kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

谷深ければ山高し

2020-06-06 09:47:31 | 日記
まだ音楽は鳴っていて踊り続けている投資家が多いようです。5日の
NYダウは5月雇用統計の結果が予想外の改善を示したことから829ドル
高と急騰しました。事前の予想では4月の14.7%から悪化し20%超えも
という悲観的なものでしたが、蓋を開けたら13.3%と予想外の改善で
した。

13.3%もかなり悪い数字ですが、現在の相場をリードしているマクロ系
ヘッジファンドのシストレはこの結果は買いという判断をしたのでしょ
う。内容よりもヘッドラインに反応する相場ですすから中身を吟味する
慎重派の意見は無視されがちです。上げっぷりの良さはまるで雇用環境
がV字回復したようです。

急騰した米国市場で上昇が目立ったのはエネルギーや空運株やボーイン
グなどコロナショックで大きく下落した銘柄でした。雇用環境の改善
で景気回復が早まるという発想です。東京市場でも今週は鉄鋼(9%)
空運(9%)、輸送用機器(6%)、海運(6%)など売られ過ぎた銘柄
の上昇が指数を上回りました。週明けの東京市場でも物色銘柄はこれら
の銘柄は人気を集めそうです。

以前PBR1倍割れは下値の目途でした。しかし大手鉄鋼株や化学などは
素材株はコロナショック前から1倍割れが定着し、コロナショックでさ
らに下落したことで0.3倍台というあり得ない水準まで下落しました。

しかし経済誌によると業界を取り巻く環境は厳しく巨額な生産設備を
抱えるこれらの業態は巨額な減損が懸念され資本が既存することを株価
が織り込みつつあるから必ずしも割安ではないという論調がまだ2か月
前に記事になったばかりです。

コロナショック後はキャッシュリッチな企業が安定性から好まれ素材
産業のような借り入れの大きき産業は物色の圏外でした。景気がどこ
まで悪化するか予想がつかず売り上げが大きく減少しても耐えられる
体力がある企業が好まれました。

しかし市場はある意味柔軟性が高く「のど元過ぎれば熱さ忘れる」生き
物のようです。悪材料をものともせず上昇続ける市場に慎重な見方が増
えてきたのも事実です。しかし「谷深ければ山高し」なのかは分かりま
せんが、現在の相場は後先考えず流れに乗ることができる投資家が勝っ
ている相場です。「音楽が鳴っている間は、踊り続ける投資家になれた
かどうかが」が明暗を分けたようです。

次回の更新は9日を予定しています。
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