福井県越前市五箇地域は千五百年前から始まったとされる越前和紙の産地です。
そこには紙祖神としての国指定重要文化財「大滝神社」や卯立の町並があり、古くからの伝統的な遺産が現在も地域の人々により守り継がれています。
飛行機作りには欠かせない和紙とのお付き合いですが、その材料や製造工程を知ることが出来ると思い訪ねてみました。もっと時間があればゆっくり散策したかったのですがいつもの速攻モードで、大切なモノを見落としてきてしまった感は否めません。それでも今回は薄い和紙に関して大きな収穫がありました。今後そのプロジェクトも時間をかけて進めて行きたいと思っています。
先ずは紙貼りが上手く出来ますよう?大滝神社にお参り、私の得意とする「苦しい時の神頼み」なのであります。
そして「和紙の里」を徘徊します。この地域一帯の町並みは景観地区として整備されているようで、黒を基調とした家々が並んでいます。岐阜県美濃市の「うだつの上がる町並み」ともちょっとクロスオーバーしますが、大きな違いはこの界隈には今も紙漉きにたずさわる家七十軒、その中で手漉き和紙を生業(なりわい)とする家は四十軒近くもあることです。
http://www.washi.jp/genryou/index.html
紙を漉くときには欠かせない材料、「トロロアオイ」なんて言葉知らなかった!
アオイ科のトロロアオイという植物の根を潰して水につけ粘度のある液を作り、漉槽(すきそう)に入れて原料と一緒に攪拌します。セルロースと同じ多糖類なので、これを入れることで紙の繊維をぬるぬるで包み、互いに絡み合わせることなく水中に分散させ、均質な厚みの紙を漉くことが出来る・・・・なるほど。
江戸時代中期の紙漉き家屋を移築復元した「卯立の工芸館」。そこでは昔ながらの道具を使って和紙を漉く様子や、屋外での和紙天日干しなど、和紙が作られる一連の工程を見ることができる、全国でも唯一の場所となっているそうです。
http://www.echizenwashi.jp/features/udatsu.html
その「卯立の工芸館」での紙漉きの様子です。簡単そうに見えますが、とても出来そうにもない・・・熟練の技が!
http://www.youtube.com/watch?v=otefLyFG0SU
漉いた紙は隙間なしに重ねられ行く・・・その間には1本の糸があるだけ。
http://www.youtube.com/watch?v=TSTKmuSVKoI
きれいな紙を漉く前には丹念に異物を取り除く作業があります。
http://www.youtube.com/watch?v=pm6xDUi-nV0
和紙の里通りにある和紙の店「うめ田」の梅田社長様には今回大変お世話になってしまいました。