kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

音楽は突然止んだ

2020-06-13 06:02:23 | 日記
今週NYダウが大きく下げたのは1週間前事前の雇用統計が予想外に
改善したことで過剰な楽観論が広がった反動もあったのでしょう。
雇用環境が継続的に改善するかどうかは感染拡大をコントロールで
きるかどうかです。800ドルも急騰はあくまで数字に過剰に反応し
たシストレの影響も大きかったのではないでしょうか。

機械には恐れも躊躇もありません。ただ命令を淡々と消化するだけ
です。現状では囲碁や将棋のように決まったルールあり結果を導き
だすものに対しては正確で迅速な判断が来ます。しかし想像力は乏
しいと言われています。市場のように様々な投資家がいて数字だけ
でなく感情の影響が大きいことを判断するのは苦手です。

投資の世界でより力を発揮できるのは少し先の話です。確かに雇用
統計の結果はサプライズでしたが、この数字を鵜呑みにできません。
米国のように飲食やエンタメなどのサービス産業の雇用者が多い経
済では感染防止と経済の回復を求めることは難しい難題です。雇用
環境は今後回復するにしても緩やかになるか、あるいは一進一退で
当面推移するかもしれません。

経済への打撃がリーマンショック級といわれている中で株価は短期
間に回復しました。回復に数年かかったことを考えれば如何に今回
の上昇がV字だったか分かります。そもそも裁定売り残高が積みあ
がったのはリーマンショック時を参考に売り方がポジションを積み
上げたからです。

しかし相場は売り方の思惑通りに進まず上げ続けました。リーマン
の教訓から素早く金融緩和を決めた中央銀行と巨額な財政出動を決
めた欧米政府の対応がリーマン時は違った株価の動きを演出しました。

今回は売り方の誤算でしたが、空売り比率が最高水準に積みあがり
売り方窮地で買戻しが加速するとか話題になればなるほど当面のピ
ークは近いようです。急騰急落は投資家の不安心理の裏返しなのです。

買い方は経済再開をはやし景気のV時回復があたかも既定路線のよう
に強気でした。そもそもウイルスの封じ込めに成功して経済再開した
訳ではありません。このまま封鎖を続ければ経済に致命的な打撃を与
えかねないということで見切り発車でした。

しかし終息した訳ではないので経済再開と感染者拡大はある意味反比
例するのは仕方ありません。同じ物体でも光の当たる角度で見え方が
違うように相場の流れによって買い材料にも売り材料にもなり得ます。

ワクチンが開発され世界の人達に予防接種が可能になるまで経済活動
の正常化は望めません。飲食、空運、映画やコンサートなどのエンタ
メは感染防止策から再開されても人数制限が必須ですから利益を出す
ことさえ高いハードルです。

世界経済は未知なる感染症に強い新しい構造に作り替えなければなり
ません。一つの手段がテレワークやWEB会議システムなどオンライン
を駆使した働き方です。工場ではできる限り人との接触を避ける意味
で機械化、自動化も必要です。新しい環境にいち早く適応した企業だ
けが成長への切符を手に入れられます。

次回の更新は16日を予定しています。
コメント
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