マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

クイーン

2007-05-08 10:23:09 | 映画ー劇場鑑賞
ークイーンー
2006年 イギリス/フランス/イタリア スティーヴン・フリアーズ監督 ヘレン・ミレン 、マイケル・シーン 、ジェームズ・クロムウェル 、シルヴィア・シムズ 、アレックス・ジェニングス 、ヘレン・マックロリー 、ロジャー・アラム 、ティム・マクマラン

【解説】
1997年8月31日に交通事故で他界したダイアナ元妃をめぐって、揺れ動く英国王室の内実を描いた衝撃のドラマ。英国と王室に造詣が深い『危険な関係』のスティーヴン・フリアーズが監督を務め、事故からダイアナ元妃の国葬が執り行なわれる数日間の英国王室、エリザベス女王の一挙手一投足にスポットを当てる。女王役は『カレンダー・ガールズ』の名女優ヘレン・ミレン。これまで語られなかった“あの日”を鋭い視点で描き出す。

【あらすじ】
1997年8月31日、“英国の薔薇”ともうたわれた英国王室のダイアナ元皇太子妃が、パリで交通事故に遭い逝去してしまう衝撃的なニュースが全世界に流れる。ダイアナ元妃の訃報を悼み、その日から全世界は悲しみに包まれる。しかし、なかなか公式声明文を発表しない英国王室のエリザベス女王(ヘレン・ミレン)の対応へ批判が集中する。 (シネマトゥデイ)

【感想】
まだ人々の記憶に新しい、世界のアイドル、イングランドの薔薇と謳われたプリンセスダイアナの事故死。
全世界の人が嘆き悲しんだ、あの盛大な国民葬の様子。
特に、エルトン・ジョンがダイアナに捧げた『キャンドル・イン・ザ・ウィンド1997』の生演奏は、今も忘れられません。

この事件に、エリザベス2世の方からアプローチするというのですから、驚きです。

この事件そのものにも謎が多く、王室陰謀説もあるくらいです。
当時は、王室がコメントを出さないことに、国民の不信感も募ったのでしょう。

この作品でアカデミー賞の主演女優賞に輝いたヘレン・ミレン。
その栄誉に値する素晴らしい演技でした。
どこからみても女王にしか見えなかった。
私はマイケル・シーンのブレア首相にも感心しました。
立ち居振る舞い、しゃべり方もそっくり。
役者ってすごい。

そして、就任してすぐの混乱した時に、国民の反応を見ながら、誠意を持って女王にアドバイスをして行くブレアの姿も素晴らしいと思いました。

ブレア夫人の忠告や意見も、イギリスのインテリ層の考えなのでしょう。
王室廃止の考えを持っている人は、少なからずあるのでしょう。
エディンバラ公のちょっと無責任な発言や、チャールズのいかにもと思わせるような気弱さなども興味深く見ました。

イギリス王室は広大な領地を持つ封建貴族の末裔だということも認識しました。
女王のご家族の暮らしぶり、日常生活をかいま見た思いです。
4世代同居なんですね。

ダイアナが亡くなって、王子たちが落ち込んでいるから、その慰めに「鹿撃ち」という発想は、日本人には理解できないことです。
また、領地内とはいえ、四輪駆動を一人で運転している女王にも驚きました。
仕留められた鹿をお隣さんに見に行って、確認するシーンも。

車が立ち往生をしている時に、大きな鹿が現れて、思いを重ねて涙するシーン、やはり圧巻でした。

ダイアナが嫁いで来て以来、なにかとスキャンダルのタネにされがちなイギリス王室ですが、「国民の母」として国民に奉仕するという基本姿勢を、権威と威厳を崩さずに行うという、難しい使命。
女王の重責が、少し理解できた作品でした。