菅平で-27℃

菅平で-27℃

 

今日のテレビで長野県の菅平で、マイナス27℃のニュースが流れた。私は最初に赴任したのが菅平で13年間住んでいた。その間気象観測をしていたが、最低気温はマイナス22℃であったと記憶している。私の観測していたところは、集落から3キロほど奥で、現在の観測点よりは標高も少し高く、根子岳の斜面で風通しも良いところだったので気温は低く出ると思われる。しかしマイナス27℃は、かなり異常な数値であろう。

 

実験所にドイツトウヒを植えてあって、元気よく成長していた。しかしある年、新芽が30センチほど伸びた6月に雪がかなり降り、新芽が枯れた。それから6年ほどしてドイツトウヒを間伐する機会があり、年輪を調べた。遅くに降雪のあった年の年輪は非常に狭く、木の成長に与える気象の異常変化を知ることが出来た。その後のブナ林などの調査で参考になった。またブナとナラの芽の吹き方の相違が、どちらが高地に適応しているか考える参考になった。

 

気象状況と植物の分布や適応の状況を知る良い機会であった。多分マイナス27℃になると、高山の樹木(ダケカンバやハイマツなど)を除いて、幹の水分が凍って割れ、枯れるものが出るのではないかと思われる。

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