子どもの成長と自然

子どもの成長と自然

 

最近子どものことを考える時間が多くなった。それとは別に、子どもと自然の関係について、考える機会もできた。

以前に感じていたことを、少しまとめてみた。とはいえ、順序も組み立てもばらばらで、まとまったとは言えないが。

 

もう40年ぐらい前であろうか。高層ビルの住宅が多くなって、どこかの大学の先生が調査した結果が気になっていた。高層ビルが増えて、3階以下の親に比べて4・5階以上の親は地上に降りることが少なくなるという結果であった。5階以上では、週に2回程度で、ほとんど外に出ていない例もあった。従って子どもも外で遊ばない。

もう60年ぐらい前に、都営村山団地が1964-1966にかけて建設された。先輩が引っ越しをしたので、手伝いに行ったが、7-8階だったと思うが上り下りが大変であった。当時のビル型住宅にはエレベーターがなかった。酔って帰ると間違えて人の家に入るので、家ごとにドアの色が異なっているのが印象深かった。そのころから次第に高層ビル住宅が増え、上記の調査が行われたと記憶している。

これ以前にも東京の新宿区に1949年に建設された戸山ハイツなる鉄筋高層住宅があったが、すべて5階建てで、それ以上の高層はなかった。

 

以前に豊橋の小学校で自然教室をしていたころに実験をしたことがある。小学3年生くらい以下だと、ミミズ、ナメクジ、カエルなどともすぐに遊べる。5年生以上ぐらいになるといろいろ遊べなくなる。性ホルモンは出始め、異性を意識するためと思われる。

ヒトの意欲を高めるには、自然と遊ぶことが大切。これはヒトの進化の過程でプログラムされてきた数百万年の結果であろう。急には変えられない。子どもたちの意欲を高めるためには、自然と遊ぶ始める年齢も時期も重要と思われる。

高層の住宅が増えるにしたがって、都市化をするに従って、子どもたちの意欲は下がって来るように感じられる。4月27日にも書いたように、子どもには自然が必要不可欠であろう。

 

新型コロナで子どもの学習機会が奪われる心配をしている人がいる。確かにそれもあろうが、戦争中、戦後は学習の機会が奪われるなどという発想はなかった。多くが学徒動員されたり、疎開をさせられたりしたが、その中から優秀な人々が出て、多くのノーベル賞などをもらっている。子どもたちに意欲があることが必要であろうと考える見本になっている。戦前、戦後の教育はいい加減であったように思われるが、子どもたちは自由にのびのびと自分の意欲を伸ばせる機会を持っていた。現在の子どもたちは、自由な機会が少ないので、意欲も十分に伸びていないように思われる。子どもの成長に関する視点が不足しているのではなかろうか。

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