この写真を撮ったのは今を去ること2年前、2008年8月31日午後9時35分前後。光陰矢のごとし・・・それから月日は経ち、行き場も無くずーっと引き出しの中で自宅待機、華やかな出番を待っていましたが外に出る機会も無くこのまま朽ち果てようとしていた「Granger Archaeopteryx」。
今月始め、エンリケさんがこの機体を見つけて「何故ここで止まってるの?」 「事情が色々とありまして、と言っても一番の問題はですね・・・」ってことで説明を始めましたが、それがあまり理由らしい理由になってない事に自分で気づき、それならちょっとだけ続きを始めますよ!って「たんか」を切ってしまい・・・日の当たる場所に再登場です。
そもそも、ノーズ・ソケットを切り取る段階で「この機体は胴体超短いからここはマーク・アリソン製のエポキシ・ギアでも使って、1:4くらいにギアダウンすればモーター・ランも伸びるし・・・」なんて調子の良い計画を立てましたが、まずそのギアを探して、中心に穴開けて、ギアボックスを作って、その取付位置を決めてからノーズを切り取る事になります。このギアは大昔にコントラ装備の「強風」に使った物なんですが、今いずこ・・・ 探せば必ず出てきます。いつか何かの拍子で突然目の前に現れる事を期待しながら早2年、まあそんなモンです、出てこない時は。この言い訳はイスラエルの人にも無理みたいで、そこで重い腰でも無いけど、とりあえず上げた訳であります。
先ずはギアダウンするか否か?を決めないとノーズは切り取れません。でも肝心のギアを積極的に探す訳でもないのに、突然今夜目の前に出て来るとは考えられないし、そうかと言って「今から家探ししてでも見つけるぞっ!」的なパワーも無いし・・・とか優柔不断な時間をもう少し引っ張っておいて、その間に主尾翼だけでも紙貼りして後戻り出来ないように自分を追い込む?作戦に出ました。
エアーブラシで薄く吹いた銀色の紙を主翼に貼ってみます。後縁翼端部分、どうしてもシワが取れないので裏側から切開手術して筋交いを1本追加します。ネジリ下げは翼端が自由に動きますから、あまり派手に付けていません。
それでは、いざ胴体入刀の儀!ま、そんな訳で2年間に及ぶ試行錯誤?いや部品待ち、いやただの言い訳を・・・すっぱり切り落としちゃいました。さあ、どーする!ここはブロックで裏側が適度にえぐってあります。ソケットの取り付けは「爪楊枝3本作戦」で行います。切り離したノーズ部分はどうしても少し小さくなりますから、位置合わせのパーツとしてゴミ箱には捨てずにキープ。先ずは胴体側に3本の先端が入る穴から加工、薄いので内側はカーボン(黒い部分)で補強しました。
これで3本を突き刺したら、先端を細くしてから切り落とします。慎重にでも無いけど下側に隙間が出来ないようゾケット側にも穴開け加工して接着します。緩すぎず・緩すぎず、最初は硬めでキツキツにはめ込みます。後はひたすら削るだけ、2年間の淡い思いは数分で吹き飛びましたネ。「最悪飛行時間稼げなかったらもう一度ギア付の胴体を作れば済む」のかな?
これで一応ノーズ・ソケットの分離作業は終了、裏側を削ってスラスト・ボタンを押し込めば完成・・・
ここで一息入れずに次に進みます。私にとって次の難関はウイング・ポスト。図面を信じない訳じゃ無いけど、どのあたりに穴を開けたら良いのかずいぶん迷いました。ここはどうしても塗装前に加工する場所ですから、位置合わせは図面を乗せておもむろにプスッと・・・でも心配です。ま、この穴に合わせて支柱を作れば良いことなんですが。
重い重圧?から解放されて早速紙貼りまで行っちゃいましたネ。今度「手が止まる!」のは、エンジンか・・・
最後のお仕事、プロペラを作ります。でも何処かにペラあった様な・・・インドア用の16センチ極上を発見。ちょっと大き過ぎの感ありで両側5mm詰めました。重量は0.3g、ならばと補強を兼ねて表に木目模様を貼り裏はマット・ブラック、あくまでもバラスト積まないのネ? これで0.5gですからマウント付けてちょっと加工すれば夢の0.7g !
ペックのスラスト・ボタンは最前部のみ切り落として使います。後ろはアルミ缶の切れ端を使ってスラスト調整出来るようにします。接着は瞬間では強過ぎますから水性ボンドを使いました。これで調整する時はちょっと力を加えればカンタンにはずせます。
紙貼りのついでに8月一宮でエンリケさんが飛ばしたヨーデルD9がガン箱に、しかもゴム切りで胴体に大きな風穴。主翼は数カ所が骨折、ノーズ下には重心調整の小さなオモリが一杯、醜いのできれいに剥がしてノーズ・ソケット内に納めました。パイロットは飛行中に落機、九死に一生でしたからもう一度乗せます・・・って事でコチラも色々細かい仕事ですが手を加え、今度の飛行会にもう一度飛ばしましょう。
さて、プロペラの取り付けも終わり晴れて完成の運び!エンブリオですが十分楽しめましたヨ!
何も考えなくって良いんですヨ、美しい模型飛行機のデザインは実機を凌ぐ・・・って信じれば!
それなりに紙貼りを進めましょう。今回はどんな方法で機体のデザインをしますか? これも自由です、実機ありませんから。でも、一応競技機ですし、あまり派手なのも・・・そこでベースカラーは黄色と決め(何処が地味だ!)、とりあえず面倒なスパッツから試験的に紙貼りをします。「ムッムッ、重い」です。ちなみに並行で作業している他機のスパッツは? サイズの違いということにして我慢します。大きいけど薄いんだよね、ブツブツ・・・
「スケール機風なのがエンブリオ」ならば、やっぱりそれなりしちゃうのもアリか、地味な明るい黄色と決めておきながら心の葛藤。そんな訳で・・・これです! プロペラ無しで4g、バラストつけて4.7g、プロペラは0.7gで作ります。ゴムの搭載で重心位置の移動もありませんから4g台で完成カナ。
2010年最後の記念すべき機体、 2010 Shonai Specialと勝手に命名しました。用紙は「エプソン強インク製」フルカラー、しこたま霧吹きしても大丈夫です!