仙太の「雑杷ひとからげ」

「工房仙太」の新作紹介及び日々の雑想を連ねています。(ショップ http://k-senta.com/)

あけましておめでとうございます。

2024年01月01日 21時24分50秒 | 日記
また正月になってしまいました。

小屋は外観がやっと完成。ぼちぼち床を貼りかけています。一昨年の12月、基礎の穴を掘り始めた頃から見れば目を見張るほどの進歩ですが、まだまだ先の工程を考えると気が遠くなるほどやることが多い。富士山で言えば7合目あたり、四国八十八か所で言えば第60番札所石鉄山福智院横峰寺あたりでしょうか。どちらも全然詳しくないのでわかりませんが、行程的にはいいところまで来たがまだまだ難所が待ち受けている、ということでおおむね間違っていないのではないかと。

この小屋の用途についていままで触れてこなかったのですが、ここで発表。2分割して、約3分の1が仕事場、残りの3分の2が音楽室になる予定です。こんなに周りに何もないところですが、音楽室は一応防音してバンド演奏仕様に。私ももういい年なのでいつまでバンドができるかわかりませんが、だからこそ悔いを残さないように、できるうちになんとか実現させたい。つまりこれは完成させることが目標ではなくそれを使用することが目的なので、いつまでもダラダラやっているわけにはいかないのです。うかうかしていては私の寿命が来てしまう。
 
完成目標は今年度中です!今年もよろしくお願いします!


小屋建て#13 よろい張り

2023年08月20日 22時04分43秒 | 日記
前回投稿の姿から足場が無くなり筋交い(すじかい)が入ったところです。屋根工事の間、上を歩くと何となく建物全体がゆらゆらと揺れましたが、筋交いを入れた途端全く揺れなくなりました。頭ではわかっていたことですがこれほど顕著に効果が現れるとうれしい。



外壁のよろい張りの前に透湿防水シートというものを貼ります。その名のとおり通気性はあるが水は通さないという代物らしい。タッカーという、ホッチキスの大きいやつでバシバシ留めていくのが快感!



窓も取り付けました!アルミサッシというものは素人が自分で施工することを想定していないようで、説明書の類が一切入っていない。日頃過剰なくらい懇切丁寧なマニュアルに慣れている身としては何か突き放されたような気がしてかえって気持ちがいいです。あれこれこねくり回してyoutubeなども参考にしながら何とか取り付けました。
窓枠に合わせてサッシをオーダーすることもできるそうですが、建物を一から作る場合は既成のサッシのサイズに合わせて窓枠を作る方が安上がりなようです。といっても窓枠よりサッシ枠の方が少しでも大きかったりしたら目も当てられない事態になるので、一回り窓枠を大きくしておいて隙間を板でふさぎました。



よろい張りの板を塗装しているところ。外壁用の油性塗料です。水性塗料の方が手軽で扱いやすいですが、油性の方が断然長持ちします。1回塗って完全に乾くまでに拭き取って2~3時間乾かして2回目を塗り、乾くまでにまた拭き取る。面倒でけっこう重労働ですが、拭き取る方がべた付きを防げるし、木目も際立ち、しかも勝負が早い。



外壁が張れるといよいよできてきた!という感じがしてきます。
よろいの板は12cm巾。それを2cmずつ重ねながら張っていきます。なので1段で10cmしか進まない。10段で1m。20段で2m…。張っても張ってもなかなか進みません。これは大変なことをやりだしたもんだと思いましたが、今さらやめるわけにもいかないので続けるしかない。千里の道も一歩から、です。

小屋建て #12 屋根完成!

2023年06月07日 22時36分12秒 | 日記
野地板が全部貼れたらその上にルーフィングと呼ばれる雨漏り除けのシートを貼ります。アスファルトルーフィングと言うだけあって工事直後の舗装道路の匂いがする。そして次はいよいよ…



トタンが貼れました!これでとうとうブルーシートとお別れできます。先日やっとシートがかけられるようになった喜びを味わったばかりですが、今回シートが要らなくなった喜びの方がずっと大きい。



遠景。家のすぐ裏ですが、こうして見ると山の中の別荘みたいに見えなくもない。
また一段階前進しました!


小屋建て#11 垂木・野地板

2023年05月25日 21時50分13秒 | 日記
垂木(たるき)が全部打てて、やっとシートを被せることができるようになりました。棟上げからこの日までずっと雨ざらしになっていたのでホッと一安心。2枚で屋根をすっぽり覆うことができる寸法を計算して買った7.5m角のブルーシートが遂に本領を発揮しています!



足場を外側に組み換え。当初はせり出した横木に足場板を置くだけでいいかなと思っていましたが、そーっと乗ってみたらユラユラ、フラフラとしてえらく怖かったので柱を立てたらしっかりしました。そりゃそうだ。当然ですね。



野地板。12mm厚、15cm幅、2m長のスギ板をばんばん貼っていきます。何となく野地板は釘打ちで貼るもんだというイメージがあったので最初は文字通りバンバン釘を打っていたのですが、一旦貼った板をはがして打ち直すことが思いの外多く、そのたびにバールでギコギコと釘を抜くのがあまりにもめんどくさいのですぐにビス打ちに変更しました。



けっこう頑張っているつもりですがなかなか進みません。屋根の長さは約10mあるので5枚で1段。10枚で2段…。何よりもまとまった時間がなかなかとれないのが一番もどかしい。
でもまあ確実に着実に前進していることは確かです。

上棟!

2023年04月28日 00時04分30秒 | 映画
死ぬまでに一度自分で小屋を建ててみたい、と何となく思い続けたままズルズルと齢をとり、還暦を過ぎてようやく重い腰を上げてから1年4カ月経った今月4日、ついにこの日がやってきました!

棟上げ。この地域では「建て前」と言います。

これまでもこれからも全部一人でやるつもりですが、さすがに骨組みの組み立てだけは人手が欲しい。幸い近所の若い衆お二人が手伝いに駆けつけてくれ、おかげで柱、桁、梁まで一気に組みあがりました!



お二人とも初めての作業にもかかわらずすぐに要領をつかんでてきぱきと作業してくれて本当に助かりました。「また呼んでください!」と言ってくれましたがこれ以降はまた一人で進めることにします。ここから先はほぼ全て高所での作業になるので危険が伴います。私が怪我する分には自業自得、身から出た錆ですが、お手伝いに来てくれている人に万が一怪我させてしまったら大変。ご家族に合わせる顔がなくなってしまうので。それに何よりも何から何まで全部自分で楽しんでやりたいのです。



さて、高所作業に無くてはならないのが足場。これがないと何もできません。昔田んぼで刈った稲を掛けて乾燥させていた「稲木(いなぎ)」の丸太が何十年ぶりかで登場しました。この足場に乗って母屋や棟を組んでいきます。



そして先日21日、ついに棟が上がりました!それまでは割と淡々と、粛々と作業を進めてきたのですが、棟を掛矢(かけや)でコーンコーン!と打ち込むときには何か胸にグッとくるものがありました。
最近は昔のように近所の人たちを呼んで上から餅を撒いたりして盛大に祝うようなこともなくなりましたが、やはりひとつの大きな区切りには違いありません。



上からの眺めは最高です。細かい失敗は数々あれど無事に組みあがりました。万感胸に迫る、というと大げさですが、それに近いものはあります。あとはこれにペタペタのいろんなものを張り付けていく作業。
まだまだゴールは遠い…。




謹賀新年 ー追っかけ大栓継ぎー

2023年01月01日 15時40分28秒 | 日記
あけましておめでとうございます。

2023年、今年の漢字は「建」。

日本一早い今年の漢字の発表をしてしまいました。
一昨年の12月から始めた小屋建て作業はなかなか進みません。コロナが始まって以来約2年間オーダーの注文がぱったりと無くなり、こうなったら全てをかけて小屋建て作業に専念する!という勢いで「一年で完成」という目標をぶち上げました。ところが幸か不幸か…いやいや、幸に決まってるんですが、昨年2月から7月にかけて大きなお仕事をいただき、おかげで小屋建ては完全にストップしていたのです。
それからぼちぼちと刻み作業(家の部材を組み立てるために仕口を加工すること)を進め、土台・大引き・柱・桁・梁・母屋の加工は終わっています。現在棟木を刻み中。

というわけで今日の写真は憧れの「追っかけ大栓継ぎ」!
棟木や母屋(もや)は束によって宙に持ち上げられた状態で屋根を支えなくてはならないので、ひねりや横振れに強いこの継ぎ方を用いるようです。建築現場で何度か見たことがあり、そのたびに「すごいなー」とながめていました。今回もこれだけは無理だろうと最後まで躊躇していたのですが、やってみたら案外うまくいきました。勿論解説書を見ながら。だからもう嬉しくてしょうがない。この写真も関心のない人は一目見てすっと流してしまうことだろうと思いますが、私はいつまでも見ていられます。「やったなー…。」

春には棟上げの予定です。今度こそ今年中の完成を目指します。

今年もよろしくお願いします。

伊藤英明と天王星

2022年11月08日 20時50分15秒 | 日記
今日は皆既月食。テレビのニュースでも盛んに報じられています。明るいニュースが少ない昨今なのでこういう平和な話題で盛り上がれることは本当に幸せだと思います。
今回は隠れた月の裏にまた天王星が隠れるらしい。皆既月食と惑星食が重なるのは安土桃山時代以来だというからこれはもうすごいことに違いないでしょう。というわけで普段あまり話題に上らない天王星がにわかに脚光を浴びています。

私は天文関係の話はけっこう好きな方でそのジャンルの本などもよく読んだりするのですが、知識が深い訳では決してない。天王星がどこに見えるのか、肉眼でどの程度見えるのかということも全く知りません。なのでいくら賑やかに報じられてもいまひとつピンとこないのが実感です。月に隠れると言われても…。そもそも元々どこにあるのか知らないものが月に隠れたらなおさらわからない。

伊藤英明という俳優がいます。特に熱烈なファンという訳ではありませんが、私の大好きな「WOOD JOB!」という映画で朴訥な山の男を好演しているのを見て以来かなり好感を持って見ています。その伊藤英明が先日岐阜の信長まつりで明智光秀に扮して、織田信長に扮したキムタクと一緒に大観衆の中を練り歩きました。このニュースもテレビで盛んに報じられたのですが、どの局のどのニュースもキムタクの話題一色!同じように馬に乗って手を振っていたはずの伊藤英明の話題に触れたニュースを見たのは1回だけでした。これはあんまりやなー、と思っていたところへ飛び込んできたのが今日の天王星食です。

「天王星のことをこれほど言うんならこないだの伊藤英明のことももっと言うたれや!」と声を大にして言いたい、というのが今回の投稿の主題でした。

特大スプーン

2022年10月17日 20時55分56秒 | オーダーもの
今年5月の作品です。

HPを探し当ててくれたお客様からお電話をいただきました。
「今月末に結婚式を控えている。披露宴で長さ1mくらいの木製のスプーンを使いたいのだが作ってもらえないだろうか?」といった内容でした。

新婦がウェディングケーキを新郎に食べさせるファーストバイトに使われるとのこと。なるほど!と思わず笑ってしまいましたが、さて作るとなると…。



スプーンは時々頼まれることがあるのでその時はお引き受けしますが、自分から積極的にはやりません。理由は、先のくぼみ部分をきれいに磨くのが大変だから。機械が使えないので手作業でゴシゴシやるしかないのですが、それがどうしても面倒で…。元々研磨作業があまり好きではないのでこういう小さいものだと余計にうんざりしてしまいます。

しかし今回は長さ1m。考えてみればこれならグラインダーもランダムサンダーも使えるではないか!ということに思い至り、快くお引き受けすることにしました。ある意味普通サイズのスプーンよりやり易いかもしれない、と。



桧の端材を何枚か貼り合わせて大まかな形を作り、あとはひたすら削っていく。なかなか楽しい作業でした。口に入るものなので仕上げはオリーブオイルで。
「おかげさまで盛り上がりました!」というご報告もいただきましたが、盛り上がったのはこの企画のおかげであってスプーンはひとつのアイテムに過ぎません。

何はともあれお役に立てて何より。コロナの第6波が収まりを見せた頃で、ようやくいろんなことが元に戻る兆しを感じさせてくれるご注文でもありました。
ありがとうございました!

Y様丸テーブル#4 納品

2022年09月30日 21時35分43秒 | オーダーもの
約半年のブランクです。別に体調を崩していた訳でも家庭に大きなトラブルがあった訳でもありません。(小さなトラブルは数知れずですが)ただただズボラをかましていただけです。一度ズボラの沼にはまってしまったら抜け出すのは容易なことではない。何でもかんでも齢のせいにしてしまってはいけませんが、年々ひどくなっていくような気がします。

久しぶりにブログを開いてみたら背景が真っ白になっていて驚きました。設定画面を見てみると、60日以上ほったらかしにするとテンプレートが無効になる、との説明が。記事を投稿すれば元に戻るらしいのでそれを信じたい。その設定画面もパスワードを入力しないと開かないし、なんだか無断で外泊して帰ってきたときのようにいろいろ敷居が高くなっている。「ここはワシの家やっちゅうねん!」と威勢よく入りたいものですが、やましいところがあるもんだからそれもできず…。徐々に日常を積み重ねて元の生活に戻りたいと思います。

さて、丸テーブルのその後ですが、宅配業者さんからは断られました。「サイズがオーバーしているので普通の扱いはできない。車一台をそれ専属にして届けることもできなくはないが、10万くらいかかるかも…。」とのこと。それはあんまりなのでいろいろ調べてみると引っ越し業者さんに頼むのがよかろう、との記事がありました。なるほど、餅は餅屋ということか。

最近よくCMしている引っ越し侍のサイトで問い合わせると本当に数件の業者さんから見積もりが来ました。たいしたものです。看板に偽りなしです。手続きをしたら大きなトラックでガーッとやって来て粛々と積み込んで滞りなく届けてくれました。しつこいようですがやはり餅は餅屋です。

お客様にも喜んでいただけました。よかったよかった。お写真もありがとうございました!

Y様丸テーブル#3 完成

2022年05月02日 21時51分40秒 | オーダーもの
ようやくできました。直径160㎝、高さ70㎝。桧製。
大変だろうとは思っていましたが予想の2.5倍くらい手間取ってしまいました。ある意味仙太史上1・2を争うほどの大変さだったかもしれない。ということはつまり現時点での仙太の集大成ということも言えるかもしれません。



塗装はウレタンにしました。まだ小さいお子さんがいらっしゃるということだし、毎日ここで食事をされることを考えるとやはりその方が便利だろうと。 とはいえテカテカの艶出しにしてしまうのもイマイチなので艶消し仕上げにしています。
油性のウレタンを塗っては拭き取り塗っては拭き取り…、7~8回重ねました。 自分でいうのもアレですが、あまりしつこくなく、いい感じの艶が出ているのではないかと。



1本脚のテーブルはとかく不安定になりがちです。間違っても天板の縁によりかかるようなことは厳禁というのが普通ですが、これに限っては全く心配ありません。さすがにこれくらい重さがあると抜群の安定感。ひっくり返そうとする方が大変です。

ご依頼主様のご住所は私が自分で持っていけるようなところではないので発送することになります。ということは梱包しないといけません。これがまたなかなか…。