kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

シャープ、東芝危機の先に

2016-01-04 10:30:03 | 日記
これ以上の金融緩和とそれに伴う円安が果たして5年後、10年後の日本企業の
収益にとってプラスに働くのだろうか。大胆な金融緩和と円安が多くの日本企業
の業績アップに貢献しました。円安の恩恵は内需銘柄と言われる日用品やホテ
ルや電鉄、小売りまでビザ発給の緩和もあり訪日観光客急増で潤いました。

ここ数年の追い風は一方企業の慢心を招く恐れがあり本来は改革が必要で
あるにも拘わらず先送りされたケースもあったでしょう。2015年年末になって
関心の高かったニュースは大黒柱の液晶事業の不振もあり自力での再建が
難しくなり再建の行方はメインバンクや産業革新機構の手に委ねられたシャ
ープ。不正会計問題が覆い隠していた不振事業が露わになった東芝の経営
再建問題でした。

多くの日本企業がアベノミクスで進んだ円安や米国景気の回復で過去最高益や
それに近い業績を上げた一方シャープと東芝はこの追い風を受けられず業績不
振から抜け出せず事業の切り売りを迫られ総合家電や総合重電といった看板を
下ろすことになりそうです。両社の不振は過去の無謀な設備投資や巨額なM&
Aがお荷物になったことです。既に経営危機のキザシは2010年以前に始まって
いたのかもしれません。

両社以外にも経営危機予備軍はまだまだ出てきそうです。過去を紐解けば経営
危機から立ち直るには大胆で迅速な改革です。追加の金融緩和や一段の円安
は不振事業を温存させ経営改革を先送りする可能性があり日本企業の横並び
や過当競争の温床になります。多少の外部環境の悪化にもびくともしない強い
企業体質を身に着ければ世界の投資マネーは自然と日本に集まってくるでしょ
う。

追加金融緩和やそれに伴う円安頼みの株高からそろそろ卒業しないと2万円
定着はおぼつきません。際限のない追加緩和や円安がこの先も続くことはあ
りません。円安が株高の終焉になってしまうようでは日本経済の成長も財政再
建も夢のまた夢です。シャープや東芝の不振は他力本願の危うさを示している
ようです。
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