバー(シェップ・キャンベル)ゾーイ・カザン(モーリーン・グラブ)ディラン・ベイカー(ジャック・オードウェイ)ジェイ・O・サンダース(バート・ポラック)リチャード・イーストン(ギヴィングス氏)マックス・ベイカー(ヴィンス・ラスロップ)マックス・カセラ(エド・スモール)ライアン・シンプキンス(ジェニファー・ウィーラー)タイ・シンプキンス(マイケル・ウィーラー)キース・レディン(テッド・バンディ)

【解説】
1950年代半ばのアメリカの郊外の街で、夢と希望に人生を懸けようとする若い夫婦の葛藤(かっとう)と運命を描く感動作。作家リチャード・イェーツの小説を原作に、『アメリカン・ビューティー』のアカデミー賞受賞監督サム・メンデスが映像化。『タイタニック』のレオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットが11年ぶりに共演を果たし、輝かしい未来を夢見る夫婦を好演。自己実現の夢と家族の愛の間で揺れ動く、切なく深いドラマに注目。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
1950年代半ばの富裕層が集まるコネチカット州の郊外で、フランク(レオナルド・ディカプリオ)とエイプリル(ケイト・ウィンスレット)の夫婦は二人の子どもに恵まれ、幸せに暮らしていた。しかし、彼らはそれぞれが抱いているヨーロッパでの成功と女優になるという夢の実現のため、人生で大きな賭けに出ることを決意する。(シネマトゥデイ)

【感想】
ケイトとレオ、「タイタニック」のゴールデンコンビ復活。
批判する人もいるけど、私は「タイタニック」の純愛物語、大好きです。

この作品は、純愛の成れの果て、結婚生活の絶望を描いたドラマです。

1950年代、まだアメリカでも離婚が一般的ではなかった時代のお話。
郊外の一軒家に住む、フランク(レオナルド・ディカプリオ)とエイプリル(ケイト・ウィンスレット)は二人の子供にも恵まれて、幸せに暮らしていた。
家族思いの夫、完璧に家事をこなす妻。
一般的には、これを理想の家庭ーというのですが。

☆ネタバレ
結婚前、女優志願だったエイプリルは、地元の劇団に入っているが、ある夜の公演は大失敗だった。
フランクはケイトのご機嫌を取ろうとするが、エイプリルはそういうフランクの態度さえ我慢できない。

そして、最初のバトル。
機嫌を直そうとしない妻に、フランクはキレる。

フランクは平凡なサラリーマン。
日々繰り返される仕事にも、日常にも虚しい気持ちを持っている。
家庭や職場の鬱憤ばらしに、職場の女性と浮気をしている。
後腐れのない関係。

ある日、帰宅するとエイプリルが彼の誕生日を祝い、フランクが単純に喜んでいると、新しい提案があった。
「パリへ行きましょう。私が働くから、あなたは自由に自分にあった仕事を見つけて欲しい、あなたなら、見つかるはずよ」。
エイプリルのご機嫌を取るため、この提案に同意するフランク。

同僚たちは、現実味のない夢にすぎないと批判するが、地元の不動産屋のヘレン・ギヴィングス夫人(キャシー・ベイツ)の一人息子ジョン(マイケル・シャノン)は、心底感心し、深く賛同した様子。
ジョンは、数学者でとても優秀な人なのに、精神を病んで、入退院を繰り返していた。

エイプリルの妊娠がわかり、中絶もできないとなって、夢の計画はおじゃんになる。
そのころフランクは実力を認められ転職。
人から評価されたことで、この計画が崩れたことも、ちょっと嬉しい気持ちになっていた。

反対にエイプリルは人生に深く絶望していました。
エイプリルは、自分たちは特別な人間だと信じていたのです。
でも、自分たちも平凡な人間に過ぎなかったー
夫もー
エイプリルの中で、何かが壊れ始める。
しかし、この妻の変化が、フランクにはわからないんだなあ…

そして、ジョンの言ったことが原因で、再びバトル。
お互いに、決して言ってはいけないことを言い合い、傷つけ合う。

そして、最悪の結末へー。

見終わって、いろいろ考えてしまう作品でした。

 ケイト・ウィンスレットとサム・メンデス監督
サム・メンデス監督は、ケイトのご主人なんですね。
「アメリカン・ビューティ」でアカデミー監督賞も取っています。
この作品も衝撃的で面白かった!!

ケイトとレオのバトルは演技賞ものだと思いました。
ケイトはゴールデングローブ賞女優賞を獲得したけど、アカデミー賞はふたりともノミネートもされず、残念です。
個人的には、このレオに賞をあげてもいいと思いました。

助演男優賞にノミネートされているのが、ジョンを演じたマイケル・シャノン。
エイプリルから狂気を引き出すような役どころでした。
表向きには、常識から逸脱したことを絶対言わないやらない母親。
そのことに無関心な夫。
ホンネとタテマエが全然違う人に育てられた、感受性の豊かな優しい頭のいい子は、こんなふうになってしまうんだろうなあ、という説得力のある演技でした。
親の欺瞞を見抜いてしまった子供は、不幸だよね。

「エデンより彼方に」とか「めぐりあう時間たち」でも取り上げられていた、50年代の郊外の妻たち。
(あら、どっちもジュリアン・ムーアだ!!)
その子供たちが、選んだ道がフラワーピープルやウーマンリブ世代。
そして、保守化しているといわれる現代の若者の中に浸透する、晩婚化、少子化、離婚率の高さ。

日本も、確実にその流れの中にいますね。

どんな生き方が理想なのかー
どんな結婚が理想なのかー
物質が豊かになるのと反比例するように、人生は複雑になって行くようです。
ただ、幸せになりたいだけなのに。

この作品、結婚前の女性には見て欲しくないような気がしました。
あまりに、本質的過ぎて、結婚に夢が持てなくなるかも。

でも、ケイトはインタビューで、「この映画の後の方が夫婦は理解し合えた」と答えているから、お互いにとことん突き詰めてみるのも、倦怠期を脱する方法のひとつかも知れませんね。

見終わった後に、女性客がおしゃべりしていました。
「夫にあそこまで言われたら、とりあえず子供を連れて、実家に帰るわね」
妻たちは、現実的な対処方法がちゃんとわかっているようです。
夫たち、少しは安心しましたか?

スパイダーウィックの謎

2009-01-30 13:23:21 | 映画ーDVD
ースパイダーウィックの謎ーTHE SPIDERWICK CHRONICLES
2008年 アメリカ
マーク・ウォーターズ監督 フレディ・ハイモア(サイモン/ジャレッド)サラ・ボルジャー(マロリー)メアリー=ルイーズ・パーカー(ヘレン)ニック・ノルティ(マルガラス)ジョーン・プロウライト(ルシンダ叔母)デヴィッド・ストラザーン(アーサー・スパイダーウィック)セス・ローゲン(ホグスクイール)マーティン・ショート(シンブルタック)

【解説】
80年間封印されていた謎の書を読んだ姉弟が、妖精たちと必死に戦う姿を描くミステリアス・アドベンチャー。『フォーチュン・クッキー』のマーク・ウォーターズ監督が、最新テクノロジーと究極のイマジネーションを融合させ妖精伝説をよみがえらせる。主人公の双子の兄弟を『チャーリーとチョコレート工場』のフレディ・ハイモアが好演。ILMとフィル・ティペット率いるティペット・スタジオ全面協力による数々の妖精クリーチャーは必見。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
両親が離婚して母親と森の奥にひっそりとたたずむ屋敷に引っ越してきた3人の姉弟マロリー(サラ・ボルジャー)、ジャレッド(フレディ・ハイモア)、サイモン(フレディ・ハイモア)たちは屋根裏部屋から謎の書を発見する。そこには大叔父アーサー・スパイダーウィックの“決して読んではならない”という警告のメモが記されていた。(シネマトゥデイ)

【感想】
ファンタジーをバカにするな。
大掛かりにしなくても、こんなに面白い大人も喜ぶファンタジーが作れるんだよ、という証明をしたような作品。
騙されたと思って、見て欲しいなあ。

舞台は、母親が相続した古いお屋敷。
80年前、アーサーおじさん(デヴィッド・ストラザーン)は、妖怪の研究をしていたが、ある日こつ然と姿を消した。
娘のルシンダは、家族の手で精神病院へ入れられて、それ以来この屋敷は無人だった。

母が突然この屋敷に引っ越しを決めて、ジャレッド(フレディ・ハイモア)はお冠だ。
双子の兄弟のサイモン(フレディ君の二役)は、素直にママの言うことを聞くし、姉のマロリー(サラ・ボルジャー)は小さなママ気取りで、ジャレッドの心はますますいらだつ。

そして発見したのが、おとぎばなしのお約束、「開けてはならない」ジャーン!!「妖怪図鑑」!!

開けてはいけないと書いてあって、開けない方がルール違反、もちろんジャレッドは本を開けます。
すると世界が変わって、そこは、クリーチャーの世界。
ゴブリンや、フェアリーや、トロールや、結構日本人でもなじみの深い妖精たちの世界が広がります。

このクリーチャーたちのデザインがとてもいい。
お花の妖精なんて、すごーくかわいいよ。

そして、子供たちと悪い妖精たちの戦いが始まるんだけど、これが退屈させないで、すごく楽しい。

私は、妖精や妖怪が身近にいるという考え方が大好き。
これって、「ゲゲゲの鬼太郎」や「もののけ姫」なんかにも通じる考え方だと思って、うれしくなります。

ファンタジーの世界は、生きるのが大変な子供たちの、生きる智恵と勇気を与えてくれるものだし、子供たちの栄養ドリンクみたいに、疲れた時に必要なものだと思う。

そして、子供の気持ちを忘れそうになっている大人にも、すごく役に立つと思うなあ。