金森正臣先生のカンボジアの文化・教育・食べ歩き体験記
金森先生のカンボジア日記
カラカサタケ
2018年09月12日 / 食
カラカサタケ 2018.09.12.
カラカサタケが、散歩道の土手で顔を出した。子どものころよく食べていたハラタケ科のキノコで、カラカサのように大きく広がるのでこの名がある。傘の部分が柔軟で、手で握ると閉じるので、我々はニギリタケと呼んでいた。
しかし土手に生えているカラカサタケは、子どものころに食べていたものとややイメージが異なる。食べていたものはもっと全体に暗色で、茎の部分はヘビのような模様があった。また傘の上の斑点ももっと大きく、暗色だったような気がする。カラカサタケは、かなり種類があるようで、異なる種類かもしれない。中には下痢などを起こす種類もあるようなので、注意したい。子どものころは焼いておろしで食べるのを楽しみにしていた。
毒キノコでも食べることが可能なものがあり、干すことによって紫外線で毒が分解されたり、水溶性の毒はゆでたりすると食べられる。最初の赴任地の菅平では、同じハラタケ科のベニテングダケが沢山出た。我々は茹でるあるいは干して、冬用に囲い、食用としていた。ある時キノコ図鑑を書いていた今関六也先生が見え、皆でベニテングの毒性の試食会をした。ベニテングダケもカラカサタケに匹敵する大きさのキノコで。一人2-3本食べるとややもうろうとしてそれ以上はまずいということになった。酒が入るともっと効き目が多かったように覚えている。呼吸困難に陥るので、注意する必要がある。
ベニテングダケの毒性は、ワライタケの毒性とは異なり、かなり安全のように思われる。志賀高原の北のブナ林で調査していた時に、ワライタケを見つけ少しだけ噛んでみた。強烈なしびれ作用があり、水で洗っても半日ほど口内がマヒしていた。ワライタケは、笑っているのではなく、顔面神経が収縮し笑っているように見えるのであろう。もし飲み込んでいたら、多分内臓が収縮し、かなり危ない状況になると思われた。ブナ林では他に、ツキヨタケなどの毒キノコがあり、毎年死亡者が出る。同じブナにできるヒラタケ(今は栽培物がスーパーで売られている)に間違えられることが原因である。この毒は、煮ても薄れることはない。
カンボジアでは、フクロタケがよく食事に出る。主に鍋物の具として登場するが、野菜と炒められて出ることもある。カラカサタケと同じように、イネ科の植物の枯れ草に出る。農家では、イネわらを牛の飼育のために庭先に積んでおく習慣があり、その周囲に水を撒くとフクロタケがよく出る。ニワトリに蹴散らかされないように、網などをかぶせて保護している。私が務めていた高等師範学校(プノンペンの真ん中)でも、先生たちが実験場の隅に藁を持ち込み、水をかけて栽培していた。市場などでも売られており、かなり一般的なキノコだ。
アフリカでもキノコを食べたことがあり、かなり美味しかった。しかし我々が調査に出かける夏は、タンザニア(南半球)の乾季に当たり、基本的にはキノコはほとんど見かけない。一度雨が降った年があり、老人が採ってきて持ち歩いているのを道路で見かけ、分けてもらった。
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