勝手にVariantもそろそろ生地完、紙貼りの準備をしようという矢先にトム・ハルマンさんから1枚の写真が送られてきました。いつもながらその美しい完成度にはため息が出るばかりですが、今回の機体27インチ(約68cm)スパンのFairchild PT 26 はいつもとちょっと違うぞ?
私同様、「最近はコンピューター仕上げばかりで昔の本業でもあるブラシ・ワークを忘れてしまった・・・」とか聞いていましたが、これはどう見ても発色が素晴らしくシャープで、その上透ける所は透けてコッテリした感じの色塗りにも見えないし、とにかくエアーブラシの雰囲気ですよ!
・・・ってことで、早速その手法をお聞きすることになった次第でございます。
昔から彼のイラストレーターとしてのブラシ・ワークは素晴らしく、塗料の濃さとか吹き付ける量とかすべてが完璧であります。決して厚塗りはしませんし、紙を染めた感じです。薄いからと言って色乗りが悪かったり発色の良さを損なっていることも無く、限りなく忠実な色に仕上げられています。
さてその方法とは、今回は久しぶりにエアーブラシ・ワークで仕上げたそうで、マイクロX製の白い紙にブルーのブラシ、マイクロX製黄色の紙に実機に忠実な黄色にするために薄く黄色のブラシ、主翼や垂直尾翼のカラーバンドは全てスプレーボンドでの貼りつけ、胴体のストライプやナンバーは切り抜きした後に貼り込み。ですから機体全体の細かなラインも手書きと言うことになりますネ。
紺色の胴体の上に貼る白や黄色なんて下地が透けてなかなか「くっきり」とは行きません。彼は切り貼りする紙の裏側を白を薄く吹いた後にシルバーを吹いて隠蔽しているそうです。これらのナンバーやストライプは「ウフ」で接着しているそうです。
往年のオーソドックスな手法ですが、文字の切り貼りとか、色紙の貼り合わせとかいう作業は私もここ最近やっていませんから、この忘れかけてしまった色紙の貼り合わせとかナイフや糊を使って細かな文字を貼ったりしてバリアントを完成させた訳であります。 DTPに慣れてもそこで費やされる作業時間はかなりなものですから、たまにはこんなサクサク進む作業にちょっと新鮮な気分を味わったと言えば・・・そうかな?
さて、この機体のグライド・テスト、ゴムを積んでの初飛行、競技会場での調整飛行等ビデオも送られて来ましたのでご覧下さい。低翼機を感じさせないジェントルな飛行です。
完成後に裏庭でのグライドテスト。プロペラは付けていませんが良く伸びてます。重心位置の調整をかなりしっかりしています。
http://www.youtube.com/watch?v=zpeR4wGGgs4
始めてゴムを巻いてのテスト飛行。右旋回ですよ!600、 720、 860、960回巻きでのテスト飛行、調整が決まれば最終的には2200回巻きだそうです。
http://www.youtube.com/watch?v=Nk97LLcgAmQ
そして競技会場ニューヨーク州ワワヤンダでの調整飛行。右翼端に粘土状の旋回用バラストをつけている様に見えます。
http://www.youtube.com/watch?v=ZO9RyueUy98&feature=youtu.be
THANKS TOM!