仙太の「雑杷ひとからげ」

「工房仙太」の新作紹介及び日々の雑想を連ねています。(ショップ http://k-senta.com/)

子安観世音

2017年10月06日 21時49分57秒 | 名所、旧跡
 今出川通を東進し、白川通へ出る手前の路傍に鎮座する大きな石仏。小さなほこらの天井で頭を打たないように首をすくめているようです。以前から「でっかいお地蔵さんやな~。」と思って通り過ぎていたのですが、今日、時間があったので車を停めてお参りしてみました。

 子安観世音。厳密にはお地蔵さんではなく観音さんでした。お顔の表情もわからないほど風化が進んでいますが立派な仏さんです。新しい花やお供え物もあり、地域の人に慕われている様子がうかがえます。

 調べてみると、鎌倉時代からここで道行く人々を見守っているらしい。秀吉が大変気に入り、聚楽第を建てたときにその庭へ運び込んだそうです。ところがこの観音さん、その日から夜な夜な「白川へ帰りたい、白川へ帰りたい…。」と鳴動したとか。ついに秀吉もあきらめて元に戻したそうです。

 以来数百年の間に何度か火災に遭い、また数年前にはトラックにぶつけられ、そのたびに首が落ちて補修されているらしい。地域の災難を一手に引き受けているということですね。

 秀吉がつるつるとなでまわしたに違いない。その時代から防犯カメラが設置されていたらいろんなものが写ってるでしょうね~。

知恩院、東福寺三門特別公開

2013年11月14日 20時56分40秒 | 名所、旧跡
 お寺の三門(あるいは山門)にはたいてい上層階へ上がる急な階段があります。それを見るたび「登りたいな~。」と思うのですが、普段はどこも立入禁止です。そこへ入れる機会がついにやってきたのでウキウキして出かけました。

 知恩院の三門は、南禅寺、昨年行った山梨県の久遠寺と並んで日本三大門のひとつ。四角の反り上がりがなんとも優雅です!「はしごか!?」と思うくらい急な階段を登るといつも見上げることしかできなかった上層階の回廊を歩くことができます。ばかでかい「華頂山」の額もすぐそばに!しかし、この建物自体が国宝なので、回廊を取り囲む手すりなどには触ってはだめ。写真撮影もだめ。寄るな、触るな、撮るな、ということです。ま、しょうがない。

 光が差し込まないように出入り口を暗幕でふさがれた薄暗い堂内に入るとまず目に飛び込んでくるのは内部一面に描かれた極彩色の絵!天井には狩野探幽による龍の絵を中心に、飛天や迦陵頻伽(かりょうびんが)という、上半身が人で下半身が鳥の天女のような絵などが鮮明に残っています。そして…お釈迦様とそれを取り囲む十六羅漢像!よく下から見上げていた門の中にこんなものがあったのか…と感慨が湧きました。

 いやー、いいものを見た。

竹田城跡

2013年07月01日 21時42分04秒 | 名所、旧跡
 今話題の武田城跡へ行ってきました!兵庫県朝来市和田山。家から約2時間半という上加減のドライブコースです。

 写真で見るとおり山のど天辺です。何しろ本丸跡には国土地理院の三角点の標柱がちゃんとある。敵も攻めにくいでしょうが、それ以上に自分たちが住みにくかったに違いない。
 こんなところにこれだけの石垣を築くのは現在の技術でも大変なことです。第一足場が悪い。

 

 平日の朝8時頃なので人も少なくてゆっくり見れましたが、休日は早朝から押すな押すなの大混雑だそうです。今は無料で入れますが、現地の方の話によると見物客が増えたためガイドを増員しなければならず、それらの経費がかかるためもうすぐ300円の入場料を取ることになりそうだとのこと。行くなら今です!

建勲神社

2013年01月05日 20時38分43秒 | 名所、旧跡
 今年の初詣は建勲神社へ。

 大徳寺の門前、市街地のど真ん中にぽつんと現れる鬱蒼とした山、船岡山。平安京の時代は朱雀大路の出発点であり、応仁の乱の時には西軍が陣を敷いた(「西陣」の地名の由来)という由緒ある山ですが、ここに建勲神社があります。織田信長をお奉りしているらしい。

 

 台湾の大桧で作ったという大鳥居は、木造では京都府下最大だとか。なるほど太い!



 境内に入ると正面にはお稲荷さん。石段が急です!横の樫の木も太い!



 てくてくと登ると頂上に本殿があります。ちなみに船岡山頂上の標高は112mだそう。山というより丘に近いですが、見晴らしは抜群です。

 おみくじを引いたら「吉」でした。幸先の良いスタートです!

千体地蔵

2012年10月14日 22時11分30秒 | 名所、旧跡
 何処へ行ってもお地蔵さんに目が行く、などと言っていたら、「これでもか!」と言わんばかりのお地蔵さんに出会いました。金剛輪寺の参道にずらりと並ぶ千体地蔵。

 見事というか…すごい光景です。ひとつひとつに奉納した人の名前と通し番号が刻んであるので、「千体」というのは比喩ではなく本当の数です。しかもこれ以外に参道脇のところどころに番号の無いお地蔵さんの集団が整然と並んでいて、全部含めると二千体くらいになるかもしれない。

 

 すべてに風車がお供えしてありますが、8月9日には千日会という催しがあって、ひとつひとつに灯りがともるらしい。ろうそく?電球?見たいけどなんか怖そう…。怖そうだけど見たい。

百済寺

2012年10月13日 21時18分57秒 | 名所、旧跡
 滋賀県の湖東三山巡りをしてきました。紅葉シーズンには観光客でごったがえすらしいですが、今はまだ人もまばら。おかげでのんびりゆっくり楽しませていただきました。田舎に住んでるせいで、大勢の人を見るとそれだけで疲れてしまう。

 百済寺(ひゃくさいじ)。延々と続く山中の石段。最近お地蔵さんウォッチャーになっているので、何処へ行ってもついついお地蔵さんに目が行ってしまいます。



 石段の途中の仁王門。本堂までもうひとがんばり!



 登りきったところには本堂と鐘楼が静かに静かに佇んでいます。「山寺」という言葉がぴったり。歩いて登ってきた者しか見ることができない建物、風景。

 古いお寺に来るといつも思うことですが、我々がこれを見させていただけるのは、遠い昔にこれを作った人がいるから。そして今までこれを守ってきた人がいるから。そう考えると年月というものの重みに圧倒される思いです。

 鐘楼では鐘を撞かせてくれます。世界最大のパーカッション、などというとばちが当たるかもしれませんが、単純に、本当にシンプルにいい音です。

身延山久遠寺

2012年07月18日 21時18分50秒 | 名所、旧跡
 OB会から北杜市へ行く途中、身延山久遠寺に寄り道してきました。知恩院、南禅寺と並ぶ日本三大門のひとつに数えられる三門を見るのが目的。知恩院、南禅寺はいつでも見れますが、山梨県はこの次いつ来られるかわからないのでなんとしても見ておかなくては。

 総門をくぐると延々と続く出店の列。道の狭さといい活気といい、清水寺の三年坂みたいな感じです。坂を登り切って平らなところに出た瞬間バーンと現れるのがこの三門。たしかにでかい!門の下中央に中学生くらいの子どもがいますが、それと比べると大きさがよくわかります。



 三門をくぐるともう別世界。杉の巨木が立ち並ぶ神聖な空間が広がります。この奥に300段の石段がありますが、時間の都合でお参りはここまで。いつかまた来られたら是非この石段を登ってみたい。石段がつらい人には男坂、女坂というスロープがあります。それもつらい人にはロープウェイもあるらしい。

 

 なかなか有意義な寄り道でした。この次のOB会の時にはゆっくり来れるかな。

仁和寺

2012年04月02日 21時06分18秒 | 名所、旧跡
 子どもの頃からあたり前のように前を通ってきた仁和寺ですが、改めて見るとこの二王門はいい 。

 京福電鉄嵐山線(嵐電)の御室仁和寺駅からまっすぐ伸びる参道の向こうにそびえ立っています。



 門前は龍安寺、金閣寺へと続くきぬかけの道。先日の京都マラソンではこの道を1万4千人のランナーが走り抜けました。



 他所の仁王さんは金網越しでしか見れないところが多いですが、ここは直に拝むことができます。



東大寺南大門の金剛力士像などと比べると少し小ぶりですが間近で見るとすごい迫力!

 仁和寺の桜は遅咲きなので開花はもうしばらく先のようです。

木津、加茂お寺巡り

2012年03月11日 21時01分53秒 | 名所、旧跡
 入院している友人のお見舞いに行ってきました。精華町の学研都市病院。頚椎間板ヘルニアの手術ということだったので心配しましたが、経過は良好で火曜日には退院するそうです。よかったよかった。

 なかなかこんなとこまでくることはないので付近のお寺を回ることに。

 まずは浄瑠璃寺。三重の塔の前から池越しに阿弥陀堂を臨む。この中には九体の阿弥陀如来像がずらっと並んでいて荘厳な雰囲気です。その阿弥陀様の横にある不動明王像が従えている矜羯羅(こんがら)童子と制多迦(せいたか)童子像がいい!特にやんちゃそうな顔をした制多迦童子像がいいです。



 岩船寺(がんせんじ)。この日はちょうど年に一度の厄除け大護摩法要の日だったようです。この火にあたると何かのご利益があるらしい。いい時に来ました。



 最後に海住山寺(かいじゅうせんじ)。狭く急な坂道を延々と登ったところにあります。よくこんなところにお寺を建てたもんだ。この五重塔はこじんまりとしていますが、東寺の塔などよりも古いらしく、一番下に庇があって六重に見えるのが特徴。



はるか眼下に加茂の町を臨む。高い!

 どれも小さなお寺ですが、立派な建物と仏様で見ごたえあります。いい一日でした。

千本釈迦堂、千本閻魔堂

2012年02月12日 21時26分04秒 | 名所、旧跡
 存在は知っていても行ったことがない。存在自体があまりにもあたり前になってしまっていて今更行って見ようという気がなかなか起こらない。京都にはそんなところが山ほどあります。そして行ってみるとこれがまたどこもかもいいものに出会えるのです。



 千本釈迦堂は正式名称を大報恩寺というそうです。ご本尊のお釈迦様は年に何回かの法要のときしかお目にかかれませんが、宝物殿はいつでも入れます。ここにいい仏像がたくさんありました!
 まず六観音像。聖観音、十一面観音、千手観音、馬頭観音、如意輪観音、准胝観音が六観音で、それぞれ地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人道、天道に迷う衆生を救ってくださるそうです。失礼を承知でいえば観音様のカタログのようなもので、一堂に会しておられるところが見れるということです。
 そして釈迦の十大弟子像。快慶の作だそうで、十体ともすごくキャラが際立っています。モデルがいるに違いないと思うほど顔が皆写実的でそれぞれ個性的。

 

 せっかくなので近くにある千本閻魔堂にも足を伸ばしました。
 
 正式名称は引接寺(いんじょうじ)。ここにはその名のとおり閻魔様の像があります。閻魔大王像は3m近くあってすごく大きいのですが、なにより顔がでかい!そのうえすごい怒りの形相で迫力満点です。ですが、閻魔大王は実は地蔵菩薩の化身だそうで、そのせいかじっとお顔を見ているとだんだん優しい表情に見えてくる、と案内してくれたお寺のおばさんがおっしゃっていました。そう言われてみればそう見えなくもないかな…。