日本の教育上の誤解

日本の教育上の誤解          2009.4.1. 金森正臣

 今朝テレビのニュースを見ていたら、今日から「ゆとり教育」が廃止されて、学校での学習時間が週1時間程度多くなると言う。以前には、詰め込み教育でゆとりがないことが問題視され、「ゆとり教育」が始まった。有識者会議に出席している人たちは何を見て、考えているのだろうか。本当に子どもたちを見ているのだろうかと、疑問に思うことが多い。

 日本は、西洋の法則科学を取り入れて、100年になる。その結果、多くの人が、法則科学に乗って意見を述べ、それが正しいように錯覚している。以前にも書いたが、法則科学は、部分の理解には優れているが、全体の理解には適していない。科学の判断の基準になる法則性は、肉眼で見られる三次元あるいは四次元の世界にとらわれていることが多く、さらに複雑なことになると理解が不可能になる。例えば人間の成長は、四次元の世界で捉えられる様な簡単なものでは無い。

 子どもの学力が上がらないのは、時間数の問題では無い。この様な意見を述べると、面白く学べなければ、興味が持てないから、面白い授業をする必要があるといった意見が述べられる。これもある側面では正しいが、やはり全体をとらえていないように思われる。戦前の授業が面白い授業を目指していたとは思われないが、多くの子どもが正常に育ち、多くの学者が育っている。現在の子どもたちの学力が上がらないのは、意欲が低く、探究心に欠けるからである。小さい時から自由が無く、人間関係も希薄である。

 多くの家庭が、子どもを大事にしているように見えるが、本当の意味で大事に育てている例に出会うことは少なくなった。最初の授乳から始まる人間関係の構築は、意外に単純だが見落とされている[正高信夫「ゼロ才児が言葉を獲得する時」中公新書]。ここで親を信頼できるようにならないと、以降は親に気を使って迎合する「良い子」を演じることになる。この様な子どもは、自分で自由に自分の持っている遺伝子能力を伸ばすことが出来ない。その結果、「意欲」が育っていないことが、根本の原因であろう。そこに気がつかなければ、いつまでたっても対症療法の域を出ず、基本の問題には到達しない。

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コメント
 
 
 
円周率 (wataame)
2009-04-03 18:06:38
ゆとり教育は円周率を3にすること学識経験者が決めたこと笑っちゃいました。

300キロ出る車で法廷速度の60キロを走ることがゆとりです。

40キロしか出ない車を60キロで走ろうと言っている様な物

教育というものはそうゆう物ではないでしょう。
我々が習ったときは教科書のほかに応用問題集を片手になになに算なんていうのを小学校で盛んにやってくれたそのおかげで代数なんて簡単に理解した。
今、それをやると日教組や学校がその先生を異端児みたいに扱う、なんか変ですね。
 
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