仙太の「雑杷ひとからげ」

「工房仙太」の新作紹介及び日々の雑想を連ねています。(ショップ http://k-senta.com/)

「なんで百姓するの?」

2021年05月28日 21時16分01秒 | 日記
都会に住む知り合いから、「仕事でもないし、増してや趣味でもなさそうなのになんで農業やってるの?」という質問を受けました。それもわりと短期間に2人の人から。

先祖代々やってきていることだし、周りも皆そうだから何故?などということは考えたこともなかったので、チコちゃんに質問されたゲスト解答者のような反応をしてしまいました。「え?な、なんで…?」
確かにすごく時間とられるし、すごくしんどいし、そういう労力を考えるとスーパーで米を買うほうがずっと手軽で値段的にもかえって安いかもしれない。現に毎年3月の終わりに差し掛かると、間もなく始まる米作り作業のことを思って気分がズーンと憂鬱になる。う~ん…、と考えた末、「義務、みたいなもんですかねー…。」などと、煮え切らない上に的を得ない自分でも不本意な返事しかできませんでした。

米づくりをする意義、という話ならいろいろ言えることはあります。低農薬の米が食える。食料危機が来ても安心。田んぼを放置して荒地になると地域の荒廃を招くので耕作することでそれを防ぐことができる。等々。そして何よりも自分の手で食料を作り出せるということは何にも代えがたい意義のあることに違いない。それは確かにそうなのだけれどしかし、知り合いが聞きたいのはそういうことではなく「なんでそんなことやってるの?」というシンプルな疑問なのです。

都会で暮らしていると、仕事でも趣味でもない、おまけにやりたくもないのに毎年やらなければならないことって無いのでしょうか?田舎の生活にはそんなことは米作り以外にも山ほどあります。様々な地域行事、いろんな団体の「役」など。自分の時間を削って奔走しなければならず、そのうえけっこうな責任までのしかかる。それが当たり前という中で日々生活しているので米作りに関しても何の疑問も抱かないのかもしれない。

こんな話をカミさんにしてみると一言で明快な答えが返ってきました。「そんなん簡単やん。要は自分で調理するか外食で済ますかの違いと同じやん。」
なるほどー。やはり女性は偉大だ。