仙太の「雑杷ひとからげ」

「工房仙太」の新作紹介及び日々の雑想を連ねています。(ショップ http://k-senta.com/)

ほっこり

2022年03月22日 20時09分53秒 | 日記
ここ数年来、「ほっこりする」という言葉がテレビ等で盛んに流れ出しました。芸能人がのどかな田園地帯などへ行って「あ~ほっこりしますね~」などと言ったり、子猫を見て「わー!ほっこりするー!」と連発しているのをよく見かけます。「癒される」とか「ほっとする」というような意味で言っているわけです。「ほっこり」という言葉の響きがいかにもそういう意味を連想させるので違和感なくその場は流れていきます。

「ほっこり」という言葉はもともと京都弁で、「あ~疲れた。」という場面で使う言葉です。町中ではあまり使われなくなったかもしれませんが、私の住んでいる右京区京北地域は田舎なので今でも普通に使っています。疲れたときといっても、一日重労働をしてヘトヘトに疲れたときは「ほっこり」ではなく「あ~しんど!」になるような気がする。そんなにヘトヘトではなく笑ってしゃべれる程度の場合に「あ~ほっこりしたな~」となるわけです。「心地よい疲労感」とでも言いますか。そういう意味では「ほっとする」という意味で使うのもあながち間違いとも言えないかもしれません。
でも、細かいことを言えば「ほっこり」はあくまでも物事があった後のことを現す言葉で、「ほっこりした。」という過去形でしか使いません。決して進行形で使う言葉ではない。なので「ほっこりする」という言い方はありえないわけです。

とはいっても、言葉は時代とともに変わっていくものなので誤用だ誤用だと目くじらを立てることこそ間違っているとは思います。便利な言葉が一つ増えたと思えばそれは喜ばしいことだと言えるかも。

Y様丸テーブル#2 天板完成

2022年03月19日 22時03分55秒 | オーダーもの
天板できました!

直径1,600mmはやはり大きい。そして何より重いです!まずまずいい感じに仕上がったのではないかと。
ここへ至るまでの道のりをくどくどと述べたいと思います。



この天板は幅10cm前後の板16枚を貼り合わせてあります。それぞれの接着面同志を隙間のないように調整してダボで繋いで固定したところ。これまで持っていたポニークランプは1,400mmまでしか使えなかったので新たに1,800mmまで使えるパイプを買いました。



正方形になったものを丸く切りぬいているところ。丸く切るのは普通ジグソーの仕事ですが、5cmの厚みとなるともはや無理なので丸ノコで地道に角を落としていきます。
そしてそこそこ丸くなったものをベルトサンダーでこれまた地道に角を取って丸く仕上げます。

いよいよ脚に取り掛かります。パーツはできていますが工程を考えるとまだまだ先は長い。でも天板ができたらもう峠は越えたも同然。がんばります!


Y様丸テーブル#1 天板はぎ

2022年03月08日 20時42分15秒 | オーダーもの
小屋建てにうつつをぬかしていたら大仕事をいただきました。
「直径1,600mmの1本脚丸テーブル」

以前作ったことがある1,000mmの丸テーブルのデザインを気に入っていただいたお客様からのオーダーですが、1,600mmは何というか…未知の領域で、つまりその…要するに非常に大きいのです。

大きさだけなら1,800×800というのもやったことはありますが、あれは厚みが35mmだったのでまだやりやすかった。1本脚の丸テーブルとなると天板が薄いと恰好がつかないのでやはり50mmくらいは必要であろう。となると重さもかなりなものになります。

1本脚で最も重要なのは安定性です。安定させるためには太くすればいいわけですが、デザイン性の観点ではできる限り細くしたい。どこまで細くしても大丈夫なものか。机上で考えていても埒が明かないのでコンパネで実物大の模型を作ってみました。
まあ形的にはこれでいいとして、問題はこの重い天板を支えることができるかどうかです。それを試すには自分が乗ってみるのがいちばん手っ取り早いと思い、とにかく乗ってみました。体重65kgの私がこのビスで留めただけのヤワな模型に乗ってギシギシやってみても大丈夫だったのでこれはもう大丈夫なはずだ、と結論づけました。



天板。まずは1,600mm四方の正方形を作るところから。なんとかいけそうな気がしてきました。 

小屋建て#10 やっちまい

2022年02月06日 21時16分19秒 | 日記
やっちまいました!

柱を景気よくザクッと切ってしまってから急に嫌な予感がしたので測りなおしてみたら…寸法が足りない…。勘違いです。よくありがちなことですが、この柱が立つ土台の寸法を計算に入れていなかった。その分105mm短い…。

柱材を追加注文することは簡単ですが、できることならそんなもったいないことはしたくない。ただでさえウッドショックで木が高いのに。というわけで継ぎ足すことにしました。



まず足りない分のホゾを作って、



継ぎ目がずれないように3方から挟んで木口から長めのビスを打ちます。



何事もなかったようになりました!欲目で見れば…。

横方向から荷重を受けるものにはこんなことはできませんが、柱は縦方向に荷重がかかるので大丈夫でしょう。

これはこれでいいとしても、怖いのはこんな勘違いがもっと他にもあるのではないか?ということ。いやいや、あるに違いない。これまでもこれからも。

コロナと同じで十分注意していても出るときは出るんだから、出たらその都度対処していくということしかしょうがないですね。



















小屋建て#9 自作道具

2022年02月05日 21時11分43秒 | 日記
何をするにもいろんな道具が必要になってきます。車で10分ほどのところにコメリがあるので何かと言えばすぐに走ります。多いときには週に3~4回くらい行く時も。もうコメリ無しの生活は考えられないほどですが、買うほどのこともないものや、そもそもどこにも売ってないものなどは自分で作ることもあります。

写真は束石を埋めるときの穴掘りに使うもので、右は穴の底を突いて固めるもの。角材の切れ端にあり合わせの棒を取り付けただけのものですが、なかなかいい仕事をします。左は鋤簾(じょれん)といわれる鍬(くわ)の一種ですが、元々は1.8mほどの柄が付いています。穴の底の土をかき出すのに使っていますが、長い柄は邪魔になるので短いのに付け替えました。



さてこれは何でしょう?これこそ何処にも売っていないものでこのたびこの作業のためだけに作りました。



束を束石に固定するときに動かないように木口の中心に穴をあけてダボを打ちますが、その際に材料が動かないように固定するためのものです。



小さい穴なら片手で支えてもう片方の手でドリルを使えばいいのですが、大きい穴(今回の場合は32mm)になると抵抗が大きいので片手では支えきれません。材料が回ってしまったり、下手するとドリルの力で手首をひねられてしまったりすることもあります。そこで材料をしっかり固定して両手でしっかりとドリルを操作するためにこういうものが必要になります。



完成!地面に一番近いところに立つので防腐塗装をしています。

ちなみに、こういった材料や道具などを固定するための道具を治具(じぐ)と言いますが、この言葉は英語の「jig」に漢字をあてた造語なんだとか。これは今日仕入れた知識です。そうだったのか!

小屋建て#8 雪

2022年01月18日 20時30分53秒 | 日記
「雪」。もう口にするのも嫌になってきた言葉ですが、この冬は本当にすごい。30㎝級のが3~4回、それ以下のが5~6回。今日は10㎝でした。明後日はまた大雪の予報です。ここ何年か少ない年が続いていたので、地球温暖化だからもうこれからもずっとこの調子なんだろうと思っていたらところがどっこい、この始末です。数年分のツケが一気に来た。

建設現場は一面の銀世界。加工済みや加工中の材料を現場の一角にシートをかけて置いているのですが、そこへの往復にいちいち除雪をしなければならない。どこか屋根の下に置けるといいのですが、いくら田舎の家だからって4mの角材を置いておけるようなスペースはそうそうありません。



よりにもよってこういうことをやりかけた年に限ってこういうことが起こる。神様から与えられた試練だと思ってありがたくお受けしようと思います。

小屋建て#7 腰掛けカマ継ぎ

2022年01月14日 20時28分11秒 | 日記
見聞きしたことはあるけど実際にやるのは初めて。今回の小屋建て作業ではそういうことの連続ですが、これなどはそれの筆頭と言えるかも。

腰掛けカマ継ぎ。

角材を繋いで長くするための作業です。角材を繋ぐ方法はいくつかあるようですが、これがいちばん強いそうです。引っ張りにもねじれにも。



接地面が多いのでどの面が邪魔しているのかを見極めるのがなかなか大変です。組み合わせながら面同志が当たって入らないところをちょっとづつ削って、削っては組み合わせ、組み合わせてはまた削り…。ということの繰り返し。



やっと何とか入りました!

まだ一つ目だから、とはいうものの、これだけでほぼ一日かかってしまいました。だんだん慣れてくるとは思いますがこれは大変。でも自分の技が増えていくのは大変楽しい。

小屋建て#6 土台、束

2022年01月07日 22時45分45秒 | 日記
小屋材料第1弾が来ました。桧105mm角の4m材です。105mmは尺貫法で3寸5分なので通称「三五角」と呼ばれます。これを加工して土台・束・大引きにします。



束の加工を始めました。束石に合わせて番号を打ちます。48本すべて長さが違う。これを束石に立ててその上に先ほどの105mm角を横にして乗せる段取りですがはたしてそううまくいくのでしょうか?
うまくいかなかったらその都度小細工を弄して切り抜けていくしかありません。

いずれにしろやっと刻み加工が始まりました。

あけましておめでとうございます。

2022年01月01日 00時59分13秒 | 日記
2022年、あけましておめでとうございます!
 
新年も雪の中です。27日に30㎝、昨日もそれくらい。近年稀にみる大雪の年末となりました。小屋建設現場もすっかり深い雪に埋もれていますが、基礎工事はほとんど終わっているのでまださほど影響はないです。新年早々土台や束の刻みに入ります。
 早く取り掛かりたくてうずうずしています。とにかく早く完成させたい。あせってもしょうがないのだけれど。

皆様にとって良い年になりますように!

今年もよろしくお願いします!


小屋建て#5 束石20個

2021年12月29日 08時33分06秒 | 日記
 束石が20個並んだところ。実際には1個目からここに至るまで10日ほどかかっています。ずっとこれに専念できれば一日に8個くらいはできるので単純計算では6日で48個ということになりますが、なかなかそういうわけにはいかない。



冬場の作業には余計な手間もかかります。コンクリートは固まるまでに凍ってしまうと使い物にならないらしい。具体的にどうなるのかはわからないのですが、試してみる心の余裕はありません。なので気温が下がる夜間にはセメントやバラスの空き袋をかけて養生します。

 整然と並んだ光景は見ていて飽きません。ちょっと時間があくと用もないのにふらっと現場を見に行ってしまいます。ここをこうしてあそこをああして…などと考えているとすぐに時間が経つ。

 それにしても一人でやるということは自分自身が何らかの作業をしないと何も一歩も進みません。当然ながら。「ちょっと見ない間に進んだなー。」などという都合のいいことは絶対にない。何回見に行っても同じ光景なのです。

 旅はまだ始まったばかり。