kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

木を見る相場だそうです

2022-09-01 06:23:02 | 日記
パウエル議長のジャックソンホールでのタカ派色の強い発言に続き連銀総裁の引き締め
継続発言で米株式市場は手のひらを返したように調整色を強めています。夏の金融緩和
ラリーで沸いた株式市場はFRBの逆鱗に触れたのでしょうか。株式のような資産価格の
上昇はインフレ抑制には不都合です。市場が前のめりで利上げの停止とその後の利下げ
まで囃したことは今から思うと少々不謹慎だったかもしれません。

パウエル議長は昨年のジャクソンホールでの講演でインフレは一時的と発言してその後
の引き締めへの対応が後手に回りました。FRBの信認低下に繋がる同じ失敗は繰り返せ
ないという心理も働いているようです。危機のたびに市場はFRBの助け舟に救われまし
た。口では厳しいことを言ってもいざとなればFRBが市場にやさしい政策に転換すると
甘えは今回は閉ざされたようです。

米国よりも厳しいインフレに見舞われている欧州では金融引き締めは当分続きそうです。
インフレの背景にあるのがエネルギーや食料品価格の上昇であるだけに引き締め効果も
即効性は期待できないという見方もあります。イタリア国債の利回りがじりじり上昇し
ていることで再び欧州発の金融危機を指摘する見方もあるようです。

欧州一の経済大国であるドイツはロシアへのガス依存度の高さが裏目に出てかつての経
済力が急激に低下しています。アジア通貨危機やリーマンショックは米国の金融引き締
めが契機になったという歴史もあります。コロナ禍で各国の中央銀行が超金融緩和に踏
み切りバブル(暗号通貨の代表であるビットコインは高値から三分の一まで下落)だっ
たのは紛れもない事実です。

米国のインフレの行方や長期金利の上値の目途、ゼロコロナの影響で迷走を続ける中国
景気の先行きにも目が離せません。円ベースでは想定的に底堅い日本株もドル建て日経
平均だと随分景色が変わります。本当に割安なのなら海外投資家はこぞって日本株を
買ってくるでしょう。しかし現実は7、8月と大きく買い越したのは短期筋の先物取引で
した。

中長期の海外投資家は絶好の買い場とは判断していないのではないでしょうか。福島原
発の放射能漏れのニュースで暴落した時に大量に日本株を買ったのは海外投資家でした。
民主党政権から安倍自民党政権が誕生した時も海外投資家は大量に日本株を買いました。

海外投資家不在の相場では日本株は健闘していますが、現時点では高値を更新するトレ
ンドではありません。米国のインフレが明確に低下して金融引き締めが終わる見通しが
出てくるまで持久戦を覚悟しておくべきかもしれません。

それでも個別銘柄ではコロナ相場で逆風が吹き相場の圏外だった銘柄には活躍の目が少し
ずつ出てきているようにも感じます。空運や電鉄など経済再開銘柄はその代表例です。
またこのところのアスクル株のように相場環境に左右されず高値を取ってきている銘柄も
あります。上昇の背景には業績ではなく別の要素があるのでしょうか。
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