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●科学技術ニュース●「ダイヤモンド半導体」の大熊ダイヤモンドデバイス、北陸銀行・みずほ銀行・三井住友銀行から資金調達実現

2024-03-08 09:34:45 |    電気・電子工学
 「ダイヤモンド半導体」の世界初の社会実装を目指す大熊ダイヤモンドデバイス(本社:北海道札幌市、代表取締役:星川尚久)は、このほど北陸銀行、みずほ銀行および三井住友銀行から総額3.3億円(融資枠含む)のデットファイナンスによる資金調達を行った。

 同社は、これまでにも内閣府主催のSIPやBRIDGEに採択されており、シード調達や復興庁/福島県による実用化補助金などを含めると、総額19.2億円の資金調達を実現している。

 同社は、次世代半導体である「ダイヤモンド半導体」の世界初の社会実装を目指す、北海道大学・産業術総合研究所発のスタートアップ企業。

 福島第一原発事故に伴う廃炉作業に必要な要素技術として、高温かつ高放射線下に耐え得るダイヤモンド半導体へのニーズが高まり、国家プロジェクトとして国内の大学や研究機関が英知を結集し、ダイヤモンド半導体の研究開発が進んだ。

 このプロジェクトの中心メンバーであった北海道大学の金子氏と産業技術総合研究所の梅沢氏、そして両氏のビジョンに共感した連続起業家の星川氏をコアメンバーとして、大熊ダイヤモンドデバイスが2022年3月に創業された。

 現在、同社のダイヤモンド半導体技術は、廃炉現場に投入する装置の要素技術として対応できるレベルに到達している。

 原子炉内に残る燃料デブリを安全に取り出す計画の立案には、燃料デブリ近くの中性子線量を詳しく知る必要があり、中性子を計測する「臨界近接監視モニタシステム」の開発が進んでいる。

 同社が製造を目指す「ダイヤモンド中性子検出素子」はその中核となり得る技術であり、プロトタイプの前段階に相当する最初の装置を、福島第一原発の現場で近年中にテストすることを目標としている。

 同社は、まだ誰も実現できていないダイヤモンド半導体の商用化に最も近い位置にいるチームとして、ベンチャーキャピタルや民間金融機関、政府機関からも高い評価と支援を受けている。

 これまでにシード調達に加え、復興庁/福島県主催の「地域復興実用化開発等促進事業」、NICT (国立研究開発法人 情報通信研究機構) による「Beyond5G研究開発促進事業」、内閣府主催の「SIP/BRIDGE」といった国家プロジェクトにも採択されている。<大熊ダイヤモンドデバイス>
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